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牛窓

牛窓のパンフレットには「家々が密接して建てられた町並みは牛窓千軒と呼ばれ、『しおまち唐琴通り』は、往時の香りを今に伝えます」とあります。

この種の宣伝文句は、いわば常とう句であって、真に受けて出向けばハリボテのテーマーパークのような町並みに出くわすハメに陥ったりもします。だけど。

ここ牛窓に例外がありました。千軒とはいかずとも、なまこ壁と焼き板塀の屋並みが連なり、しかも(信じ難いことに)、その一軒一軒が生活の場でした。

商いをし、夕食の支度をし、昼寝をし、子どもが泣いている。その軒下を何往復もしながら、「景観十年、風景百年、風土千年」のことを思っていました。

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