秋風 | ベビーカーに乗って
冬に向かって、冷気を深める風のこと。
この頃はまだ、ショッピングセンターのような施設で買い物していると
少し汗ばんだりして、休憩につい冷たいドリンクを選んでしまったりする。
外に出た時の、冷たい風が身体を程よく冷まし、気持ちがよい。
娘がしっかり座れるようになった頃に
ほぼほぼ初めて、大きめの商業施設へお出かけした。
時折ひんやりした風がブワッと吹いて
だけど日差しはたっぷりとあるのでとても気持ちの良い日だった。
娘は、普段なかなか目にしてこなかった店内に興奮気味だったのだけど
渡り廊下のような通路のところでじっと一点を見つめる様子があった。
目線の先を追うと、天井に一定の間隔でいくつもいくつも連なって吊り下げられたバーゲンセールの旗を見つめているのだった。
風に吹かれてゆらゆら、時に激しく揺れるそれが面白いようだ。
しばらくじーっと見つめた後、ベビーカーにガンガン足が当たるくらい両足をバタバタさせながら喜んだ。(当時の最上の喜び表現!)
転がって、時々に静かににこーっとするだけだった赤ちゃんが
自分で面白いものを見つけて、全身で喜びを表現するようになった。
コロナだ、ステイホームだ、と言われる中でもちゃんと大きくなった
それにこれから少しずつ言葉を使って喜びを伝えてくれるようにもなるんだ
と安心と楽しみで心がほぐれた。