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【支援する】高齢化率が高いからできる個別対応

おはようございます☀️
社会福祉士のぽこです。
人生の足取りを軽くして、もっと明日にワクワクするような内容を発信しています💐
「この仕事は好きだけど、精神的にしんどいな・・・」
「朝起きるのが憂鬱。1日のスタートにワクワクしない。」
そのモヤモヤを、ワクワクに変えるための気づきをまとめたブログです。


◇島の福祉はすごかった

今日のテーマは、島の福祉の可能性ついて。
昨日に引き続き、兵庫県淡路島〜神戸市エリアで福祉施設を視察したレポをもとにお届けします。

この記事の中では、わたしが視察で学んだことを
・全体を通して学んだこと
・各施設ごとに学んだこと
・感想
の3つに分けてまとめています。

昨日は全体を通して感じた「施設の生い立ちを学ぶことで、”過去”の視点に気づく」という学びをシェアしています。

わたしはこれまで、施設や地域のこれからを見ることはあっても、過去を見ることはありませんでした。
どんな地域背景があって今の施設の形になったのか?
それを理解せずして、地域に必要とされる福祉施設であり続けることはできない。
過去を知ることが、これからも長く地域とともに生きる施設であるために重要な視点だと感じました。

◇兵庫県淡路島について

昨日の記事で書けばよかったのですが、失念していました。
今更ながら、今回視察に行った淡路島について振り返ります。

淡路(あわじ):3市 人口:123,444人(令和5年4月1日現在)。
淡路島では、高齢化率が高く、日本の20年先を行く高齢化先進地域で、高齢化率は令和2年10月時点で37.9%

兵庫県ホームページ、AI調べ

4年前の高齢化率がすでに40%近くまで来ています。
日本全体の高齢化率は、昨年の時点で29%ほど。
日本の「20年先を行く」とAIが表現するのも無理はないなと思う、高齢化地域です。

そんな淡路島の現状を事前に調べて行ったわけですが、施設を見学する前と、見学した後の島の印象が全く違いました。
今日はその印象の差と、島の福祉のこれからについてお話しします。
(前置きがだいぶ長くなりました)

◇高齢者施設編

まず島についてすぐ、高齢者施設を視察しました。
見たのは特別養護老人ホームと、複数のデイサービスです。
特別養護老人ホームはかなり山の中にあり、猪とよく遭遇して車が廃車になるだとか、利用者が離園すると二度と探せないとか、山ならではのリスキーな話を聞きました。

・リスク対策を曖昧にしない

そのくらい山の中だと、災害の被害を受けるリスクもかなり高くなります。
それらのリスクに対して、「できることは全部やる。対応できないリスクは仕方ない」と明確にリスク管理しているのが印象的でした。

対応できないリスクを簡単に諦めているわけではありません。
後者よりも前者の「できることは全部やる」と言う点が印象に残っています。
災害対策としてついやりがちなのが「ここ、なんとかしなきゃいけないよね」と議題に上がるのに一向に話が進まず放置されること。

災害対策を先送りにしてしまうことは、災害被害の経験がない施設ならどこもやりがちなのではないでしょうか。

リスク対策について、先送りにしたり曖昧なまま放置することはせず、とにかくできることは確実に全て整備する。
この姿勢が、利用者を守っているのだと感じます。

・役割を理解した事業運営

デイサービスの視察は、2ヶ所いきました。
機能訓練を重視している事業所と、のんびり過ごすことを重視している事業所。
いずれの事業所も、顧客層をただ一口に高齢者と捉えるのではなく、もっと細かく考えているのが印象的でした。

「入浴サービスを必要としている」高齢者なのか。
「日中の安全な居場所を求めている」高齢者なのか。
「積極的に運動して健康を保ちたい」高齢者なのか。

それぞれニーズを細かく理解して運営しており、誰に何を提供するための事業所なのか?と言う視点が明確でした。
そのため、利用者の層も事業所ごとに異なります。

のんびり過ごせる安心スペースを提供する事業所に、バリバリ運動したい高齢者はいません。
運動や訓練を提供する事業所に、「お風呂に入れないから入れて欲しいわ」と言う高齢者もいない。

◇高齢化率が高いからできる”個別対応”

これだけ多くの高齢者がいれば、必要とされるサービスにも個人差があって当然です。
一見「高齢化が進んでいると言うことは、サービスを提供する人がいなくて大変でしょ?個別対応なんて難しいよね」と思われがち。
わたしも視察に行く前はそう思っていました。
ですが、単純にそうとも言えないのが淡路島です。

高齢者が多くいる=若者が足りない
この認識は正しいと思います。
事実、島の中では各種ICT技術を積極的に活用して事業を運営していました。
人手不足解消が主な目的だと思います。

しかし、今回の視察で高齢者が多い=個別対応をする余裕がない
この認識は違うのだと気が付きました。

高齢者が多い=サービスを必要としている人の母数が多いと言うこと。
母数が多ければ、それだけニーズにも個人差が生まれます。

福祉施設でよく起こるのが、利用者のニーズに対して事業所が対応できないこと。
利用者の「これしたい」に対して、事業所が「うちでは対応できません」とお断りせざるを得ない状況。
よくあるのではないでしょうか。
対応できる事業所がない状況の原因の一つに、そのニーズを持つ利用者の母数が少ないことが挙げられます。

一人しか入浴サービスを希望していない中で、入浴設備を作ることはできない。
だから、うちでは入浴の対応ができない。

そんな状況があります。

しかしここで、入浴を必要とする人がたくさんいたら?
入浴設備を新設するメリットの方が大きくなります。
そうやって、淡路島は高齢化率の高さを事業運営にうまく活かしているのだと感じました。

高齢化率が高いからできる、個別対応に気がついた視察でした。

◇次回の案内

次回は、◇病院編◇地域編をお送りします。
もう少し淡路島〜神戸エリアの話が続きますが、お付き合いください💐
今日も読んでくださり、ありがとうございました。
また次の記事でお待ちしております😊


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