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子供なら、とりあえず開けちゃうよね
私の育った実家の話が続きます。
私がまだ幼児と呼ばれる、なんとなく記憶があるくらいの頃に、我が家の台所がリフォームされました。
それまでは昔の家あるある、かまどや洗い場は土間で、食べるところは上がりかまちという造りになっていました。
冬場は、家事をする女性陣の足元が寒かったのではないかと思います。
リフォームでは、土間をなくして床を全て張り、サンダルが不要になりました。そして、システムキッチンを導入。
そのシステムキッチンは、引き出しの一つをひっぱると料理の準備に重宝するスペアのテーブルが出るという、当時にしてはイケてる設計でした。
そのスペアのテーブルでは、母が準備したサラダに私がマヨネーズで味付けをすることが度々あり、その度に
「トリコちゃんサラダ」
と家族にもちあげられ、いい気になって次もお手伝いをするという、微笑ましい光景もございました。「〇〇ちゃんサラダ」は、順に妹たちに引き継がれ、その度に各自褒められていい気分になるという恒例行事でした。
曽祖母から私たちひ孫までの4世代同居。
家の冷蔵庫もリフォーム後に新調されましたが、大家族でしたから、当時にしては珍しい4ドアで大型のものが置いてありました。
一番上が普通の冷蔵エリア、左側真ん中はチルドエリア、左側下は野菜室。
そして右側は冷凍室、という造り。
(↓手書きでごめんなさい😅)
チルド室や野菜室は、ご飯の準備になるようなものしか存在しませんでしたので、子供の興味の対象外。
冷蔵室は魅惑のスポットでしたが、小さい時は手が届きにくい。
しかし下にあった冷凍室なら手が届きます。なかなかに大きいサイズでしたがいつも一杯で、誰かが釣ってきたニジマスや、一番若い叔父が働いていた水産工場からの魚の切り身がたっぷり。
子供心に、なんでアイスクリームのひとつでも入っていないのだろうと、魚臭い冷凍室を恨めしく思っていました。それでも、「もしかしたら誰かが美味しいものを買ってきていて、何か入っているかもしれない」という淡い期待でドアを開けます。
当然何も入っていないばかりか、無駄な開け閉めを注意されるだけでした。
唯一、時々買ってもらえた自販機のジュース(たいていつぶつぶオレンジ)をご丁寧に半分冷凍させて、後でガリガリやる時だけはルンルンでドアを開けましたよ。
自宅で採れた野菜中心の食事。
食卓に常時置いてあるのは、自家製梅干しと、自家製の漬物。梅干しは保存食ですし、漬物は回転率が良いので冷蔵庫にすら入りません(当時は、漬ける時に保存料を結構振りかけていたようですしね)。私が子供の頃の農家の食卓なら、ごく普通の光景だったのではないかとおもいます。
県境で育った私と違い、県庁所在地で育った夫は、子供が好きなメニューのご飯で育ったといいます。
結婚して、私の実家でご飯を食べる時、私の家族が食べる野菜の量を、信じられないという気持ちで見ていたそう。
結婚して20年以上経ちますが、夫がご飯を作る時と私の時、野菜の使用量は極端に違います。
野菜はたくさん食べたい派ですが、現在の我が家の冷蔵庫にはジュースやチョコレートが常時置いてあります。
これはやっぱり、子供の頃の反動かもしれませんね。
こちらは、冷蔵庫企画に参加しています。
締め切りは5月7日とのことですので、みなさまもいかがでしょうか?
楽しい企画をありがとうございます!
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