【創作語り】『動機は愛』〜ミステリ書きの脳内議題
自分でミステリ書く時には、トリックより動機重視だったりします。
▶︎動機は愛
ただし、真っ当とは言ってない。
「この犯人、とてもりんさんっぽい」って言われるのが、この動機とその種別。
「色恋沙汰か」と聞かれたら、「執着です」になります、たぶん。
盲目的、狂信的、支配的、依存的……
「それを愛だなんてオレは認めない」
「何を言ってるんだい、これがボクの愛だよ、さあ存分に受け取りたまえ、探偵くん!」
▶︎「理解できない」と「納得できない」はベツモノ
動機にかんしてはもうひとつ。
納得≒説得力
もしくは、≒美学
あるいは、≒論理
犯人(あなた)の動機はこれっぽっちも理解できないけど、
その犯行に至るほどの美学(本人なりの道理や論理や矜持)があるのはわかった!
ーーというのが、自分には必要なんです。
うまくいかない時は大抵、
「そんなくだらない動機でここまでやれるのかい? この犯行を達成するのに、その程度の燃料で場を支配できるとでも? え、むりじゃない? キミはこの事件の犯人に相応しくないね、興醒めだよ」
脳内に棲む『怪人(探偵になれる殺人鬼)』が、こちらの提示する犯行の計画立案実行に対し、犯人の動機が面白くないと却下してきます。
これがはじまると、なかなか事件がたためません。
もちろん、物語も進まない。
探偵が推理できない。
誰が犯人か、作者にもわかんなくなるから!
逆に、犯行動機が自分なりにしっくりくると、
「あ、その動機でここまでやれちゃうのか、面白いね、なるほど了解、ならこういうこともやる? OK、やるんだね、わかった、用意する」
こんな感じで、なんか仕込みが増えます。
「あいつがこんなクソくだらない穴だらけの事件を計画するはずがないだろ。賭けてもいい、コレは粗悪なニセモノだ」
「この程度でボクを騙ろうなんて100年早いよ。気分が悪い! まあ、探偵くんはちゃんと違いをわかってくれてるみたいだけどね」
▶︎事件は起きているのに、犯行動機が見えない
故に解決に至れない
これは、ふだんから、
『書きたいとこから書く』制作過程だからこその問題点でもあるのですが、
小説の良いとこは、制作コスト的なのがめっちゃ少ないとこなのですよね。
脳内怪人にボツをくらいながら積み上げていった先に何が待ってるのか、実は自分も楽しみだったりします。
真の動機が見えた時、なんか世界が再構築されていく感覚!
そして、久々に書いたミステリがこちら↓
共作相方のSHIGE姐さんの作品がこちら↓
9月の文学フリマ札幌で本になります。
私の担当は2編トータル5万文字超え、
友人は7万文字超えです。
楽しみー!