こどもたちを、わたしたちに 縛りつけないために。
少し前に 幡野広志さんの
「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」という本を
読み終わった。
読み終わった瞬間に
この本を
たくさんの人に 読んでみて欲しくなった。
「生きづらさを 抱えているひと」に向けて
少しでも 生きやすさを 感じてもらえるように 書かれた本だけど、
子育てをしている親、
親との関係に悩んでいるひと、
親の介護をしているひと、
病気を抱えたひと、
その家族、
医療従事者、
保育関係のお仕事をしているひと、
わたしは
子供たちが 読書ができる年齢になれば、
こどもたちにも 読んでもらいたいと思う本だ。
医療関係の内容が書かれた場面では
医師や患者、家族の関係を
ここまで 的確に捉えていることに驚くし、
一冊の本のなかで、
たくさん 考えさせられるから
頭や心の中が 忙しい。
その中でも、印象的だったのは、
「NASAの考える「家族」の定義」だった。
NASAには
スペースシャトルが運航されていた当時、
宇宙飛行士の家族を
サポートする制度があったそうだ。
そのサポートする家族を
大きく2つに分類していたとのこと。
それが「直系家族」と「拡大家族」
「直系家族」①配偶者②こども③こどもの配偶者
「拡大家族」親、兄弟、姉妹、親友
サポート内容は 様々だけど、
直系家族は シャトル打ち上げ時に
「特別室」へ招待される。
その「特別室」に招待されるのは
「見やすいから」ではなく、
「打ち上げ失敗時などの危機に備えるため」のもの。
特別室では
心理的、医学的なサポートができるよう、
医療チームや 家族支援専門スタッフとともに
打ち上げを
見守る決まりに なっているのだそう。
この他、シャトルとの交信も
「直系家族」が優先なんだとか。
この「直系家族」と「拡大家族」の定義を
読み進めるとき、
わたしは「親」は
「直系家族」に入るものだと 思っていたから
正直、驚いた。
だけど、
こどもが 配偶者を持ったら
そこには 新たな「家族」が構成されている。
親にとって、
こどもは 近しい家族だけれど
こどもにとっては、
親よりも (血の繋がりよりも)
大切なひとと 新しい家族を作っているのだ。
こう考えると、
いつまでも こどもを
親(わたしたち)に 縛り付けず、
「見守る」ことが大切なんだよな、って思った。
NASAの定義は
「いざ」という時のために、
「迷わないための指針」だから
この定義が
「絶対」とか「正義」とかじゃないと思うし
自分が築いていく家族は
同性でも良いし、
動物でも良いし、
友人でも良いと思う。
だけど、こどもがいるわたしは
この定義を、
こどもたちを
(わたしたちに) 縛りつけないために
覚えておきたいな、と思った。
わたしたちからすれば
こどもたちは「近しい家族」だから
少し寂しいけれど、
いつか こどもたちが
愛する人たちと 家族を結んで
わたしたちが
今、感じている 幸せを
同じように
こどもたちも 感じることができるのなら
それも すごく幸せだから。