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枯 れ 花

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悲しみは 涙より多く
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2024年3月の記事一覧

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

花火の枯れた後の匂いが好きだ

ふと何かを想い出しそうになって
何も想い出せないのに

涙腺だけが 懐かしい何かを見て
少しだけ体温より 温かくなる様な
そんな具合いが 酷く愛おしい

花火の枯れた後の匂いが好きだ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

僕の身長を測った彼は 棺桶屋である

貴方は幸せですよ

あヽきっと そうだろう

顔の思い出せない 友人の葬儀があった日で
焼き場の煙突から
煙が軽く昇ってゆくのが見えた

僕もあれになりたい

どうぞ あたしゃ商売で

あヽやはり想い出は 地下に深い

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

鳥の話しを聞いたんだ 昨日

羽ばたく為に 胸の筋肉は強く厚く
全体の体重を下げる為に 足は細くなっていて

あヽなんだ
そこにも自由は無いじゃないか

仕方ないから 風船を買うよ
風船をたくさん買うよ 仕方ないから

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

発狂したい願望ってある

僕はたった一人でも
たった一人でなくても構わない

あの日 賢志くんが
十三段の階段の頂上で言ってたじゃないか

ギロチンは いつも上から下だが
奇跡の刃が下から上へと走らせたって
一瞬も寿命は変わらない

あヽ正に 正しく その通りだ

最期の数秒か 数十秒に
夢を見れるか 違うかなんて
なんて些細な問題だ

あヽ発狂したら絵描きになろう
カンバスは僕の心くらい広いやつ

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未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

賢志くんは旅に出るのだと言って
大きな鞄を持って 歩き始めた

その重さは尋常ならざる様子で
玄関から 少しも離れない所で
賢志くんは力尽きた

すると賢志くんは鞄から
大変 立派な安楽椅子を取り出し
腰掛けて言った

あヽこの椅子を持って来て 本当によかった
そうでなければ
僕は絶望していたかも知れない

薄っぺらになった鞄を
賢志くんは ひょいと掴み
膝掛けに代えた

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

忘れること
そのこと以外の事こそが
僕を抱いて眠る
僕を抱いて眠る
僕を抱いて眠る

あヽいつの今も
本能と理性と他の 忘れること
そのこと以外の事こそが
僕を抱いて眠る

愛も希望も 夢も情も
サキソフォンの調も
他も