星冴える | これは前駆陣痛?
冬の澄んだ空気の中では
星も一段とくっきり見える
空気も光も、冴え渡った空間では色々な感覚までもが研ぎ澄まされる。
夜に2人でゆっくり外食するのはもうしばらくできなくなるかもしれない、と言いながら、私たちはお気に入りの店でクリスマスディナーを食べた。
予定日が近づいていて、この頃はよくお腹に「クリスマスディナーとおせち料理はゆっくり食べさせてくれると嬉しいな」と話かけていたので、赤ちゃんはこのお願いをまず一つ聞いてくれたことになる。
帰り道、よく食べてほかほかになった身体に、冬のしんとした空気がとても気持ちよかった。
こんなに外灯の眩しい街でも、冬には一番星がよく見える。
家までもう少し、となったところで急に下腹部に突き刺すような痛みがあって立ち止まる。
ついにきたか、と思うほどしっかり痛かったけれど、ものの数分で落ち着いて、その後もしばらく何事もなく数日過ごすことになった。
不思議だけれど、寒くて静かな冬の空気と、はっきり目に映る冬の星座と、刺すようなお腹の痛みは、感覚的に調和のとれたものだった。
これからやってくる本番の気配に、不安と緊張がなかったわけではないけれど。