銅鐸の考察②(銅鐸の出現と分布)
国立歴史民俗博物館が発行する「歴博」の第121号の「銅鐸の世界」には「中国では、銅鈴は3900年前(龍山文化末)に純銅製品が現れ、3700年前(夏代、二里頭文化)から青銅製品が普及する。世界最古の青銅鈴は高さ8cmほどの小型品で、人の腰につけて使っていた。3500年前(殷代)には、人のほか、犬・馬の頸や馬車に銅鈴をつける。朝鮮半島には前6世紀ごろ銅鈴が伝来する。司祭者が身体に着け、神懸かりの状態になるのを助けていたようである」とある。この銅鈴は朝鮮式小銅鐸と呼ばれ、弥生時代中期の前半頃に日本に伝わったと考えられている。日本ではその朝鮮式小銅鐸を模して小さな形を維持し続けた銅鐸と、その後に大型化や文様を持つという日本独自の発展をしたいわゆる銅鐸のふたつの系統に分かれていったとされている。前者の小さな銅鐸と後者の中でも小型のものを合わせて「小銅鐸」と呼んでいる。
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前半部分は銅鐸研究の第一人者である佐原真氏、春成秀爾氏、難波洋三氏など各氏の論文や書籍をもとに銅鐸の基本事項を整理しているので、銅鐸の基本を学ぶことができます。後半は寺澤薫氏や森浩一氏などの論考をもとに考古学の視点も加えて自分なりに考察してみました。
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