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歩く動くという事の重要性


今回は主に歩く動くという事の良さをたっぷりと皆さんに伝えて行きたいと思います。また立つ事や日常でのなにげない動作、つまり運動などのトレーニングではない日常のちょっとした身体活動の良さも伝えて行きたいと思います。

また逆に歩いたり立ったり動いたりをしないと、つまり動かず座ってばかりいたり寝てごろごろばっかりしているとどうなるのか、それを極限まで実践して人生がガチで終わりかけた(笑)自分がその恐ろしさを科学的根拠と実体験を交えてお伝えします。

今回の記事を煎じ詰めて一文にまとめると。

・歩いたり日常生活での身体活動を増やした方がいい。

ということになります。
そして要点をいくつかにまとめると下のようになります。

・トレーニングもいいが日常での身体活動も大事。
・NEATは肥満解消のカギ。
・座りっぱなしは肥満になりやすい。
・座りっぱなしは病気のリスクを上げる。
・座りっぱなしはメンタルのリスクも上げる。
・座りっぱなしのリスクは短時間の運動では解消されない。
・こまめに動く&歩く事は凄く大事。
・”スタンディングデスク+歩く”はかなり良い。


日常的に運動するのがいい事は皆さんご存じだと思いますし、それはまったくその通りであります。さまざまな研究によって運動はフィジカルの強化のみならず健康の増進やメンタルや脳機能の強化につながる事がわかっています。

しかしそれと同程度、いやもしかするとそれ以上に大事なのが日常生活の中でどれだけ身体を動かすかという事になります。それが今回のテーマである歩くという事そして日常的な身体活動になります。

さて、歩く立つまた生活の中でのいろんな動作がありますが、これらのトレーニング(筋トレ・ランニング・スポーツ等)以外の日常の活動の事をNEAT(ニート・Non-Exercise-Activity Thermogenesis・非運動性活動熱生産)といいます。たとえば歩いたり、階段を上ったり、家事をしたり、また会話の時のジェスチャーや貧乏ゆすりまでこのNEATの内に含まれます。

これらは筋トレやランニング等の高強度のトレーニングとちがって短時間での消費カロリーはそんなに高くないのですが一日の合計の消費カロリーはバカにならないものになります。

ただ、このNEATは個人差が大きく、座ってばかりで動かない人は少ないですし。身体を動かす仕事をしている人はかなり大きくなります。

近年の研究ではこのNEATの重要性がはっきりと示されてきています、このNEATが多いか少ないかで肥満度も変わります。肥満の人とそうでない人を比べた研究では肥満の人はそうでない人より一日平均2.5時間も座っている時間が長かったという結果がでています(Levine JA, et al. Science. 2005;307:584-586.)。つまりは肥満者はNEATが少なかったという事になります。

また2015年にマドリード工科大学が行った96人の太り気味の男女を対象にした実験によるとエレベーターを使わず階段を上るなどのNEATを増やすだけでも週3のジム通い(筋トレと有酸素運動を各一時間づつを週に3回)に匹敵する運動量が得られ同じように減量できたそうです(22週間で9~10キロ・ちなみにどちらのグループもカロリー制限はしています)。これはすごいですよね。

このように日常生活で身体を動かすNEATを増やすというのは肥満解消にはとても重要です。もう一つ興味深い例もありまして、これは自分が読んだ”NASA式最強の健康法(ジョーン・ヴァーニカス著・2016年)”という本の中にちらっと書いてあったアーミッシュの人達についての事です。


アーミッシュとはキリスト教のある共同体の人達の事なのですが、このアーミッシュの人々は今も移民当時の生活を守り車や電気を使いません。そして農業中心で何でも必要なモノは自分たちで作る自給自足の生活を送っているそうです、なので肉体労働がとても多く肥満とは無縁なのだそうです。

具体的な数字でいうとアメリカの肥満率が31%なのに対してアーミッシュの人は3%だそうです、うーん凄い。やはり肥満というのは文明病でもあるんですかね。しかもおそらくですが彼らはマシントレーニングとかしてないでしょうし。

さてここまではいろんな研究等を見てNEATは肥満防止に効果的だという事を書きました。そしてここからは自分の実体験になりますが、確かに忙しい立ち仕事をしていた頃はあまりカロリー等を気にせず食べていたにも関わらずずっと基本スリムでした、また多少体重が増えても少し運動すれば痩せてました(ただ調子にのって夜中にお菓子や家系ラーメンを食べまくった時はさすがに太ったが、笑)。

明らかに異常に太ってきたのはやはり座りっぱなし&PCとにらめっこの生活になってからでした。

はい、ここから座りっぱなしのデメリットについての話になります。


立たずに座りっぱなしの生活になって以来みるみるうちに体重が増加していき、60キロ代だった体重が80キロ近くまで増加していきました。

実際にさまざまな研究で座り過ぎには肥満や糖尿病のリスクがあることがわかっています。さらにそれだけではなく高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、がんなどの病気にかかりやすくなります、その結果死亡リスクも上げてしまいます。

座っている時間と総死亡リスクの調査によると座ってる時間が4時間未満の人に比べて、8~11時間だと15%増、11時間以上だとなんと40%も増えてしまうようです(シドニー大学の研究・2012年)。自分はたぶん12時間以上座っていたので激ヤバだったんですね・・。

会う人会う人に「太ったな~!」といわれ「否!これは筋肉なのだ」と苦しすぎる言い訳をしていたのを覚えています。ただ、そんな冗談をいえるうちはまだましでした。そこからの数年間は以前にもいろいろ書いたのですが心身ともに地獄のようでした。

太ったのでさらに動くのが億劫になり、身体は常に不調、頭痛、寝入りも寝覚めも悪い、強度の自律神経失調症、座り過ぎによる尻や腰の痛み、頭はぼ~っと働かず、精神にも異常をきたし常に怒りっぽく、不安で、意欲もまったくなくという悪夢の状態が続きました。神経系の不調はPC・ネットの見過ぎというのも大いにあったのですが、座り過ぎも同じくかなり悪影響を及ぼしていたと思います。

で、ここまで見て疑問に思う方もいるかもしれません。こんなになるまで何も手を打たなかったの?運動とかは全くしなかったのか?と。

実はさすがに自分でもそれは初めから一応はわかっていて、この生活を始めた時から一定の運動、筋トレやエアロバイクやケトルベル等のトレーニングはしていました。座りっぱなしで運動不足なら定期的に運動すれば大丈夫でしょと安易に考えていました、それが大きな誤解だったのです


そして今回のnoteで一番強調したいのはこの部分で、たとえ短時間の運動をしていたとしても、それ以外の時間を座りっぱなしや動かないですごすと運動の効果は帳消しになってしまうのです

たとえば一日24時間ありますが、睡眠で7時間とるとして残りが17時間です。そこから1時間運動したとしてもまだ16時間もあるわけです。そしてこの膨大な時間の大半を座って過ごしていれば1時間の運動の効果は吹き飛んでしまいます

実際これは今ではすごく有名な話で”アクティブカウチポテト”というキーワードで調べて頂ければすぐわかるとおもいます。カウチポテトというのはソファー(カウチ)に座ってポテトチップスを食べながら動かずにテレビをみてだらだらすごす人の事を言いますが。アクティブカウチポテトというのは定期的に運動はしているが、それ以外の時間座ったりダラダラしている人という意味になります。そしてもちろん良くない意味で使われています。

運動するのはいいんですよ、運動が身体・メンタル・脳にいいのは間違いない。ただし、それ以外の時間をどう過ごすかというのも物凄く重要なんです。そしてその運動以外の時間をダラダラ座りっぱなしや寝転んで過ごしてばかりいると運動の効果は打ち消されてしまいます。

さらに、座りっぱなしは脳神経にまで悪影響を及ぼすようです、座る時間が長い人は記憶に関わる脳の領域が薄くなっていく傾向がみられ、しかもそれは強度の運動をもってしても相殺されないそうです(カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究)。

確かにその頃ケトルベルなどのハードな運動をしていたのに頭の調子がどんどん落ちていってました、ちょっと前まではネット断食シリーズ(...まとめ)に書いたようにネットの見過ぎが原因だと思っていましたがそれだけではなかったようです。

また座りっぱなしはメンタルも悪化させるという研究もあります、これはオーストラリアのディーキン大学の研究で、9つの論文を分析したものでこのうち5つから座る時間が長いほど不安も大きくなるという結果がはっきりでており、残りの4つからも座り時間と不安リスクの上昇との関連がみられたようです。

とりわけ高校生を対象とした研究では、テレビやパソコンを2時間以上見ているグループは2時間未満のグループと比べて不安リスクが36%も増加するとの事。やはり座り過ぎとデジタルのコンボは恐ろしいですね。そう考えるとパソコンの前に10時間以上座っていた自分があんな状態になったのもうなずけます。

つまりはPC&ネット見過ぎと座り過ぎという凶悪コンビのダブルパンチをもろに喰らっていたんですな、思い出してみると、運動はしてるのにみるみるうちに元気が無くなって急速に心身共に状態が悪化していきました。それだけ座り過ぎというのは悪影響が大きいようです。


では、この座り過ぎの悪影響を無くすにはどうすればいいのでしょう?、先ほど短時間の運動では相殺できないと書きましたが、ではもっと長時間ハードな運動すればいいのでしょうか?そんな事をすれば体力が持ちませんしそんな時間もありません、そして何より続かないでしょう。

そうではなくて、ここでベスト方法それはこまめに動く事です。なにもハードな運動をしなくてもいいんです、こまめに少しでも、例えば立ち上がったりストレッチをしたりちょっと歩きまわるというだけでも上に書いたようなリスクは大幅に下がります。ある研究では1時間に2分間だけでも歩いたりジョギングなどをすれば常に座り続けた人に比べて死亡率が33%も下がったそうです(ユタ大学などの合同研究)。

デスクワークをする人もちょっと用事をみつけてはこまめに立ち上がったり歩いたりすればいいのかもしれません、それだけで雲泥の差が生まれると思います。そういった小さな動きの積み重ねというのも実はすごく大切で”NASAの最強の健康法”でもそういった小さい動きを日常の中でもっとふんだんに取り入れるべきだと力説しています。

ただ、それはその通りですが、自分の経験上一定時間すわると、もう動くのもおっくうになってより動かなくなるですよね。これは長時間動かない事で代謝が下がってフットワークも重くなってるのだと思います。こたつに一回入ったらもう出られないみたいなのに似ているかもしれません。

そこでより積極的な案としてスタンディングデスクを導入して立って仕事や作業をするというのもあります。欧米ではかなり普及してるようですし日本でも楽天や日本マイクロソフトなど導入している企業があるようです。


そしてスタンディングデスクのさらに積極的な使い方としてスタンディングデスク+歩くというものもあります。立って歩くことで代謝もよくなり脳の血流もUPし作業もはかどるというナイスな方法です(ただしある程度慣れる必要はある)。そして今自分が神のごとく尊敬してあがめているパレオな男の鈴木裕さんやメンタリストDaigoさん、この二人はこの方法でかなり積極的に歩きながら作業をしているようです。

パレオさんはスタンディングデスクとトレッドミルを合体させ一日になんと3万歩以上歩いているようですし、Daigo氏もスタンディングデスクとステッパーを使い一日で座ることがほぼなく、読書も歩きながらするそう、うーん二人ともこれはもう歩き遍路や修行僧のレベル(笑)。

かくゆう自分もお二人をまねてスタンディングデスクとステッパーを使ってますが、ずっとしっかり歩いてるわけではなくて、時々歩き、時々止まり、時々その場で足踏みまたはサイドステップなどゆるーくやっております。こまめに動くのが重要なのでまずはこんな感じでもいいのかなと。

そんな感じでゆるくやっていますがいくつか実感している効果もありまして、これは完全に自分の主観なのですがいくつか書いて行きます。

・フットワークが軽くなった。
・代謝がよくなったのか元気になった。
・メンタルの調子が確実によくなった。
・一日のうちでダレる時間帯がなくなった。
・集中力が長続きする。
・日中の眠気が減った。
・夜はしっかり眠くなるようになった。


とまあこんな感じでしょうか、ずっと立ってるのでフットワークが軽くなるのはもちろん、なんか代謝がよくなったのか全体的に活力が湧き身体もメンタルも元気になりました。特にメンタルは何故だかかなり調子がよくなってる実感があります。歩行は脳内の幸福物質ともいわれるセロトニンの分泌も活性化させるのでその影響もあると思います。

そして日中元気に活動できて眠くならない分夜にしっかり眠気が来るような気がします。これも運動+セロトニンの影響かもしれません。セロトニンは夜になると睡眠物質のメラトニンに変化します。

全体的にみると本来の人間のリズムを取り戻してるような感じですね、考えてみればかつての人類も食べ物を集めたり獲物を追いかけたりと一日中何かしら動いてたはずなので当然といえば当然ですね。

実際に狩猟採集民族は一日に6~16キロぐらい歩くそうですし、先にあげたアーミッシュの人々は平均で男性は一日1万8000歩、女性で1万4000歩も歩くそうです。ちなみに比較としてアメリカでもっとも肥満率が低いコロラド州の男女の一日平均は男性6700歩、女性で6400歩です。こうみるとやはり現代人は動かなさ過ぎなのかもしれません。


今回は歩く事や動く事、NEATの良さ、そして座りっぱなしや動かない事の怖さを書きました。歩く事や動く事は身体やメンタルの健康の基礎だと思います。ハードな運動をするのもいいですが、まず歩いたり日常での活動であるNEATを増やすのが大事ではないでしょうか。


今回も最後まで見て頂いてありがとうございました!!。

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