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固定種が好きです。

告白か!笑

この記事がわたしの記事のはじめての方もいらっしゃるかもしれないので、お野菜の種には「固定種」と「F1(エフワン)種」がある、ということが前提であるのを知っておいていただくとこの後の話がわかりやすいです。

↑この記事でも少し触れていますが、わたしは固定種だけを育てようと思いました。


固定種を育てようと思ったきっかけ

きっかけは森と畑の子どもキッチンプログラムでした。1期生は無農薬のお野菜をつくっている農家さんにご協力を頂き、B品と言われる市場には出せない形のものを仕入れて実施しました。

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2期をやろうと思った時すでに固定種とF1種の存在を知っていたわたしは子ども達に固定種でやらせたいと思ったんですね。
だってみんな、固定種の存在って知ってる?F1って、人間の都合で品種改良されたり遺伝子組み替えされたりしている種だってこと知ってる?いのちを扱うってどういうことかがそこに現れているんじゃないかって思ったんですよね。

もちろん生命のために必要な進化もあるけど、いじっちゃいけないことってあるじゃない。倫理の問題。それと利便性を天秤にかけた時に何を感じるかって、、、道徳より深い学びがあると思ったんですよね。

・・・って小難しい授業をやるつもりはなかったし、子どもなら「こういう存在が自然界にいるんだ」ということを”感じる”ことができると思っていました。感じるだけでもいいと思っていました。

だけど皆さん、固定種の野菜、売っているの見たことありますか?

そうなんですよ、つくっている農家さんってほっとんどいないんです。


固定種つくってもらえませんか?…じゃぁわたしがつくります。

そこで知り合いの農家さんで、しかも無農薬でやっている農家さんにお願いをしてみました。ですが首を縦に振ってくれる方はいらっしゃいませんでした。

固定種のデメリットのひとつに「発芽率が低い」というのがあります。%でいうと低いものは50%を切ることもあります。

ちなみにF1種の発芽率は100〜90%。なぜそんな発芽率高く種が造られているかというと収穫量に関わるからですね。収穫量=収入ですから。

しかもF1より固定種の方が手間がかかると思われています。無農薬の方が手間がかかると思われています。
「手間がかかるのに金にならない」というのが固定種、と思われているということです。

中には「スペース分(野菜ができなくても)買い取ってくれるならいいよ」という条件を出されたりもしました。

師匠のコヤマさんにはこれ以上の負荷(畑を広げたり手間が増えたり)は無理なのは一目瞭然でしたから、、、、

わたしがつくりたいものをつくるためにはわたしが畑をやるしかないか。

と腹を括ったわけです。


固定種をつくり続けて感じること

固定種の野菜を育てていて感じるのは「同じものはひとつとして存在しない」ということ。同じトマト、同じナス、同じカブなのに、一つとして同じ顔をしている子がいません。それは形が悪くなったとか、うまく育たなかったとか、そういう欠点が露見しているということじゃなくて、ひとつひとつが個性を持つ存在なんだな、というのを感じさせてくれるということ。そしてみんなおいしい。ここ大事。どんな姿でも手をかけて頂くことでおいしさを感じる存在だってこと。

そしてもうひとつすごいなと思うのは、触っているとこっちが元氣をもらうということ。活力が上がるんです。食べる、じゃないですよ。触っているだけでも上がるってこと。

わたしは固定種を育てるようになって2年です。剪定したり、洗ったりし続けて2年が経ちました。口にする量ももちろん他の方より多いですけど、一緒に過ごす時間が多いわたしは明らかに活力が上がっていると思います。

上がっている?うーん。自分の本来の活力を維持できている、かな。

それって要するに「より自分でいる」ことへのスイッチが入り続けている感じ。それが「活力が良い状態が当たり前になっている」なのかもしれません。

ここのところ立て続けに 肌のハリと艶を褒められまして。   いや〜、そういう、なんつーの?女子力的なヤツ? 褒められ慣れてなくてですねw   あざまーす♡   …くらいしか返せなくて。。。      この前もショップ何軒かで 10歳くらいサ...

Posted by Yuuki Shimada on Tuesday, October 12, 2021

活力が良い状態、ってより自分でいる状態だと思います。何か(他者や闇や感情みたいなもの)に振り回されたり引き込まれたりしにくくなるというか。なっても自分であることへ戻るスピードがはやくなる。

この感覚は、固定種のお野菜達が個性を肯定して生きているからわたしと共鳴しているんだと思っています。



固定種じゃないお野菜へ思うこと

スーパーなどで売っている、皆同じ形をした野菜。これが畑にブワーーーーーーーーーっと生えているのを見て、違和感を覚える方がどれくらいいらっしゃるでしょうか。雑草がひとつも生えていない畑の土を見て違和感を覚える方がどれくらいいらっしゃるでしょうか。

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このページは野口勲さんの「タネが危ない」という本に出てくる絵です。

同じ遺伝子を組み入れられ、同じように育つことをよしとされていること。薬を使って排除されることがよしとされること。そこへの違和感。

でもね。

実際、毎日毎日丁寧なごはんを食べようと思ったら、自分がつくっている固定種や時々分けて頂く固定種だけでは成り立ちません。だからF1種のお野菜も、農薬を使ったお野菜も買うことはあります。そうじゃなければ毎日の食卓は回せないですから。なのでそういったお野菜を否定するつもりは全くないし、農家さんの(エゴもわかるけど)苦労もわかるから理解できることもあります。

その上でわたしは固定種を食べたい、触りたいと思うのです。

何が良くて何がダメか。
実験結果なんてないし、科学的な証明だって何もないし、そもそもそんなものより大事にしたいのは

わたしの細胞が固定種だとよろこぶ、ということ。

触ってたら、食べていたら、体が素直に反応して、キュインって何かがあがる感覚。わたしの体は固定種が好きなんだよね。それだけです。

安全とか健康とか、それっぽい理由もありません。きっかけであったことは間違いないけど。続けたい理由にはならない。


固定種のお野菜を手に入れることが難しいなら自分でやり続けよう。そしてわたしと同じような感覚を味わいたい、味わってみたらよろこんだ!わたしもやりたい!そんな人のお役に立ちたいとも思っています。


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