【日向坂46】行動は大胆、でも誰よりも謙虚なセンター、加藤史帆を振り返る。
さて今回は日向坂46の5thシングルでセンターを務めた1期生、加藤史帆をピックアップします。
日向坂46の前身グループである『けやき坂46(以下ひらがなけやき)』からほぼ全ての楽曲でフロントメンバー(1列目)に抜擢。今年3月に開催された『春の大ユニット祭り』では全23曲中9曲に参加するなど、ユニット曲への参加率も高い人気のメンバーです。
また、2019年からは人気女性ファッション誌『CanCam』の専属モデルを務め、東京ガールズコレクションにも複数回出演。人気女性誌のトップモデルたちと肩を並べています。
さらに忘れてはならないのがメディアでの活躍。今春からスタートしたTBSの帯番組『ラヴィット』のシーズンレギュラーに抜擢されたほか、2019年には文化放送の帯番組『レコメン!』のパーソナリティに、同年10月にはテレビ東京でレギュラー番組『道玄坂コネクション』のMCに抜擢された実績があります。
そしてこれだけの実績を積み重ねてきた背景にあるのが、加藤史帆の仕事に対する実直さと真面目さ、そしてグループ内での人望の厚さにあると考えています。
■積極性と行動力が生んだ『カット女王』の称号
加藤史帆を語る上で欠かせないのが、冠番組『日向坂で会いましょう』をはじめとしたバラエティ番組での活躍。
番組内での行動力は凄まじく、アイドルグループの中でも特に『大喜利』が多いと言われる冠番組で積極的にボケを連発し、野球企画が始まれば華奢な体で特大ホームランを量産。彼女の話題が出ない回がないと言っても過言ではないほど、番組を牽引する切り込み隊長としての地位を確立しています。
こうしたバラエティに積極的な姿勢は注目され、2020年の年間テレビ番組出演本数はグループ3位となる65本(11月時点)、2021年は上半期だけで40本近い出演本数を記録するなど、日向坂46の知名度拡大に大きく貢献してきました。
そしてそんな加藤の頑張りを象徴するのが、2020年5月に冠番組で実施された企画『第1回 日向坂で会いましょうカット女王決定戦』。放送尺の都合で泣く泣くカットになってしまったシーンが一番多かったメンバーを決めるこの企画で、加藤は2位の河田陽菜と14分近い大差をつけて圧勝。
結果的にはカットになってしまったシーンが多い彼女ですが、普段から積極的に画面に映り込んでいなければ得られないのがこの称号。名実ともにグループNo.1の行動力を持つメンバーということが、この企画で証明されました。
■『天使』というフレーズに垣間見る、強くマジメな一面
その積極性と行動力から、様々な番組で奇怪な行動やユニークな発言が目立つ彼女ですが、一方で冠番組のMCを務めるオードリー若林からは「(加藤は)メンバーの中でも大人だから話しやすい」と評されています。
実際に彼女は無鉄砲に行動を起こしているのではなく、むしろなかなか周りがいきづらい大喜利の先陣を自ら切ったり、他のメンバーが可愛らしいコスプレをする中であえて奇抜な衣装を選んだりと、全体のバランスを考えた上で自分の行動を決めている節が見られます。
最近の企画の中でも、ほとんどのメンバーが純粋に若林に呼ばれたい名前を発表する中で、加藤は『天使』という突拍子もないキテレツワードを披露。そのままその呼び名を勝ち取り、オチ要員としての役割をしっかり果たすなど、番組全体の流れを意識した上で自分の立ち居振る舞いを決める『仕事人』としての一面を覗かせています。
また、スケジュールのハードさから賛否両論が巻き起こった5thシングルのヒット祈願でも、ふらつく体を懸命に奮わせながら高難度のチアリーディングを完走。いかなる状況であっても最後までやり通すその強さは、多くのファンに強烈なインパクトを与えました。
■驕らず、優しさを忘れない謙虚なセンター
そしてこうした努力家としての姿はもちろん、彼女を語る上で欠かせないのが『優しさ』というキーワード。その人一倍強い優しさで、同期や後輩を様々な場面で支えてきました。
代表的な一つが、日向坂46として初めてリリースしたシングル『キュン』のヒット祈願。このヒット祈願では東京~箱根間の駅伝にチャレンジ。加入したばかりの3期生・上村ひなのと一緒に区間を走り彼女を励まし続けたほか、グループに加入してくれたことを心から感謝するなど後輩想いの一面を見せました。
同じく後輩を支えながら最終区間を走りきったキャプテンの佐々木久美に対しても真っ先に駆け寄り、「スゴイよ久美。辛いのにムリしたでしょ。」とその苦労を労る姿も。その優しさあふれる光景にファンからは多くの感動の声が上がりました。
また、2期生・小坂菜緒がレッスン中に泣き出した際もずっと側で支え続け、最終的には小坂がグループで唯一加藤を家に招くほどの仲に発展。ひらがなけやきの頃から常にフロントに立つ人気メンバーとして活躍しながらも決して驕らず、謙虚に周りを支え続けてきた結果、今では小坂をはじめ多くのメンバーから慕われる存在となっています。
そしてその優しさで周りを支えつつ、様々な仕事に実直に取り組んできた結果、5thシングル『君しか勝たん』でセンターに抜擢。ひらがなけやき時代、『ハッピーオーラ』という楽曲でセンターに抜擢された際は自信の無さから涙が止まらなくなっていた彼女でしたが、今回は同じく涙を流しながらも「めちゃくちゃ嬉しいです」「楽しむっていう脳みそで頑張りたいです」と前向きな言葉が出るなど、人としても大きく成長した姿を見せてくれています。
実際にそれは形となり、5thシングルは女性アーティストとしては初となる5作連続40万枚超えを達成。今回は周りの仲間に支えられる立場として、見事に日向坂46の躍進を牽引しました。
行動は大胆だけど、誰よりも謙虚なセンター。それが加藤史帆だったのかもしれません。
ということで、今回は5thシングルでセンターを務めた1期生・加藤史帆について掘り下げてみました。
表立って目立つのはやはりバラエティでの存在感ですが、その一方でモデルとしてはクールな姿を披露し、2020年のレコード大賞では高い歌唱力で視聴者を驚かせています。そんな多芸多才なところも史帆さんの大きな魅力なのではないでしょうか。
気遣い上手で仕事熱心な分、気苦労は絶えないかと思いますが、そんな人にこそ自然と救いの手が伸びてくるのも世の常。これからも周りを支え、周りに支えられながら、様々なメディアで活躍を見せてくれるのだと思います。
日向坂46は色んなタイプのメンバーが集まっていますが、筆者個人としては史帆さんこそが日向坂の「One for all, All for one.」を体現している子に思えます。センターを務める子によってグループの雰囲気は少しずつ変わりますが、今回の史帆さんのセンターは歴代でも特にあたたかい雰囲気があったようにも感じます。
6thシングルは2期生の金村美玖が初センターですが、プロモーション期間中、グループがどんな雰囲気になっていくのか楽しみですね!
それでは今回はこれにて。
最後までお読みいただきありがとうございました!
#15.優しさは邪魔をしない