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ありがとうシアターコクーン

渋谷にあるシアターコクーンが休館するということを聞いて松尾スズキさんのお芝居「シブヤデマタアイマショウ」を見に行った。

学生時代にアルバイトをしていたのがシアターコクーン。1998年、1999年の2年間、なんともう24年も経っていたとは、時が経つのはホント驚きの速さだ。

家庭教師や、ハンバーガー屋さん、塾講師、レストランの皿洗い、電話のオペレーター、チラシ配り、スーパーの試食、試験監督、様々なアルバイトをした中でも、シアターコクーンのアルバイトは濃くて、記憶に残っている。

特に、お芝居好きということはなかったけれど、
学生にとっては、なかなかそう頻繁には見ることのできないお芝居を見ることができるかもというのは魅力だったので、応募してみたら受かったのがきっかけ。

当時は、なかなか厳しくて、研修もしっかりあり、敬語やマナーもみっちり仕込まれた。

アルバイト中は、中で客席をみる係と、ロビーなど外をみる係があった。大体、交互にやらせてもらえて、中の係だとお芝居を見ることができた。
中の係りは、お芝居が始まってから、遅れてきたお客様を席まで案内したり、飲食を見つけた場合は注意に行ったり、アラームなどがなった時に報告するのがお仕事。
 たまに、お芝居に夢中になっていると見逃すこともあり、社員さんに怒られたりしてしまうので要注意だった。

 一番最初に入ったお芝居は、コクーン歌舞伎。
はじめは、歌舞伎に興味がなかったので、「えー、残念」と思ったけれど、2年間色々なお芝居を見た中で、ダントツに面白かったのがコクーン歌舞伎。もう亡くなられた中村勘三郎さんがとってもいい役者さんで、何度見ても飽きなかった。

アルバイトの仲間も同じ学生が多く、結構長い時間を一緒に過ごすので仲良くなった。休憩中に色々おしゃべりするのも楽しかったな。
役者を目指している人もいたりして、おすすめのお芝居を教えてもらったり。

アルバイトでよく失敗もした。遅れてきたお客様を、小さな懐中電灯のようなもので照らすのだけれど、ホタルの光みたいなライトで、暗くて見えにくいので間違えた席に案内してしまったり。

お芝居によっては、ここは絶対暗転で、遅れ客を案内してはいけないタイミングに間違えたり。毎回お芝居が違うので、新鮮で飽きないお仕事だった。野田秀樹さんのNoda Mapのお芝居も面白かった。セリフもアドリブがあったり客席の盛り上がりもまた、毎回違っていて。

そんなこんなで、思い出深いシアターコクーンが休館になる前に滑り込みで見たお芝居は、ミュージカル。松尾スズキさん演出のお芝居ははじめて見たけれど、とっても面白くて、笑えるものだった。主演の多部未華子ちゃんも、声もよく、踊りも、歌も上手でいい女優さん。オットも一緒に付き合ってくれたけれど、楽しかったようで、またお芝居を見たいねと言ってくれた。

わたしは、自分がアルバイトしていたからか、働いているスタッフの動きに注目してしまった。遅れ客を案内するホタルも健在で、キビキビしていた。

お芝居のはなまもの。やっぱり臨場感がある。
今年はたくさんお芝居を見に行こう。

ありがとう、シアターコクーン。
わたしの学生時代の青春でした。
リニューアル楽しみにしています。

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