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雨の真夜中
2024年2月16日 11:24
時代を彩るのは 熱帯魚なんだと交差点を渡りながらふと気付いたのは 僕の事だろう味気ない日常の中で誰かに話したかった 形の悪い想い出と夜のベンチに座った 顔の思い出せない僕と僕達いつもそうだった注釈や説明や傍線やルビを好んで本当は そうだと 誰も言っていないのに言われた気になっていることを信じた
2024年2月16日 11:11
僕は君のことをタンポポの様だと言ったタンポポの様に 可愛いと言ったタンポポと云うのは時折 パセリの様な顔をして皿の端に乗っているけど一応 食えるらしいけど食ったことはない君は帰り際明日は風邪を引くから会えないは と言った
2024年2月16日 11:05
この頃の時計の秒針はとてもスムーズに回る様でだから とても静かな夜で僕は古い夜を知らないけれど古い夜も こんな感じだったんだと思うそれから カチコチと秒針の鳴る夜があってカチコチと鳴らない時計が生まれて僕は いずれ 深く 眠る
2024年2月16日 10:58
心当たりを尋ねた彼の見せた写真は夕陽であったこれ この色を長く本当に長く探したのだと言ったすまないが 僕が知るアカは赤と朱と紅しかないと答えると彼はうなだれ とぼとぼ と去った後ろ姿に影が長い夕陽を血の色に例えるのは僕にさえ嘘だ
2024年2月16日 10:51
魚の絵をな正面から描く奴ってなぁ案外 おらんもんな とかお前 そらぁ 横に寝た魚はな皿に乗った煮えたやつだぜなんて言やぁそうでもなかろうがけれど お前にゃ参るわな泳ぐのだろういいやぁ まだ寒いわさ