見出し画像

独身男女の結婚がアンマッチングな理由

フリーライター&イラストレーターの陽菜ひなひよ子です。

まわりのチャーミングな独身男子や女子が「結婚したいのにできない」と嘆くのを聞くたびに「なぜ彼(彼女)を周りは放っておくのだろうか」と不思議に思うのは、筆者だけではないだろう。

結婚したい人同士がうまく出会えればカップル成立はたやすそうに見える。でもマッチングはそう簡単ではない。

「なぜ結婚しないの」と質問することは、今やコンプライアンス的にご法度な世の中だ。しかし勝手に「なぜ独身男女のマッチングがうまくいかないのか」を考えるだけなら許されるのではないか、と思う。


勝手にお見合いオバサン、参上!


結婚するとすっかり自分の色恋がご無沙汰になり、周りの独身者を結びつけたくなる。かくして「勝手にお見合いオバサン」(筆者のこと)が生まれる。

善良なオバサンの目からすると、周りの独身男女に問題があるとは思えない。「なぜ周りの人は彼(彼女)を放っておくのかしら?」なんて思うわけである。

いや本人が、放っておいて欲しいかもれないから!といった反論はオバサンの耳に届かない。この令和の世になっても、だ。

それとなく独身男子に「あの子なんてどう?」と聞いてみたりする。すると男子諸君は、大抵オバサンが指さす独身女子ではなく、その友人の既婚女子(美人)がタイプだと言ったりするのだ。

女子の方に「彼はどう?」と振ってみると「ふらふらして結局何がしたいかわからない」「考えが浅い」などと手厳しい意見が飛ぶ。

女子は決して「ビンボーだから嫌」「イケメンじゃなくちゃ嫌」などとは言わない。ただ、男子たるもの「一本筋の通ったところ」が欲しいと感じるのだ。その気持ちはよくわかる。

とはいえ、そんな理想通りの人はいないよぉ、と、お見合いオバサンとしては思うわけであるが、その後、女子から「筋が通ってない」という評価を受けた男子を見ていると、なにやら共通点があることに気づく。

さらに考えを進めると、縁遠い女子にも、やはり共通点があることに気づいたのである。


Aくんの場合・・・現実逃避からは何も生まれない


Aくんは、サブカル好きでお芝居や展覧会などによく足を運び、それなりに詳しい。ただ彼の場合、一緒に行く相手が問題。いつも人妻と一緒なのだ。

とはいえ、不倫ではなく、ただ一緒に食事したりお芝居を見るだけの関係らしい。彼は付き合うには無理そうなレベルの高い美女とデートでき、相手の女性にとっては見た目もそこそこで会話も楽しいAくんと気軽に楽しめる。

お互いにとって都合のいい相手、お互いWin-winというわけだ。

彼は流行にも敏感で、わたしの絵の展示にもいつも気の利いたお土産を持って現れる。なんというか、こういう女友達っているよね、という感じ。

いやもしかすると、彼がデートしてるつもりの人妻たちも、彼を女友達の一人くらいに思っているのではないか。

逆にいえば人妻に「男」を出すのはご法度なのだから、彼の対応は正しい、ともいえる。

彼もお相手の人妻も楽しく、人妻の家庭に問題なければ、部外者の私がどうこう言う問題ではない。だから彼のノロケ?話を聞いても、私は当たりさわりのないあいづち以外の口を挟まなかった。

でもね、やっぱりAくんだって、そんな関係で満足しているはずがないのだよね。年齢を重ねて環境も変わり、彼も思うところがあったのだろう「どうせ僕は安全牌ですよ」などと、いじけるようになって来た。

何を言うとるのじゃ。自ら選んで安全牌に甘んじてるくせに。

好きになった女性に、本気で「男」を出してぶつかる勇気もないくせに。

いじけついでに、こんなことまで言い出した。
「ひよこさんやゆうさん(夫でカメラマンの宮田雄平はいいよね、才能があってさ、好きなこと仕事にできてて。僕なんか大した仕事もしてなくて」

そういう彼は、誰もが知る大企業に勤めていて、収入だって申し分ない。その境遇で不満を言ったら、石をぶつけられるよ、と思う。

そのうち彼は私たちのSNSの投稿に否定的なコメントをして絡むようになってきた。そうなってくると、意外と粘着質で面倒くさい。もう今は付き合いがないので、彼がどうしてるかは知らない。


Bくんの場合・・・広すぎ浅すぎでは誰にも刺さらない


Bくんは、まちづくり的な活動が好きで、その周辺にいつもいる。まちの歴史や文化への造詣はそこそこ深い、とはいえ専門家といえるほどではない。

わたしはライターとして、まちづくりをしている人に取材をすることが多い。そうした人々が集まる「場」に顔を出すと、Bくん遭遇率は非常に高い。

そこでうっかり「今、こういう人を探してるんだけど、くわしい人知らない?」とBくんに聞くと、たいてい「それなら僕でも話せるよ」とスゴイ圧で返ってくる。

いや、キミはさ、識者の周辺にいて、識者から話を聞いているだけの人でしょ?キミの話は「誰かの受け売り」でしかない。

取材をするなら、その対象には「専門的な知識」や「圧倒的な経験」か「心を打つストーリー性」が求められる。キミの場合は、関りも熱も浅すぎ・低すぎて、人に訴えかけるものがないのだ。

・・・と、さすがに本人には言えないので、適当にお茶を濁したけど。

イベントに頻繁に参加し、告知もマメにやってくれるBくんは主宰者からは重宝がられる。でも、特別熱心に活動するわけではない。

それでいて、どこででも「仕切り」たがるため、ほかの参加者からは煙たがられるようになった。それだけでなく、決定的な事件を起こし、ある場所からは永久追放の身となる。

事件とは、女性参加者への一方的な思慕による「ストーカー」である。やっぱちゃんと「下心」はあったわけですな。女性は怯えて来なくなっちゃうし、Bくんはメンバーから総スカンである。

しかしBくん、まったく反省していないようで。その後も、追放された場所以外にはマメに顔を出しているのだ。懲りない奴・・・

彼とも今は直接付き合いはないものの、知り合いの知り合いが大勢いるので、SNSを開くと勝手に近況が駄々洩れて来る。別に興味ないんだけどね。


Cちゃんの場合・・・推し活でシアワセならなんも言えない


男子の話ばかりでは不公平なので、女子の話も出しておこう。

Cちゃんはすごく美人だ。友人の結婚式などでも、Cちゃんには花嫁よりも注目が集まるほど。

パッと見外国の血が入っていそうで、駅などで外国人からお国言葉で話しかけられたことは一度や二度ではない。性格はすごくよい。遊びに誘うと、わたしの分のおやつ持参で来てくれるのだ。そんなCちゃんだが、男性に縁がない。

Cちゃん、ロックバンドやアイドルなどの推し活で忙しいのだ。ライブがあれば全国に遠征し、グッズも全部買う。お給料はすべて推しのために消える。

理想の男性は?と聞くと「福山雅治」と即答。絶対に「イケメン」は譲れないんだという。別の友人から「イケメンはダメだよ。また騙されるよ」と言われても負けない。

相当数のだめんず歴があるCちゃん。それでも「次の人こそ、顔だけでなくて性格もいいかもしれない」と希望を捨てない。また「顔が良ければ騙されてもいい」のだそう。(ヤバい思考)

でもきっと、Cちゃんが推し活に精を出すのは、騙し騙されるような距離に近づくことのない「イケメン」に心置きなく愛を注げるからなんだろうな。

イケメンじゃない男子と恋愛するより遠いイケメンに尽くす方が楽しい、その気持ち、同じ女子としてわかりたいが、やっぱりわたしにはわからない。


「真剣に向き合うこと」から逃げる人々


彼ら3人には、共通点がある。

それは「恋愛と真剣に向き合うことから逃げている」のではないか。

ただ、男子2人とCちゃんには、明らかな違いがある。男子2人は熱心にいろんな場所に顔を出す。なんなら「どこに行っても見かける」と言ってもいいかもしれない。

でもCちゃんはライブ会場にしか行かない。Cちゃんが「推し活」に全身全霊をつぎ込んでいるのに対して、男子2人は、ほかの女子が言うところの「中途半端」なのである。

ちなみに、Bくんがストーカー事件を起こした「ある場所」では、カップルが何組も生まれ、結婚した人たちもいる。

結婚した人々とBくんとの違いは、結婚した人たちが「その『活動自体』を頑張っている」のに対して、Bくんは「その活動に参加してる『自分アピール』を頑張っている」のだ。


3人3様の対処法


この3人がどこかで出会っても、カップル成立は難しそうだ。まず3人とも「恋愛とまっすく向き合う」ことが必要だ。その上で、対処法を考えてみたい。

Cちゃんは、見た目だけで男子2人は対象外だろう。Aくんは独身のCちゃんに声を掛けられないだろうし、Bくんは急にストーカー化しそう(失礼だよ!)。

しかし、AくんとBくんは生活を変えればどうにかなりそうな気もする。

Aくんはお芝居が好きなのか、人妻とデートしたいだけなのか、自問自答してみる。本当にお芝居好きなら、老若男女問わず芝居好き仲間をもっと増やす。そうすれば、芝居好きな独身女子との出会いがあるのではないか。

Bくんはもっと活動を絞り、ひとつのことにのめり込めないだろうか。しばらく活動してのめり込めないと感じたら、スパッとやめたほうがいい。熱意なく参加してるだけの人って、本人も楽しくないが、傍から見ても魅力ないでしょ。

Cちゃんは・・・どこかでイケメンに出会えるとよいね。心から祈ってる。同じ趣味の独身男子と意気投合して・・・なんてことがあるとよいけど。


いらんおまけ:筆者の場合


興味ないとは思うけど、筆者はといえば、とある飲み会で「イエローモンキーファン」の現オットと出会い、結婚した。やっぱ「好きなモノ」で繋がるのは「最強」だ。

考えてみれば、ウチのオットはカメラマンだが、ホント写真バカで、写真にしか興味がない。

筆者はAくんBくんを「友人というフィルター」を通してしか見てないので、こんなもんかなと思うけれど、自分の彼氏や夫なら、確かにもっと厳しい目で見るかもしれない。筋を通せ!ってね。




今日のネタも『熟成下書き』!2年寝かせてさぞかし発酵してるかと思いきや、Aくんの話までは、ほぼ下書きのままでOK!



10/2(月)先週特にスキを集めた「#結婚」の記事だそうです❤
スキしてくださった方々、ありがとうございます!

いいなと思ったら応援しよう!

陽菜ひよ子 / インタビューライター&イラストレーター
もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。

この記事が参加している募集