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相模湾を見下ろすミカン畑の丘に

相模湾を見下ろすミカン畑の丘に建てられた江之浦測候所には、その名の割には何かを観測している人の姿は、見当たりません。

ただ「夏至光遥拝100メートルギャラリー」があります。そのガラス張りの歩廊は、夏至の日の朝日が真っすぐそこを通過する方角に配置されています。

その下を交わる70メートルの「冬至光遥拝隧道」の方は、冬至の太陽軸上にあり、冬至に水平線に昇った太陽の光は、このトンネルに一直線に差し込みます。

夏至でも冬至でもない梅雨寒の昼下がりにそこを訪れた私たちは、繰り返され、約束された法則の中に身を置く安心感に満たされ、いつまでもそこにいました。

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皮膜
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