ひとつの季節がおわるのが、こんなにありがたいなんて
長く一緒にいた彼と別れて、ひとつの季節が終わろうとしています。
空や風や木々の様子が移り変わってゆくことが、こんなにもありがたいと感じた事はありませんでした。
突然終わった彼との恋は、ひとりになると涙が浮かぶほどには、濃くて淡くて忘れがたいもので。はじめは、いくつの季節がめぐったら傷が癒えるのだろうと、カレンダーを一気にめくりたくなりました。
ずっとつづく、終わらない恋だと思い込んでいたけれど、心のどこかでもうすぐ終わる気配はわかっていたと思います。感じながらも、つづけることに必死で、きっとどうにかできると思っていました。
それでも、もうあの頃には戻れません。
季節は前にしか進まない。
それが辛いようで、ありがたいと感じています。
私が、ひとつの季節を終えたいま、こんなにもすっきりとした気持ちでいられるのは、近くでそっと見守ってくれた家族と、なにも言わずに寄り添ってくれた大切な友達と、新しく出会ってくれた方々のおかげです。
弱い姿を見せても許してくれた、ひとりひとりの大切な人のおかげです。
最近、書くことがより一層好きになりました。
心の感情が、ひとつ増えたような。痛みや悲しみや、生きることの深さを、ひとつ知ったような。そんな感覚がうまれて、入ってくる言葉も書く言葉も、少しだけ変わったと思います。
だから、今ある感情に蓋をしないで、大切に向き合っていこうと思っています。
私はいま、とても幸せです。カラ元気でもなんでもなく、本当に。
この数ヶ月、苦しかったけれど、小さな幸せにもたくさん気がつくことができました。だから、今とても幸せだし、これからも幸せだし、よかったら私の幸せを一緒に味わってくれるひとたちと生きていきたいと思います。
夏が終わるのは少し寂しいけれど、きっと前に進むための季節になる。
日本の四季が、こんなにも切なくて美しいなんて、気がつきませんでした。
今年の夏はあなたにとって、どんな季節でしたか。
次の季節で、あなたと出会えますように。
言葉で、日々に小さな実りを。そんな気持ちで文章を綴っています。