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自覚

うちは私と夫、二人の子どもと私の両親の6人の二世帯同居である。
私の両親のケンカがしんどい。

父は団塊の世代で、THE 亭主関白で定年まで過ごしてきた。父の態度に何度も母はキレたり、時には家出したりもしていたが、父が70を過ぎた今でも一緒にいる。

つい先日、玄関前にある花壇や植木鉢を巡って、老夫婦の攻防が繰り広げられた。
父が育てた牡丹が枯れ始め、花びらが落ちてきているので、母がそれを掃除していたらしい。
父は木の枝が別の植木鉢に入っていたことを、言い始めた。
『誰や、植木鉢に木の枝やらゴミ入れた奴は。』
母は
『知らない。私は落ちた花びらを掃除しただけ。』
そういうと父は
『わしも知らん。わしじゃないのに、(お前は)わしや言うて来て』
『私そんな事言ってない』
『言うたやないか!』
この時は孫二人と私もいたので、口を揃えて
『だーれもそんなこと言ってないよ』
となった。


またまた別の時。
家の外で父が母に向かって
『ハサミ持って来てくれ!』
と言ったらしい。
母は父が声をかけて来たところにハサミを持っていくと、そこに父の姿がない。
『お父さん、どこ?』
と母が声を出すと
『裏や!わしのおるところに持って来んかい!』と怒鳴られたらしい。

父は自分が家にいる時に母が外出すると機嫌が悪くなる。
自分が外出する時は
『昼の予定なんか分かるか!』
と言って、帰ってくる事もあれば帰って来ない事もある。母はそれに合わせて食事の支度をしている。

母が私のところに愚痴をこぼしに来る。そりゃあ愚痴をこぼしたくもなるだろう。
父の態度に我慢できなくなると、母は部屋に閉じこもり、ひどい時は鬱状態になる事があった。
そんな事を何回も繰り返している。
私自身、両親のケンカで痛い目に遭っているので、母との距離感は敏感になる。


以前は母の役に立とうとして両親の問題を解決しようとしたり、父と母の仲をとりもとうとしたりした。

うまくいくはずがない。

結局母と私の関係もこじれ、私も心労から心療内科にかかると『共依存の親子』とそこの医師に滅多切りされた。処方された薬が合わず、起き上がれない状態にまで陥ったことがある。
この心療内科と自分は合わない。
薬をやめて、少しずつ自分を取り戻した。
自力で回復できた私は自分で思うほど、傷付いてはなかったのかもしれない。


モラハラ。


今まで浮かばなかった言葉が急に頭に浮かんだ。

すべてにおいて態度が悪いわけではないが、母をモノのように扱う父をみていると、根底にあるのは『モラハラ』だと思う。

『妻は自分の手足』
とでも思っているのか。

父の母への態度を私はそばで見ていたわりに、父に対して私がものすごく不快になった事はなかった。それよりも父の文句をずっと言っている母に困っていた。

両親の不和は、きっと無くなる事はないだろう。

今更ながら父のモラハラを痛烈に感じて、私の中に父に似た気質があることを自覚した。
自分に自信がなく、人の粗ばかりが気になっていたネガティブ思考の頃だ。
まだその根っこは消えたわけではない。

noteを書くことで、この自覚が鮮明になる。

自分の欠点に目を向けると、どうしようもない思いに駆られながら、それでも止められないでいたこともあった。




最後はいつも『感謝』しかない。
『感謝』が私を救ってくれる。


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