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看護師が教える良い医者の選び方

優しい医者だからといっていい医者ではない

 前回お伝えしたとおり、話していて優しい雰囲気の医者だからといって腕が悪い可能性がある。


https://note.com/himeari/n/n8ea86c27243c


なんでも「ふんふん」と聞いてはくれるが、必要がないのに薬をどんどん増やしたり、逆に追加の薬が必要な状態なのに様子見を決め込んでしまっては良い医者ではないだろう。そんな医者にかかっていたら、元気に過ごせる時間は少なくなり余計な病気にもなりかねない。

 まずはじめに私自身は病院での看護師経験しかないので、クリニックの医者に関してはうといかもしれない。ただ身内がクリニックにかかることもしばしばなので、病院での医師の選び方を中心にクリニックの選び方にも少しふれていきたい。(※この記事ではでは病院は入院施設があるもの、クリニックは入院施設がないものとしておきます) 

1.設備が整っている病院を選ぶ

 では実際にいい医者を選ぶにはどうするか。病院に勤める私が考えるに、設備が整っていない病院にはまず良い医者はいないのではないだろうか。ここでいう設備とはレントゲンやCTのことだ。大体の病院にはレントゲンとCTくらいはあると思う。しかしMRIやPETCT、心臓カテーテルといった設備となると数が限られてくる。そういった設備が整った病院には良い医者が多い傾向がある。なぜか。それは医者は万能ではなく、設備が整ってなければ、存分に力は発揮できないことに由来する。医者の力とは外科医であれば特に手先の器用さはあげられるだろうが、それよりも重要なのは『診断力』にあると思う。患者様の状態を診て、何が起こっているかを判断し、治療につなげる。診断がつけることができなければ、適正な治療はできないのだ。優れた医者は患者様の実際を診察することで大体がわかる……ということもあるが、それと同時に十分な検査も診断をつけることが不可欠だ。ここでひとつ問いたいのは『良い医者は設備が整っていない病院にいたがるだろうか?」ということだ。患者様に十分に尽くしたいという医者も、存分に力を付けたいと考える功名心が強い医者も存分な医療を行える場所(≒設備が整っている)にいたがるのではないか。現に私が見てきた設備が整っていない場所の医者達は、情熱はうすく知識もうすい印象だ。最先端の医療についていけずに、諦めてしまったのではないか……と邪推してしまうほどに。

 なので良い医者にあうためには、設備が整っている病院を選ぶことがひとつの指針となる。

2.肩書きにはだまされない

 医者の経歴に「○○科の部長」とか「院長」と聞いて、信頼感を感じてしまう方もいるかもしれない。しかしこれも鵜呑みにしてはいけない。特に高齢な医者で「部長」「院長」は疑ってかかるほうがいい。確かに彼らは一時優れたモノがあったから今の肩書きを手に入れたのだろうが、彼らがその力を磨いたのは数十年も前の医療の時代。日進月歩の医療において、彼らの知識等は少なくても最先端・最善ではないと言える。中には高齢になっても意欲的に知識を身につけようとしている医者もいるが、数は少ないように見える。場合によっては30歳に満たない研修医のほうが物事を知っていることさえある。なので高齢(60代後半くらいから)で院長・部長の肩書きがある医者に全幅の信頼をおくのは危険だと思います。


③「何でも屋」に気をつける

 街中には「内科・整形外科・胃腸科」とひとつの病院・クリニックで複数の診療科を掲げているところがある。もしそういった病院・クリニックを一人の医師が担当しているとしたら皆様はどう感じますか? 私見ではありますが、そういったところの医者は優秀だから複数の診療科を診れるわけではありません。ただ「広く・浅く」診れるだけの可能性があります。『看護師が天使なら2』で触れましたが、まず内科と外科で専門性が変わってきます。その専門性が違う診療科を十分に極めることができる医師はそうはいないと思います。しかし複数科診れる、としたほうが患者様は増えるだろうから多少専門外でも看板に掲げてしまうのではないか、と私は考えています。医者もある意味商売、売り上げがなければ食べてはいけないのでしょう。

 なので看板に複数科診ることができる(一人の医師で)とあっても、鵜呑みにしないほうがいい。むしろひとつの診療科だけあげていたほうが信用にたると思う。ただひとつの診療科だけ掲げていても十分に気をつけなかればならない科があります。それは精神科。精神科の厄介さについてはまた別の機会に触れたいと思います。


4.一人の医師を信用しない

 かかりつけがどんなに優しく、腕がよかったとしてもその医師を信じ続けるのは危険です。一人の医師でみれる範囲は限界がある。なのでかかりつけで診てもらっても改善ないし疑問がある場合には、一度他の医師に相談することをオススメします(セカンドオピニオン)。もしかかりつけが優秀なら、「セカンドオピニオンを受けたい」と言ったら快く相談にのってくれると思います。自身の力量がわかっており、患者様のことを思うことができるからだ。逆に悪いかかりつけ医なら客(患者様)に逃げられたくないという思いでセカンドオピニオンに反対してしまうかもしれません。

 できればセカンドオピニオンをうける病院は設備が整った大病院のほうがいいです。残念ながら大病院でも中には悪い医者はいるかもしれない。しかし少なくても高度な検査はうけることはできます。そうすれば体を治せる確率はかかりつけ医だけよりもあがると考えられます。


5.裏技 看護師に話を聞く

 身近に看護師の知り合いや親戚はいますか? もしいればその方に「どんな医者がいいか」や「医者にこんなことを言われているが大丈夫だろうか?」と相談してみるのも手です。相談する看護師の力量にもよるだろうが、看護師の視点で「この先生はやめたほうがいい」「今度こういう質問するといい」とかアドバイスをくれると思います。看護師も医療に携わる者、一般の方よりは事情がわかりいろんな知識があるので助けになります。

 また入院中である方なら、病棟の看護師に医師や病院について聞く……というのいい手段。ある程度看護師と仲良くなると色々教えてくれます。それがたとえ病院に不利益にあたることだとしても。いい医者・病院は看護師の評判が高いことが多く、悪い医者は看護師の評判が低い医者が多い。なので悪い医者・病院に対して看護師自身がうっぷんがたまっていれば、愚痴と一緒に医者のことを教えてくれるだろうと思います。なにより良心があり、ある程度の知識を備えている看護師ならば患者様に最善の医療が行えていないことに葛藤をもっています。その良心とともにきっと色々教えてくれると思います。

 ただ看護師も千差万別、一筋縄ではいかないのですが……。


 以上が私が思ういい医者・病院の選び方です。いきなり良い医者に出会えることは稀で、これは運だろうと思う。しかし良い医者に出会うためにできることはたくさんあるんです。自分の体と長く元気に付き合うためには、人任せにせず本気で取り組んで欲しいんです。なぜならかけがえのない自分の体のことだから。この文章が少しでも皆様の助けになれば幸いです。

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