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『子どもの脳を傷つける親たち』怒りすぎていると思ったら読む本

9月は敬老の日、秋分の日と祝日が多いですね。
お休みが多いことは嬉しいのですが、私の職場では 1ヶ月の仕事の総量がだいたい決まっているので、休みの日が多いとその分、1日の仕事量が多くなります。

今週もなかなか忙しかったですね。
疲れが溜まってくると、ちょっとしたことでイライラしてしまい、家に帰ってからも機嫌の悪さを態度に出してしまいます。

こんな時は子ども達の言動にも過剰に反応して、つい必要以上に怒ってしまいがちです。 

実を言うと子ども達が今よりもっと小さかった頃には、日常的にささいなことで声を荒げていた時期がありました。
今振り返ると、やんちゃな2児の子育てと仕事の両立がうまくいかず、追い詰められていたのだと思います。

でも、そんな親の事情で過剰に怒られる子どもの方はたまったものではありません。

そんな最中に出会い、自分を本気で変えようと決意させてくれた本が『子どもの脳を傷つける親たち』 です。

タイトルからしてちょっと怖い感じですが、内容はさらに衝撃的でした。
親の不適切な言動が子供の脳を物理的に傷つけるというのです。

“物理的に”というのが少し分かりにくいかもしれませんが、 要は脳そのものを変形させてしまうということです。

例えば、ひどい体罰を経験した人達の脳は、そうでない人達と比べ、感情や思考をコントロールし、衝動に抑制をかける「前頭前野」という脳の部位の容積が、平均2割も小さくなっていることが分かりました。

その発達過程において、脳には外部からの影響を受けやすい、非常に大事な時期があります。胎児期、乳幼児期、思春期です。(中略) しかし、この時期に極度のストレスを感じると、子どものデリケートな脳は、その苦しみになんとか適応しようとして、自ら変形してしまうのです。生き延びるための防衛反応だとも言えます。

『子どもの脳を傷つける親たち』


よく過去のトラウマ なんて言われたりしますが、脳自体が変形してしまうとすれば、生涯にわたってその悪影響が出てくるというのも納得できますよね。

こうした症状は、子どもの頃から見え隠れする場合もあれば、かなり時間が経った後で、急に出現する場合もあるそうです。
成人して仕事を始めたときや、家庭を持ったときに発症すれば、周囲の人達も苦しめてしまうことになります。

この本で取り上げられている研究の多くは、明らかな「体罰」や「ネグレクト」「心理的虐待」といった「不適切な養育 (マルトリートメント)」を受けた方が対象になっていますが、私がやっていた「日常的に過度に怒る」ことも、これらと地続きであることは確かで、本当に怖くなりました。

日々、子どもと接するなかで、こうしたマルトリートメントがまったくないという家庭など存在しないでしょう。 しかしながら、マルトリートメントの強度や頻度が増したとき、子どもの小さなこころは確実に傷つき、成長過程の脳は変形する可能性があることを、わたしたち大人は見逃してはいけません。

子どもへの不適切な関わりをゼロにすることはできなくても、だからといって、その状況をそのままにしていいというわけではない…。

本書で、強く心に残っている部分です。

以来、「最近、自分、必要以上に怒ってない?」と思ったときには、自分を戒めるために繰り返し読む本となりました。

怒らないための具体的な方法が書いてあるわけではありませんが、本書の内容を思い出すことで、グッと自分にブレーキを掛けることができる。
私にとってはそんな、お守りのような本です。

さらに詳しい解説記事はこちら↓

最後まで読んでいただいて、ありがとございました。


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