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#68 子どもへのケアを通して、親もケアされている

昨日、『ケアしケアされ、生きていく』という書籍をご紹介したのですが、本日は少し角度を変えて、この本について語っていきたいと思います。


「ケア」というものを考える時、子育てはとても分かりやすいです。

子どもは、周りの大人からのケアがなければ、生命維持そのものが難しいことからも「他人に迷惑をかけること」を前提に生きているともいえます。

ですが、親や周りの大人は子どもに対して「一方的に与えている」のかといえば、そんなことはありません。

(前略) 私たち夫婦は、娘との日々の中で、娘のケアを通じて、娘からケアされてきました。そういうケアし合う関係を作ってきました。それは、「迷惑をかけ合う」日々なのですが、そこには「迷惑をかけない憲法」に従っていた時代には想像もしえなかった、豊かな別の世界が展開されていました。娘との関わりの中で、私もずいぶんとケアをされてきました。

子育ては大変なことも多いですが、子どものケアを通して、自分もケアされている側面があります。

子育てをすることで、癒され、自分の世界が広がることも多いですし、子どもから愛してもらい、親としての存在価値を与えてもらっています。

実際に著者は、子どもの身の周りのお世話をしたり、一緒に公園で遊んだりする中で、他者評価を気にして、仕事中毒になっていた自分に気が付いたそうです。

また、子どもは自分の感情や能力にリミッターを掛けないから、イライラすれば怒るし、悲しければ泣くし、楽しければ笑う。
「自分には無理そう…」
とやりたいことを諦めたりもしません。

そんな娘との日々触れ合う中で、著者は「どんくさい」「運動神経が悪い」という自分自身へのネガティブな思い込みを改めることになります。

娘と一緒にサッカーボールを蹴ってみると、意外にちゃんとできるし、楽しむことができたからです。

子どもへの「ケア」を通して、自分自身の苦手意識を見直し、可能性が開かれたともいえます。


子育ては、楽しいばかりではありません。
ですが、辛い事ばかりでもないですよね?

私たち親は、子ども達からたくさんのものを与えてもらい “ケアしケアされ、生きて” います。

こういうことは、日々の忙しく生活していると意識する機会がないので、定期的に引っ張り出して、再確認していきたいと思いました。

『ケアしケアされ、生きていく』の詳しい解説記事も書いていますので、よろしければこちらも読んでみて下さい。

最後まで読んでいただいて、あろがとうございました。


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