LINEヤフーを退職します
いわゆる退職エントリである。
ちなみにこれを書き始めたのはまだ転職活動も終わっていない段階。転職活動に向けて思考を整理したかったのと、愚痴を早く書きたかったのとが理由だ。
退職理由
詳しくは読めばわかるが、まとめると以下の通り。
インフラ保守運用の仕事は自分にあってないし、自分の人生の目標とも合わない
もっとユーザーに近いサービス開発がしたい
そもそも大きな会社向いてないと思った
新卒での入社理由
建前(ウソではない)
何でもよいのでサービスがやりたかったから。
やはり自分が最も喜びを得られる体験は、「お客さんに喜んでもらえること」だ。ジャグリングだってそうだし、文化祭だってそう。お客さんを喜ばせることが、僕にとっての何よりの幸せ。
それをITエンジニアの世界で実現しようとするとなると、やはりサービスを開発して喜んでもらうことである。そう思ってヤフー(当時、以下同じ)に入った。
本音
正直に言えば「ヤフーともう1社しか受からなかった」というのが大きい。
就活は受験勉強とは何もかも勝手が違う。個人的には、面接で好印象を残すのはテストでいい点を取るのよりはるかに難易度が高かった。
そんな中で、辛うじて取れた内定がヤフーだった。ヤフーはもちろん当時から知っている大企業だし、知っているサービスもたくさんやっている。もう一社はゲーム系の会社だったが、別にそこまでゲーム系に興味はなかったし、実績にも乏しい。となると実質ヤフー1択であった。
入社から研修・配属・OJTまで
オンボーディング研修
ビジネスパーソンとしての研修とグループワーク。前者はどの会社でもやらなきゃいけないと思うので許すとして、後者は本当に何がしたかったのかわからなかった。
内容はビジネスコンテスト的なものだったが、そもそも新卒の大半はエンジニアなのでグループにビジネス系の人は1人いるかどうか。グループワークするならもっといいテーマがあったと思う。
ここに関しては、合併後の今はマシになっているらしいので忘れよう。
エンジニア研修
最初はJava / Spring Boot (あとMySQLくらい)について、習熟度別に外部講師による講義と演習。まあ知らないこともたまにあったので学びにはなった、程度。
続いて開発演習。個人開発とチーム開発があり、要件定義からアプリケーションを作るというもの。これは実践を積めてそれなりに良かったと思う。
最後はヤフーの社内基盤などの使い方の研修。これはさすがにないと困るので必須。
総じて面白くはなかったが、今思えば必要なものは得られたので良かったと思う。
配属
6月末に配属。ここで記しておきたいのは、配属に関して何ひとつとして希望を聞かれることがなかったこと、つまり完全にガチャであった。一応面接のときは聞いてくれたが、入社してからは本当に何も聞いてもらえなかった。
もちろんできない仕事をやらせるわけにはいかないので、配属をみるに技量によってある程度選抜はされている印象はあったが、分野に関しては完全にランダムといっても良い。
実際自分が配属されたのは基盤システム側の部署であり、サービスをやりたいという想いは聞かれることすらなくかき消されてしまった。転職したかったのも結局はここが原因である。
配属先研修・OJT
ここからは配属先によって異なると思うが、自分の配属先では本部単位で同期と集合研修を行った。内容はエンジニア研修応用編という感じで、本部でよく使う技術を中心にもう一度アプリを作るといったものだった。
そのあとは正式にチームにジョインして業務開始。最初は簡単なものから入り、チームの受け持つシステムについてのレクチャーを挟みながら少しずつ大きなPJに携わるという、よくある流れだ。ただ今振り返れば、当時はチームの受け持つシステムも何一つわかっていなかったように思う。というか、2年経っても理解しきれなかったので難しすぎである。
OJT担当は1個上の新卒の先輩で、この方は何でも話を聞いてくれるとても良い方だったことは、しっかり述べておきたい。
上司との関係性
ここが結構ネックだったのだが、僕は上司と全然価値観が合わなかった。もちろん価値観なのでどちらが良いとかではないし、上司が人格的に悪いとは決して思っていないが、
上司:仕事は仕事なので好き嫌い得意不得意とか言わずにアウトプットを出してほしい。自己実現はプライベートでやるもの。
僕:得意不得意はあるし、できないものはできないので、何でもかんでも「仕事だからやれ」というのは無茶。仕事の全てが自己実現になるとまでは思っていないが、人生のそこそこの割合を占める仕事にも自己実現できる機会は必要。
といった感じで、やはり根本的なところが合わないのはつらい。他にも価値観がずれていることは多く、特に僕が追い込まれたと感じているとき、全然共感してもらえなかったのは厳しかった。
お互いに歩み寄りはあったが、結局ここには大きな隔たりが残ってしまったと思う。
転機
こんな感じだったので最初からネガティブめに仕事をしてはいたが、何度か転機はあった。
1.横断開発チームへの兼務(1年目秋)
さすがに上司も思うところがあったのか、それなりにいい扱いをしてもらうこともあった。その一つが「横断開発チーム」である。
このチームは、100名ほどいる本部内から何人かを兼務として集め、本部共通の技術課題の解決法を模索し、その手法を提案して、本部全体の開発コストやシステムの安全性を高めようという組織だった。
1年目にして入れてもらえたのは幸運だったし、本部内のいろんな人と、時に厳しさもあったとはいえ、交流できたのは大きな成長につながったと思う。
2. LINEとの合併(2年目秋)
合併は良くも悪くもいろんな影響があった。
まず僕は合併でチームごと他の本部へと異動になった。そのため先述した横断開発チームへの兼務も終了。組織に振り回されるとはこういうことなのかと思った。
しかし一方で、新しい本部での部長は旧LINEの人であったからか、かなり僕の話にも理解を示してくれた。さすがに異動させてくれという要望は通らなかったが、話が通じる人が(上司の上司とはいえ)身近にいることはかなり救いになった。
合併がなければおそらくもっと早くやめていたと思う。
転職活動
社内交渉1(失敗)
まず転職する前に、現職でできることはやろうと思い、人事に話をしてみることにした。一応話は聞いてくれた。
しかし、大きな会社なので担当人事の人もそこまで力があるわけではない。本部長まで話はしてくれたそうだが、その話が結実する前に「チームごと他の本部へと異動」のほうが決まってしまい、交渉は無収穫に終わった。
1回目(転職せず)
先述の人事への交渉が失敗したあたりで、エージェント経由で転職活動を始めた。
その時の軸は
まだ2年目だが第二新卒ではなく中途枠(配属ガチャをもう一度引きたくない)
toCサービス
それなりに知っているサービス
というあたりだった。
20−30社ほどESを出し、そこそこ感触があったところもあったが、有力候補にコーディングテストで落とされるまさかの展開。ここで意気消沈してしまったせいか調子が落ちた。それでも1社受かったのだが、LINEヤフーと同規模の会社で、しかも自分には縁遠そうなサービスをアサインされた。
結局大きな会社に行っても状況は変わらないとみたのと、先述のとおり部長が自分に合う人に変わったことがあって、このときは転職を諦めた。
社内交渉2(失敗)
大きな会社だが配属を自分で変える制度がないわけではない。社内公募である。
社内公募は2回出した。1回目は2年目に入った直後でさすがに無理筋だったが、2回目は2年目の終わりくらいで少しはチャンスがあるのではないかと思っていた。
結果は…全然ダメだった。書類選考は通ったものの、面接ではコテンパンに論破されてしまい、初めて途中で「もういいから帰りたい」と本気で思った面接で、案の定あっさり落ちた。
面接官「〇〇を自分でやってみたりしましたか?」
ぼく「いや…やってみます…(そういう機会が仕事でなくてほしいから公募に出してるんだよ)」
といった感じである。社内公募の募集分野は中途採用と同じなのだが、対社内の人間である公募のほうが態度は厳しいのではないかと思った。仮に通ったとしても、求められるものが大きすぎてここではやっていけないだろうと思った面接だった。
2回目(転職、今回)
そんなわけで、この会社ではもう無理だと思った。何より大きな会社に向いていないということを強く感じた。
加えて、同じチームの唯一の同期が辞めてしまうという話を聞いたのも大きい。現在のチームではひとり抜けるととても厳しいというのはわかっていたので、(同僚には申し訳ないが)早く抜けた方がいいと判断した。
今回の軸は
あまり大きくない会社(100〜1000人くらい)
自社サービスをやっている
toBでもよいが、自分が身近に思えるサービス
といったところで、これを総合した結果「HR系がいいのでは」と思うようになった。というのも、HR系のサービスは仕事をする以上必ず関わるので、toBでも身近に思えると考えたからである。
そこで、友人の紹介や転職サイトを通じて、今回は会社を絞り、自力で調べられる範囲で転職活動をした。
エージェントも頼ったが、「ここは絶対通ると思いますよ」と言っていた会社にあっさり落ちたあたりであまり信用ならないと思ってほどほどにした。
最初から会社を絞った結果、1次面接終わりの時点で残り2社になってしまったが、幸いなことにその2社とも内定を得ることができた。2社とも自分の興味の範囲だったし、両方とも知り合いがいたので心強かった。
その分、逆にどちらに行くかかなり悩んでしまい、どちらからも強い勧誘を受けたのでとても困ったのだが、最終的には第一印象が良かった方に決めた。もう片方も悪かったわけでは無いが、勧誘の力が強すぎて逆に少し引いてしまったところはある。
転職をするにあたって
転職先の反応
転職先の方はそれはまあ喜んでくれた。とてもうれしい。
現職上司の反応
上司に辞めると伝えた時は緊張したが、意外にもあまりリアクションがなかった。「遅かれ早かれ辞めるだろう」とでも思われていたのだろうか。
現職の総括
結論としては、1社目としてはあまり悪くなかったとは思う。大手企業で2年間経験をつめたというのは、実力にも実績にもつながる。今後への布石としては申し分ないと思う。
一方で、やはり大企業ならではのデメリットも感じた。ガチャ要素が大きいこと、振り回されることなどである。このあたりのミスマッチを減らせれば、もっといい会社になると思う。こんなこと偉そうに書いても仕方ないが。
今後に向けて
次に就職する会社は株式会社アトラエ( https://atrae.co.jp/ )である。いまは転職サイトや従業員サーベイなどをやっていて、ミッションとしては人々が活き活きと働けるようにすることを目指す会社だ。
100人規模のベンチャーなので、エンジニアに限らずいろんな仕事をやることになると思うが、自分としてはむしろその方が良いと思う。一つのことだけは飽きる。
今までと違って変なガチャはないだろうし、選択ミスをしたら自力で取り返すチャンスを作ればよい、そんな風土に魅了された。
ここまでは「選んだ場所が正解に近いか」を語ったが、結局は出たとこ勝負、これを正解にするしかない。新天地でいい未来が見えますように。