ニーズではなく「ウォンツ」を意識
みなさんこんにちは。
ひねくれ者のミニマリストです。
世間では「顧客のニーズに応えましょう」とよく言われていますが、実はセールスの上では「ニーズ」よりも重要なことがあります。
それが「ウォンツ」です。
今日はニーズとウォンツについてお話しします。
ニーズとは
まずはおさらいですが、ニーズとは「必要なこと」です。
「鉛筆が必要」というニーズに応えるために文房具屋さんがある。
「トイレットペーパーが必要」というニーズに応えるためにドラッグストアがある。
「食材が必要」というニーズに応えるためにスーパーがある。
これらがニーズですね。
ウォンツ
次にウォンツですが、これは「欲しいもの」ですね。
「モンブランのボールペンが欲しい」
「ダイエットサプリメントが欲しい」
「高級な肉が欲しい」
これらがウォンツです。
実は必要なのはニーズではなくウォンツ
上記の例は少し極端に書きましたが。
こうしてみると「ウォンツ=高価なもの?」と思われるかもしれませんが、その理解でだいたいは合っています。
例えばですが、田舎に住むことになってどうしても車が必要、という状況になっとしましょう。
「車が必要」というのがニーズなので、ニーズだけを満たそうと思えばボロボロの軽自動車で事足りてしまいます。
しかし、ほとんどの人は「そんなボロい車は嫌だ!」と言いますよね。
そこには「ウォンツ」が潜んでいるからです。
車の例でいうと
・新車が欲しい
・かっこいい車に乗ってモテたい
・安全性能の高い車が欲しい
・大きな車が欲しい
・SUVが欲しい
・スポーツカーが欲しい
という感じですね。
ちなみに、ディーラーはこれらのことをよく知っているので(営業マンだからそりゃそうか)、「ニーズだけを満たすならばこの車で十分ですよ」と言って中古車を勧めてくることはありません。
そりゃそうですよね。ウォンツを満たそうとすると高価な車になるし、お店側としては高価な車を売ったほうが良いに決まっていますから。
ほとんどの商品は、ニーズだけを満たすならば安価なもので事足ります。
家を買うにしても、そもそも「屋根がある空間が必要」というニーズを満たすだけならば、ボロボロのマンションでも良いわけです。極端な話をすると、トタン板を買ってきて小屋を建てるだけでもニーズは満たせるわけです。
でも、そうではなくて「帰る場所が欲しい」「自分たちだけの家が欲しい」「おしゃれな空間が欲しい」というウォンツがあるからこそ、家を買う人がいるわけです。
余談ですが、世の中から「ウォンツ」が無くなったとしましょう。
どのお店も全く儲からず、経済は止まってしまいます。
ウォンツこそが世界の経済を動かしていると言っても良いでしょう。
BtoCの場合は特にウォンツを優先
一般消費者を相手にするセールスでは、特にウォンツが重要です。
というよりも、一般消費者相手のセールスの場合は、9割以上は「ウォンツ」によって成り立っていると思ってください。
例えば服を買うとしましょう。
先の例ではありませんが、「身を隠すためだけの布」というニーズであれば、別にスーパーやドラッグストアで安売りしている服でも良いわけです。
でも、普通の人がそうせずにおしゃれなブランドやアパレル店で服を買うのは「おしゃれな服が欲しい」とか「流行りの服を着て格好良くなりたい」「(スーパーなどで)そんなところで買った服なんて着たら恥ずかしい」というウォンツがあるからです。
なので、もしあなたが一般消費者を相手に仕事をしているのならば、今一度「ウォンツ」を刺激することを意識してください。
ここでもペルソナ設定が重要になってきます。
BtoBの場合もウォンツ?
一方で、一般消費者への販売とは違って、会社対会社の取引は、ウォンツだけではうまく行きません。
個人ではなく組織で成り立っているわけですから、何かを買うにしても外注するにしても、上長の承認とかが必要になってくるわけですよね。
一個人に販売するようにウォンツだけではどうにもならない部分もあります。
・・・とは言っても、最終的には「人間」が判断することなので、たとえ会社が相手であったとしても、ウォンツを意識することに変わりはありません。
あくまでも「ウォンツ」だけでなく理由も添えてあげるということですね。
例えば、「自分を外注先にしてください」と営業していたとします。
人間の本当の気持ちでいうと「外注することで自分が楽になる」というのが魂胆にあります。
が、会社の場合、それだけだと「お前は楽したいだけなのか」と上司から言われてしまいますよね。
なので、例えば
「あなたが弊社に外注することで10時間の余裕が生まれます。そして、その10時間で他の仕事ができます。そうすると残業代が減って、結果的には従来とコストは変わらないことになります。しかも、あなたはその10時間を使ってさらに生産性の高い仕事をすることができるので、売上拡大が見込めます。」
という感じですね。少し極端な例ですが。
相手が人間である限り「ウォンツ」の方が大事
基本的には、個人との取引であろうと会社での取引であろうと、最終的には全て「人間が判断」することです。
人間が相手である以上、意識すべきはニーズよりもウォンツです。
例えばですが、自分の取引の相手がパソコンであり、価格や商品の特性など、全てを機械的に判断される、という状況であれば、ウォンツではなくニーズを優先すべきです。が、そんな人はいるのだろうか・・・
要は、人間の購買意欲を掻き立てるということです。
それらの内容に関しては、これまでの記事でもお話ししているので、そちらをご参照ください。
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