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オフィスひめの通信 40号

執筆:西澤真生(ひめのともみクリニック医師)
発行月:2014年2月

ー 一緒に不調の原因を見つけましょう!ー

 新しい年を迎えました。初心にかえって頑張ります。本年もよろしくお願いいたします。
 肩や首の痛み、手のしびれ、口やのどの違和感、熱っぽさ、体を起こせないほどのだるさ・・。ある日突然襲うこともあれば、じわじわと強くなることもある不調。出口の見えない不調は本当に辛いですね。
 症状には原因があります。不調になったらまず食生活を見直しましょう

● 不調の前に大きなストレスを受けませんでしたか?
 →ストレスは腸の状態やホルモンの状態を変えてしまいます
● 忙しすぎて食事をおろそかにしていませんでしたか?
 →体が働くための材料が足りなくなってしまいます
● 体に悪い食べ方をしませんでしたか?
 →体は正直に反応します

 私たちは一緒に原因を見つける取り組みをしています。すでにいくつもの病院に行って様々な検査を受け、何も異常がないと言われた方でも何か原因が見つかります。
 「目に見える異常」がなくても「働きに異常」があります。働きの異常を見つけるためには「体の働き方」を知り「体の働きの調べ方」を学びましょう。医学の専門知識がなくても学べば自分の主治医になって自分の力で治すことが出来るようになります。
 働きの異常には複数の原因が絡み合っています。ですから、病名をつけることにこだわると隠れた原因を見逃してしまいます。一つ解決して症状が改善する方もいれば、二つ三つと解決するに従って薄皮が剥がれるように症状がとれてくる方もいます。原因を見つけよう、理解しよう、解決しようという辛抱と意欲が必要です。
 不調には必ず原因があります。諦めずに一緒に原因を見つけましょう。そして、毎日毎年新しい自分に生まれ変わっていきましょう。


ー初歩から学ぶ体の仕組み:バラバラにして組み立て直す たんぱく質ー

 私たちは、日常的に豚肉や鶏肉、卵などのたんぱく質を食べています。でも体の一部が豚のたんぱく質や鶏のたんぱく質に置き換わったりすることはありませんね。当然と言えば当然ですが、とっても不思議です。
 そのための仕組みが、消化→吸収→合成です。たんぱく質を食べるとアミノ酸やペプタイド(アミノ酸が数個つながったもの)まで分解されます。吸収されたアミノ酸やペプタイドは必要な細胞に運ばれ、指令に従って秩序正しく組み立てられます。出来上がったたんぱく質に脂肪酸や糖がつくこともあります。

http://www.orthomolecular.jp/nutrition/protein/

 植物性たんぱく質が体に良いのか?それとも動物性たんぱく質が体に良いのでしょうか?たんぱく質合成を成功させるポイントは、アミノ酸バランスです。
 たんぱく質合成はブロックで立体を作るのと似ています。ブロック(アミノ酸)は20種類で、立体に使うブロックの種類とそれぞれの数は指定されています。一種類でもブロックが足りないと立体は完成しません。合成場所にあるアミノ酸の種類と数がぴったり揃っているのが理想的です。 
 他のアミノ酸から作れないアミノ酸を必須アミノ酸と言います。卵や乳製品などはアミノ酸が体の組成に近く、プロテインスコアの高い食品と呼びます。でも常に卵や乳製品を食べる必要はありません。メチオニンやリジンが不足している豆腐に小魚などを組み合わせると、十分アミノ酸バランスを整えることが出来ます。


ー検査値のここに注目! 尿素窒素ー

 尿素窒素(BUN)は、腎臓の機能を見る項目として設定されています。窒素を無毒化して排泄する形が尿素窒素です。炭水化物や脂質には窒素は含まれていません。窒素を含むのはたんぱく質やアミノ酸、核酸などで、構成成分の代謝や排泄を見る指標になります。

【尿素窒素が高い時】
  ● 腎臓の排泄機能が低下している可能性があります
  ● たんぱく質がたくさん壊れていることがあります
  ● 胃や腸に出血があると分解物が吸収され上昇します
  ● 脱水・血液濃縮の可能性があります
  →たんぱく不足は血液濃縮の原因の一つです
  ● アミノ酸のバランスが悪い時にも高めになります
  →廃棄分が増えます

【尿素窒素が低い時】
  ● たんぱく質の摂取不足です。体のたんぱく質が入れ替えられないので老化や機能低下が進みます。

 たんぱく質をたくさん摂っているのに尿素窒素が上昇しない時は、消化や吸収が低下している可能性があります。たんぱく質をたくさん食べると尿素窒素は上昇しますが、20程度で落ち着きます。上昇時に腎臓の機能が悪くなったとあわてないことが大切です。20を大きく超える場合は、アミノ酸のバランスが適切か、カロリー不足で体のたんぱく質が壊れていないかを検討しましょう。

http://vitamin-ol.sblo.jp/category/673465-1.html


※刊行当時の内容のまま掲載しているため、現在の状況とは異なる記述もあります。

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