銅鐸の考察⑧(聞く銅鐸の埋納)
弥生中期末から後期初頭にかけて古い銅鐸が埋納され、その後、弥生後期後半に新しい銅鐸が埋納され、銅鐸の時代は終焉を迎えた。銅鐸が埋納された理由については諸説ある。
銅鐸埋納を祭祀と関連づける説として有名なのが土中保管説である。平時は地中に埋納して保管し、祭祀の際に取り出して使用したが、やがて祭祀や信仰の形が変化して銅鐸が使用されなくなり、埋められたまま忘れ去られたという説である。また、ムラの境界に埋納して邪悪な者の侵入を防いだという境界守護説もある。さらに大規模な風水害や干ばつなど、通常の祭祀では収めることができないほどのムラの一大事にあたって、銅鐸が発揮し得る最大の呪力に期待して最終手段として埋めたとする説もある。
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前半部分は銅鐸研究の第一人者である佐原真氏、春成秀爾氏、難波洋三氏など各氏の論文や書籍をもとに銅鐸の基本事項を整理しているので、銅鐸の基本を学ぶことができます。後半は寺澤薫氏や森浩一氏などの論考をもとに考古学の視点も加えて自分なりに考察してみました。
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