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自分で「枠」をつくってしまったら、その先には行けない

イラストレーター&インタビューライターの陽菜ひなひよ子です。

今年一年を振り返ってみて、自分で自分をほめたいな、と感じることがあります。それは「今までだったら、怖くて超えられなかった『枠』を超えることができた」こと。

今でこそ、わたしは「イラストレーターです」と普通に名乗ることができますが、最初は「わたしなんかが名乗っていいのかな」と毎回ドキドキしていました。

もともと気が小さく、自意識過剰なわたし。

人に批判されたり笑われたりすることを、以前は極度に恐れていました。

ここまで読んで、「わぁ、わたしと一緒だ!」と思った方も多いのではないでしょうか。ではわたしが、その恐怖をどう克服したのかを、今回は書きたいと思います。


どうすればイラストレーターになれるのか?


世の中の仕事はザックリと2種類に分かれます。

医師や弁護士などのように資格や免許が必要なものと、歌手やライター、漫画家のように明確な資格や免許のないモノ。

では、免許のない仕事にはどうしたら就けるのか?

歌手ならオーディション、漫画家なら雑誌デビューすればプロになれるイメージですが、じゃあ、ライターやイラストレーターはどうしたらなれるのでしょうか?

ライターやイラストレーターを目指すための専門学校もありますが、実際に仕事をしている人の中で、専門学校を出ている人はそんなに多くはありません。

イラストレーターの中で美大を出ている人はさらに少数です。

わたしの友人には、東京芸大を出て恐ろしくうまい絵を描くイラストレーターもいますが、わたしの知る限りは彼女だけ。ほかに造形大やムサビ多摩美を出ている人がチラホラ、という程度。

つまり、美大を出ていなくてもイラストレーターにはなれます。

そんなの当然!と思われたらごめんなさい💦わたし自身が昔は、美大を出ないとイラストレーターになれないと思っていたのです。


おっかなびっくり、手探りで進んできた


イラストレーターの歴が15年を超えたころ、文章の仕事がメインとなり、ライターになりました。でもいまだに「ライター」と名乗ることには慣れていません。

ただわたしは文章メインの仕事でも「イラストレーター」と紹介されるので、たぶん業界的には「文章も書けるイラストレーター」という立ち位置なのでしょう。

中京テレビ『PS純金』公式サイト内コラムページ
中日新聞マーケティングマガジンコラム連載


とはいえ、取材を申し込むときに「イラストレーター」と名乗るのはやっぱりおさまりが悪い。相手に無駄なクエスチョンを与えてしまいます。

そこでライターと名乗るのですが、いつもドキドキです。

それでもライターをはじめた2019年頃よりは慣れて来ました。結局は「数をこなす」に限るんだと思います。

とにかく、そんな風におっかなびっくり進んできたわたしですが、さらに今年は大きなハードルが待ち受けていたのでした。

それが「歴史コラムニスト」という肩書。


「歴史の専門家」というハードル


2018年前後に博物館のポータルサイトで歴史コラムを執筆し、その後ビジネス系サイトでも歴史×キャリアのコラムを連載しました。

その経験から「歴史の専門家」として、ヤフーニュースエキスパートで執筆を開始します。

このときは、今まで以上にビビってしまいました。

これまでは、ライターとして編集部に依頼されて執筆していました。つまり、掲載OKをもらうという「お墨付き」があったので、歴史についても安心して執筆・掲載できたんですね。

でも、ヤフーでは誰にもわたしの原稿にGoを出してはくれません。それに「ライターとして歴史について書く」のと「歴史の専門家として書く」のとでは、似ているようでまったく違います。

そもそも、イラストレーターやライターは免許や資格の必要ない仕事です。だから名乗ったところで誰にも文句を言われる筋合いはありません。

でも、歴史って、大学院で博士号などを取った研究者だけが「専門家」になれるんじゃないの?ただの歴史オタクが名乗っていいものなの???

そんなわたしに勇気を与えてくれたのは、偉大な先輩の存在です。

たとえば、元ナースのイラストレーター・田中ひろみさんは、現在は仏像イラストレーターとして数々のベストセラーを出版。

街歩き講座を担当し、テレビのレギュラー番組も持ち、上野の東京都国立博物館ではグッズ展開までされています。

田中さんとは20年来の友人ですが、好きなことにまっすぐな情熱には頭が下がります。そして今や仏像への造詣は専門家すら凌駕する領域です。

そうだ、「知識」や「正確に伝える姿勢」「コンテンツとしてのおもしろさ」があれば恐れることはないんだ、と考えるようになりました。

もちろん、ストイックな勉強や鍛錬は必須です。

この1年で50本ほどの記事を書き、たくさんの方に好意的に受け取っていただけていることも、わたしの勇気を後押ししてくれています。


最後に、どうすればイラストレーターになれるのか?


そんなわけで、わたしは歴史コラムニストを名乗ることにしました。それにはもう一つのきっかけがあります。

仕事で知り合った広告代理店の方が「イラストレーターやライターとは別の名刺やサイトを作って、名乗っちゃえばいいですよ」とおっしゃったのです。

そこで、わたしが「歴史コラムニスト」として最初にしたのは「名刺を作ること」でした。(サイトはまだ作っていません💦)

実はわたしがこの業界に足を突っ込んだころ、講座の先生が同じことをおっしゃったのです。
「まずはイラストレーターやライターの名刺を作って配りなさい。仕事が先ではなく、名乗ることが先です。仕事はあとからついてきます」

このときは「ええっ!実績もないのに名乗っていいものなの?」と驚きました。といいつつ、さっそくちゃっかり名刺を作ったのはいうまでもありません。

ちなみに今はこのサイトはありません

このとき、講師の言葉を聞いて素直に名刺を作ったクラスメイトは、今も仕事を続けています。

「わたしなんかが名乗っていいの?」と躊躇して、自分で作った枠からはみ出せずにいたら、永遠にそこから出られないのです。

「自分はここまで」「自分には無理」と自ら枠を作ったら、そこから先には絶対に行けません。

今年一年で、わたしは改めて「自分で作った枠を壊す」ことを学べたように感じています。


#今年の振り返り



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陽菜ひよ子 / インタビューライター&イラストレーター
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