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心を洗うということ

台所で

台所でふきんを洗いながら
ふきんでも洗わねば汚れる
まして 人間の心はと ふと思った
人間はなにで心を洗うのか
山を眺めて心を洗う
雲を眺めて
水を眺めて
椎の実が実る 椎の木を眺めて心を洗う
赤まんまの 赤い花を眺めて洗う
そしてまた
ふきんを洗うことによって心を洗っていたのだった
大変うれしくなって
洗い終わったふきんをよくしぼり
丁寧に四角にたたみ
そっと額に当ててみた

山尾三省『五月の風』

山尾三省さんのことは聞いたことはあったけれど
彼の詩を読んだことはなかった。
ちょっと気になっていはいるけれど、まだかなと
手にとっていなかった時に、友人から
ぜひ、読んでほしいからと貸してもらった本が
この2冊の詩集。

表紙もカッコ良いし、
詩の内容も今の自分にすっと入ってくる感じ。
グッドタイミングだった。

今日もう一度読んでみて、気に入ったのが
冒頭の詩の『台所で』

ふきんを洗いながら、心について飛んで
またふきんに戻ってくる感じが何ともいい。

時に心を洗うことって必要だなと
そうそう、と思う。

山を見て、花を見て、樹を見て
歩いて、歌って、ぼーっとして
心を洗う。

お洗濯も、掃除も、家事も
心を洗うこと。

毎日の行いの一つ一つも
心を洗うこと。

今日は本を貸してくれた友人が
お茶を飲みに来てくれた。
聞いてもらいたいことがあるからと。

お話を聞かせてもらったら
今、妄想していることについてだった。
場をつくりたいと。

こどもだけでなく、シングルの人も、お年寄りの人も
しょうがいを持っている人も、だれでもが集える場を。

福祉とか伝統とか枠をはめずに、手仕事の
心を動かされるものを置いたり
心静かになる空間をつくったり。

聞いているだけで、ワクワクする話だった。
応援したいなと思った。
そんな場ができたらいいなと思う。

緊張したーと言っていたけれど、
とってもしっかり話していたと思う。
いいないいな。

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