【ポエム】~影に怯えて~
あの日
冬の夜道
貴方が
置き去りにした幼子
貴方を憎みながらも
貴方の愛を欲し
泣きながら大きくなった
貴方の血
この世にただ一人
受け継ぐその者は
結婚もせず
子を産むこともしなかった
ごみのよに
家族を捨てぬよう
要らなくなったおもちゃのよに
気まぐれに愛し
子を捨てぬよう
貴方のようにならぬため
そして貴方の血を絶やすため
こんなつらい思い
私だけで終わらせる
そのために
同じ血を分かち合う
この世で一番遠い人よ
今も 貴方の影に怯えながら
私は生きている
とうに 忘れられた身だというのに