映画「すずめの戸締まり」感想
新海誠監督が日本神話をベースに作品作りをされていることは有名ですし、今回の主人公のフルネームを聞いた瞬間から「あぁ、あの神様の関連なんだな、楽しみ」という所までで、日本神話好きの私が観に行かないわけがないですよね。
前回、「考察動画」という名目であげているサムネYoutubeが、ただの感想(なんなら文句やん)という怒りの?投稿をしたのですが笑、日本神話のにの字も出てこない考察動画は見なくて良いのではなかと思います。日本神話とはまた別の視点でガッツリ腑に落ちる考察動画や記事を見かけたら、ぜひコメント欄にリンク付きで教えていただけると嬉しいです。
さて、ここからはネタバレもあると思うので、嫌な方はスルーしてくださいね。新海誠監督のファンであり、日本神話が好きだから純粋に楽しみすぎて、前情報ほぼゼロで観に行きました。
結果、号泣。それはまず、母として。3.11モチーフはあまりにヘビーすぎた、、、。細田守監督の「竜とそばかすの姫」の時もそうでしたが、母娘が離ればなれになる話は、本当に辛いです(現在7歳の娘がおります)。
それから、阪神淡路大震災の時は奈良で、東日本大震災の時は東京で、間接的ですがリアルタイムで味わった身としては、震えるものがあったし、また実際に現場で体験された方を思うと胸が苦しくなり、当事者の皆さんには正直オススメできないほどに、激しい描写だったと思います。
リアルな風景+ファンタジックな表現でさらに恐怖が誇張され伝わってきた分、逆に日常の風景がより美しく平和で尊いものに感じる事ができましが、その激しいギャップが表現としては大成功しすぎて、刺さりすぎて、鑑賞後は放心状態でした。
でも、最後の戸締まりのシーンでは「ありがとう」「いただきます」「いってきます」といった日本特有の挨拶が響き渡り、日本語の響きは祈りであり、神秘的な力があるなぁと、改めて大切にしないと思いました。鎮魂の意味も込めて、日々手を合わせる事、感謝する事が日本を守っているのではないか、と思えるほどでした。
原発や阪神大震災にも触れてほしかったという意見もあるようですが、それはドキュメンタリーや報道でするべきだと私は思います。むしろ、あの横倒しになった道路が元に戻っている風景や、明るい関西人を見て、あぁ元気になっていると泣きました。こうやってピックアップしてくれる事で、忘れていないぞ、心に今も刻んでいるぞ、と確認できた人も多いのではないかと思います。
さて、日本神話の側面からがっちり考察してくれている動画をご紹介します。ちゃんと考察できているのはここだけなのでは?と思いますが、いかがでしょうか。イチオシです!
教科書から消されてしまった日本神話を今一度、日本人に伝える。新海映画ってすごいプロジェクトですよね。少しでも、日本の尊さに気づく、思い出す人が多くなったらいいなと思います。
ひとつ、私が気づいたワンシーン。
すずめが富士山を見逃したシーン、気になりませんでしたか?普通に見れば「宮崎から出てきて、そりゃ富士山見たいわなぁ」ぐらいにしか思わないかもしれませんが、だったら「わー!富士山大きいー!」って感動してるシーンにすればいいじゃないですか。なぜ、あえて見逃したシーンにしたのか。
実は、日本書紀や古事記には富士山は出てこないと聞いた事があります。これは、元あった書物を改変し、わざわざ消したのではないか?とも言われているんですよ。だって、そんな昔の伝記に日本の一番大きい山が出てこないなんて変でしょ?
「あー富士山見たかったーなんで起こしてくれなかったんですかー!」と怒ったすずめは、そんな隠された富士山の秘密について暗喩しているのではないかという、私の妄想です(考察ちゃうんかい、笑)。日本神話好きの人は気づいたよね!?
要石のダイジンが力を取り戻し、力強くなるのは、すずめのポジティブな言葉の投げかけでしたね。幸福度ランキングが低く自◯大国日本。今後、日本を強くし、幸せな日常を続けていくには、美しく愛のある言葉がけが重要だと改めて感じました。
ダッシュで帰って、旦那さんとお留守番してくれた娘をぎゅーぎゅー♡に抱きしめ、彼女が力強く生きていけるよう、もうポジティブな言葉がけしかしないぞ!と思いました。それと同時に、幼い頃の自分にも脳内で会いに行って抱きしめ、私はこんなにも幸せだよ、未来は素敵だよ、と伝えました。
なんだか物騒なニュースが多くて、漠然と未来を不安に思ってしまいますが「未来はこわくないよ」というすずめの言葉はまさしく、新海誠監督の一番のメッセージだったのではないかと希望を感じました。
地球に住まわせてもらってる、人間は大地をお借りしているんだって、感謝を忘れずに生きていこう!そして、地震対策もしっかりとしないとね。
以上!