マガジンのカバー画像

リハ塾マガジン

臨床で感じるなぜ?を解決し結果を出したい人のためのWebマガジン。 機能解剖、生理学、病態やメカニズムの理解、そこから考えられるアプローチを学び、より臨床で使える形で知識を提供し…
臨床に関するコンテンツがほぼ毎日配信されます。初月は無料で購読できます。 1000以上のコンテンツ…
¥500 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

スクリューホームムーブメントを臨床に活かすポイント

リハ塾の松井です! 今日は膝関節におけるスクリューホームムーブメントについて。 新人の頃は、伸展時に外旋が出るとだけ覚えていて、とりあえず、伸展方向へのROMex時に外旋誘導して分かった気になっていました。 ですが、このような短絡的な考え方では不十分で、効果があるのかどうかもよく分からない場合が多かったです。 膝は屈曲、伸展だけでなく、わずかに回旋の動きも入ることで、自然な動きを作り出しています。 つまり、回旋の動きが制限されていることは、膝関節運動が破綻しています

足関節で大事な3つのリリースポイントについて解説

リハ塾の松井です! 今日は足関節後面における以下の3つのリリースポイントについて解説します。 ・アキレス腱-Karger's fat pad ・下腿三頭筋-長腓骨筋 ・足根管-後脛骨筋腱、長母趾屈筋腱、長趾屈筋腱 足関節は歩行時に必ず最初に接地する部位なので、影響も大きい部位です。 背屈位で踵を支点にテコのように推進力を作る役割も重要ですし、立脚後期で強く蹴りだすために底屈位となることも重要です。 今回は背屈制限に関わる足関節後面のリリースポイントについて解説します

膝関節の骨構造から考える関節可動域訓練への応用

火曜日ライターの松井です! 臨床では膝OAを始め、膝関節疾患は比較的多く担当する機会があります。 膝関節疾患でなくても、可動域制限を呈していてADLに制限が生じる場合は、膝関節へ介入する必要性があります。 そんな時、ただ漠然と屈伸の動きを繰り返していませんか? 膝関節には膝関節に特有の関節構造があるので、それを考慮した可動域訓練を行うことで、効果を最大限に高めることができます。 そこで、今回は膝関節の解剖学から関節構造を学び、それをどう関節可動域訓練へ応用するのかを

地味だけど大事?足部の横アーチの4つの機能的役割

リハ塾の松井です! 足部のアーチは大事だと分かっていても、実際よく分かっていない方いませんか? 特に内側縦アーチはパッと見て高いか低いかくらいは分かるので、着目されやすい印象ですが、横アーチとなると評価もしないなんて方も少なくないと思います。 ですが、アーチはどれかが欠けても成り立たないので、横アーチもかなり重要な部位です。 そんな横アーチの役割、評価、介入方法についてまとめました。

脊柱インナーマッスルを効かせるためのコツ

リハ塾の松井です! 脊柱には多裂筋、回旋筋、棘筋といった脊柱起立筋の深層にある小さな筋群が存在します。 それらは脊柱の分節的な動きを出すために必要な筋肉ですが、漠然と体幹伸展や回旋運動を行ってもアウターの脊柱起立筋が優位に働いてしまい、体幹がひと塊りに動いてしまいます。 そんな脊柱のインナーである多裂筋などの単関節筋を働かせるための1つの例を解説します。

前鋸筋を働かせるための解剖学と運動療法

リハ塾の松井です! 肩甲骨の外転筋と言えば前鋸筋ですよね。 前鋸筋の作用を促すために、手に抵抗をかけて突き出すような運動をしたりするかもしれませんが、前鋸筋の解剖学的構造を考えると不十分です。 今回は、前鋸筋の解剖学的な構造から、どうやったら前鋸筋を効率良く働かせることができるのかを解説します。

タオルギャザーに一工夫すると効果的な運動療法になる

火曜日ライターの松井です! 内・外果骨折などの足関節骨折や下腿・大腿骨骨折などで免荷期間がある場合、足部の筋委縮の予防、感覚入力のためにタオルギャザーをすることがありますよね。 ですが、そのタオルギャザー、とりあえずやらせるだけになっていませんか? 明確な目的なくただやらせるだけでは、むしろ逆効果になっている可能性があります。 タオルギャザーはどこに効かせたいのか明確に設定した上で行えば、効果的な運動療法になります。 今回は何となくタオルギャザーをすることは止め、し

肩は4分割して考えると理解しやすい

リハ塾の松井です! 今回は肩関節の可動域制限の評価と問題点へのアプローチをご紹介します。 肩関節は3軸関節のため、屈曲/伸展、外転/内転、外旋/内旋それぞれの方向へ作用する筋肉があり、それぞれが各方向への動きを阻害する因子になります。 屈曲だけ切り取っても、屈曲/外転/外旋の複合運動のため、屈曲の制限組織は伸展筋だけというわけではありません。 内転、内旋方向へ働く筋肉も制限因子となります。 今回は、そんな複雑な肩関節の制限因子を分かりやすくする考え方、それに

閉鎖筋群を狙った運動療法の具体的方法

リハ塾の松井です! 股関節の外旋筋と言えば、梨状筋を真っ先に想像するかもしれません。 ですが、外旋六筋の中では梨状筋ではなく、意外にも内・外閉鎖筋が筋断面積がかなり大きいです。 じゃあ、どうやって閉鎖筋群を鍛えたら良いの?と思うかもしれません。 そこで、今回は外旋六筋の中でも梨状筋ではなく、閉鎖筋群が重要である理由を掘り下げ、効果的に鍛えるための運動療法まで紹介します。

円背で痛みがある方とない方の違いとは?

リハ塾の松井です! 今日はこんなご質問をいただきましたので、これに関して回答します。 <ご質問内容> 円背姿勢の方で、痛みがある人とない人の違いってなんなんでしょうか? 個人的には、円背だから痛い、円背ではないから痛くないというよりは、何故痛みが起こっているのか?に焦点を当てるべきと考えます。 円背が前提にあると、円背を改善すれば痛みも改善すると考えてしまう恐れがあります。 質問にあるように、円背だから痛い、痛くないというわけではないので、円背も1つの要素として頭

体幹伸展制限を評価する方法

リハ塾の松井です! 体幹の伸展制限がある方は非常に多いですよね。 圧迫骨折や椎体の変性によって、骨性の制限がある方の伸展制限を改善しようと思っても難しいですが、筋性の制限であれば改善することはできます。 そこで、今回は体幹伸展制限に対する評価とアプローチについて解説します! 体幹の伸展制限は、代償的に股関節の屈曲制限、頚部の屈曲制限を起こす可能性もあります。 また、腰椎椎間板ヘルニアの場合なんかは腰椎が過剰に後彎していることが多く、それによる体幹伸展制限を起こしてい

末梢神経障害に対する苦手意識を払拭しよう!神経の構造、病態、アプローチ

火曜日ライターの松井です! 臨床でよく遭遇する神経障害の1つが坐骨神経痛です。 ですが、よく聞く名前ではあっても、何となくストレッチしたり体幹トレーニングしたりしていませんか? 何となく苦手意識があるかもしれませんが、その理由の多くは知らないだけです。 坐骨神経痛のような末梢神経障害は、どこで、何が、どうなっているのかを知れば最初ほど苦手意識はなくなります。 今回は神経構造の基本からおさえ、症状の改善に繋げるには何を考えたら良いか解説していきます! 神経の構造神経

夜間痛を呈する肩の原因、特徴、アプローチ

リハ塾の松井です! 肩関節の痛みにおいて夜間痛を訴える方おられると思います。 そんな方のリハビリでこんな悩みありませんか? ・夜に痛むと言われても再現性がないから困る ・就寝時のポジショニングを指導するが、あまり痛みが変わらない ・何をしていいか分からないので、結局マッサージして終わってしまう 確かに、夜間痛の訴えがあってもリハビリに来た時にその痛みを再現できるかと言うと難しいので、何をしていいか分からなくなりますよね。 ですが、分からない理由としては、夜間痛が発生

エビデンスから考える頚部のトレーニング

リハ塾の松井です! 肩や頚部の痛みや運動機能障害を呈する方って少なくないですよね? 頚部の運動療法の1つにチンインという、顎を引くように上位頚椎の屈曲を誘導し、頚部深部筋群の収縮を促すものがあります。 運動療法はこれだけではないですが、頚部深部筋群のトレーニング効果を調査したシステマティックレビューでは、筋力強化には効果がなかったとされています。 今日はそのシステマティックレビューを参考にどんなものに効果があって、どんなものには効果が薄いのかをまとめました。 そもそ