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モハマヤバート誕生秘話〜初めてのインド


タイでチャリティーライブをする


ある時マスターから
『今度タイのチェンマイで祭りがあるからライブしよう』
と誘われて、バンドで行くことになった。

もちろん、ギャラや交通費が
出るようなイベントではなく、
ヒッピーの集まる
チャリティーイベントへのお誘いだった。

私とトロンボーンのゆみこ、ピアニカのひろ、
3人の同世代女子とラスタマンのマスター。

その他のメンバーは行けなかったから、
現地でマスターの仲間と合流して
一緒にライブをした。

ちなみにそこに夫もいたけれど
その時もまだ、目は合っていない笑


ゆみこは仕事があったから、
タイの後に帰ったけど
私は、ひろが行きたがっていた
インドに同行した。

タイに行く少し前に
初めてインド音楽の生ライブを聞き、
あの不思議な世界観に惹かれていたから、
断る理由もなく、タイからインドへ。
1.5ヶ月ほどの旅が始まった。

そう思うと、
私を始めてインドに連れ出してくれたのは
ヒロだったんだな。


インド料理が食べられない


初めてのカルカッタには昼間に着いた。
騙そうとするリクシャー乗りと
YesかNoかが、全く判別できない頷き。
(この辺はgoogleで調べて下さいw)

下調べもしたようでしていなかった私は
インドカオスの洗礼を受けた。


マスターの紹介で行く宛はあったけど
スマホもなく、英語もほとんど話せない2人には
序盤、ヘビーな旅だったと記憶している。

その行く宛、というのが
ベンガルの吟遊詩人のコミュニティー
『バウルのアシュラム』だった。

ネットから拝借


ー音楽を通して内なる神と出会うー
そんな修行をしている僧たちが集まって、
アシュラム(修行道場)で暮らしている。


そこの最高位のグル(指導者)の
パートナーが日本人の女性で、

その縁で、
アシュラムには日本人がよく訪れていたから
受け入れの体制が整っていた。

がしかし、最近までシャネルのリップを塗り
ブランドのバッグを持って
ハイヒールを履いていたような姉ちゃんが
いきなり馴染めるはずもなかった。

本物のヒッピーに出会い、
価値観が変わりつつあったけれど、
自分自身はまだ変化していない。
そんな時である。

食事はジュートの袋に座り床で食べる。
アルミのペコペコのお皿の上に
てんこ盛りのご飯と
シャバシャバなじゃがいものカレーが
少し掛かっているだけ。


批判覚悟で書くけれど、
そのカレーを初めて食べた時の感想は
『犬の餌みたいだな』だった。

ボソボソのご飯と独特の香り。
もう、苦痛以外の何者でもなかった。

ちなみに、同じ場所、同時期に
別便で夫もアシュラムに行ってたのだけれど

食事は最高に美味しかったらしい。

もう一つちなみに、
その2年後にもアシュラムに訪れた際は
インドのローカルのご飯のおいしさに開眼し
毎食のご飯がとっても楽しみで、
キッチンで料理も教えてもらいました。

アシュラムの名誉のためにも、
問題だったのは私のバカ舌だったということを
ここに記しておきます🙏


そんな私。その後も街のあちこちで
現地の料理を食べては、口に合わないな・・・
と思うことが殆どだった。

今思えばめちゃラッキーだけど、
1度、知らない人の家で
ママの料理もご馳走になったことがあった。

手をかけて作ってくれた
人生初のマトンカレーは
のけぞる程の苦手な味だったのは
私の趣味嗜好の問題ですw

そんな私が
インドで初めてホッとしたのは旅の中盤。
ムンバイのマクドナルドだった。

あちこちに散らばるゴミと牛の糞、
どこからともなく漂う人の排泄物の匂い
全てが途中と思える建築物たち。

何もかもに疲れ切っていた私にとって
ゴミひとつ落ちていないマックは
最も落ち着く場所だった。
メニューはもちろん全てスパイス味だったけど。

ちなみに、あのインドで食べた以来、
一度もマックを食べていない。


最大にして最高の青春GOA

ムンバイに寄ったのは
ヒロの一番行きたかった場所
ゴアに行くためだった。

到着してから知ったけど
そこは無法地帯と化する
ヒッピーのパラダイスで

毎晩あちこちのビーチで
パーティーが開かれていて、
いろんな国の若者が入り乱れ
毎日たくさんの刺激的な出会いがあった。


自分探しをしている人
世界中を旅する人

日本人もたくさんいて、
いろんな考えの人
生き方を模索する人

とにかく刺激的な日々と
毎日パーティー三昧で
朝まで踊るような毎日だった。

バイクで走れる距離に何でもあった。
旅人が多いから、
ツーリスト用のレストランも豊富で、
食べるものに何の苦労もしない。

そんなある日、
ある一言が私の価値観を揺るがすことになる。


I want to pee!


ある昼間のこと。

たまたま一緒に歩いてた
オーストラリア人の女の子が

I want to pee!

と言って、草むらを探すこともなく、
いきなりしゃがんで用を足した。

そのあまりにも無防備で自然な姿に
呆気に取られた、と言うより
一瞬恥ずかしい、、
と思った自分自身に恥ずかしくなった。

そのくらい、自然な行為に見えた。

その彼女をよく見ると
全ての体毛がボーボーだった。

脇・スネ・腕。

日本だったら、ちょっと毛が生えてるだけで
ギャーギャー言って、
女子の脇毛なんて言語道断。

そんな価値観の私にとって
ハンマーで殴られたような衝撃だった。


私だって自然の一部なのに
どうして今まで、自分から自然に出てくるものを
汚いって思ってたんだろう?

全てツルツルに整えていた私は
自分が異物のように感じて
急に恥ずかしくなった。

そこから何年もの間、
私はボーボー教に転身することになる。

ちなみに、ゴアで出会った日本人の子の影響で
ベジタリアンにもなった。

ストイックとも言える
若い女子たちとの出会いと
インドの大自然、

今ある命を最大限に謳歌するように見える
世界のヒッピーたちに
私の精神や価値観は大きく刺激された。




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