例えば、夢と現を往返する白皙の幼子がいるとして ~ 第四話 命の危険 ~
それから数日たったある夜…ふたたび男は少女の病室を訪れた。そしていつものように少女に手紙を読みきかせたので、少女は安心して眠れる日が続いた。
ある日…突然の発作で少女は意識を失った。動揺する母親を尻目に医師たちの懸命な救急処置がはじまる。
そのとき、一人の看護婦が病室に飛び込んできた。
「臓器提供者が見つかりました!」
「どこの病院だ!」
「それが実はうちの病院の患者らしいのです」
「なに?!詳しい話はあとから聞く、今すぐ緊急手術だ!患者を手術室へ!」
「はい!!」
それから緊急手術がはじまった。不安げな母親は祈るような気持ちで手術が終わるのを待ち望んでいた。すこし遅れて少女の父親も病院に駆けつけた。
数時間後…手術中のランプが消え、中から医師がゆっくりと出てきた。
「手術は成功しました」
その声を聞くやいなや母親はすがるように泣き崩れながら「ありがとうございました…」と声を震わせ、感謝の言葉を医師に告げるのだった。
#レイチェル #例えば夢と現を往返する白皙の幼子がいるとして
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