
スローライフを実現するために、大切な4つのこと
「もっとゆっくり生きたい」
看護師として働いていた頃、一分一秒を争う環境で走り回り、時間に追われて生きていたわたしは、切実に考えていた。どうすれば、もっとゆっくり生きられるのか。
仕事だけで一日のエネルギーを使い果たし、家に帰っても寝るだけの日々。もう少し、自分の時間を大切にしながら心穏やかに暮らすことができたら。
でも、どうしたら「スローライフ」を実現できるんだろう。

そんなことをずっと考え続けていたら、少しずつ、スローライフに舵を切れるようになってきた。同時に、「スローライフとはなにか」、様々な視点で考えるようにもなった。
スローライフとはどんな暮らしなのか、どうやって実現させてきたのか、スローライフについてのわたしなりの考えをまとめてみようと思う。
スローライフとは、なにか

「スローライフ」とは、なにか。
「スローライフ」と聞くと、自然に囲まれた田舎でのんびとした暮らしや、時間に追われない丁寧な暮らしなどのイメージがあるかもしれない。
辞書的に見てみると、スローライフは「効率やスピードを重視するのではなく、のんびり過ごしながら、人生を楽しみ、生活の質を高めようとすること」と書いてある。
でも、効率やスピード重視の現代社会で、このようなスローライフを送ることは現実的ではないようにも思う。
わたしたちは、急いでいる。いや、急がされている。
情報と物にあふれた世界で、余裕のない毎日に追われている。速いことは良いこと、遅いことは悪いこととみなされ、無駄なく効率よく、スピードアップすることをいつも求められているような気がする。
この時代に、「スローライフ」なんて実現できるんだろうか。
スローライフとは、「時間の舵を取ること」

わたしは看護師を辞めて、たっぷりできた時間でスローライフについて考えた。
そのうち、常にスローでいることよりも、「時間の速さを意識すること」が大事なんじゃないかと思うようになった。
速さがくれる豊かさも、遅さがくれる豊かさも、それぞれの良さが確かにある。
今、わたしの考えるスローライフの定義は、「時間の舵を取ること」。社会の速さに流されるのではなく、自分の意志で舵を取ることが大切だと思っている。
場所は必ずしも田舎でなくてもいいし、丁寧で綺麗な暮らしでなくてもいい。ただゆっくり暮らすだけでなく、速いときがあってもいい。
時間の速さを意識して、スローダウン(減速)できるかどうかが大事なんじゃないかな。
常にゆっくり生きることが難しい世界で、できる限り自分の心地いいペースで暮らすために、自分で舵を取ることをわたしは「スローライフ」と考えている。
スローライフを始めるための4つのステップ

「スローライフ」を送るためには、最初のステップとして、次の4つを意識することが必要だと思う。
1.自分が心地いい速さを知る
2.速さを点検する
3.スローダウン(減速)する
4.何のために急いでいるのか確認する
1|自分が心地いい速さを知る

スローライフを送りたいと思ったら、まずは、自分が心地いい速さを知ること。今生きている速度は、自分にとってちょうどいい速さだろうか?
速く生きるほうが楽しい人もいれば、ゆっくり生きるのが合っている人もいる。自分にはどのくらいの速さが合っているだろう。
考えるときに大切なのは、心の状態もふくめること。忙しくても心が穏やかなら、それは自分にとっての心地いい速度なのかもしれない。
「自分はどんなスローライフを送りたいのか」、心の声に正直になって考えてみてほしい。
2|速さを点検する

スローライフを送るには、時々速さを点検することも必要だと思う。自分にとって心地いい速さを1としたら、今は何倍速で生きているだろう?
自分の中にものさしを用意して、考えてみる。体と心の状態で違うこともあるから、分けて考えてみてもいい。
速さを点検して、頑張りすぎているなと思ったら、「スローダウン(減速)」できるように自分で舵を取ることが大切になる。
「今、何倍速で生きている?」と時々自分に問いかけることが、心地いい速さを取り戻すために必要なのだと思う。
3|スローダウン(減速)する

速さの現在地と心地いい速さが見えてきたら、次はスローダウンして、心地いいペースに近づけていく。
スローダウンする方法は、短時間でできるものからじっくり時間をかける方法まで、いろいろある。例えば簡単にできる方法なら、ひとつのことに集中すること。
料理や編み物、読書など、余計なことを考えずに没頭できることに取り組む。大事なのは、短い時間であれもこれもやろうとしたり、同時にふたつのことをやろうとしたりするのではなく、ひとつのことに絞ること。
没頭できることがなければ、気になるテーマをひとつ決めて、紙とペンを持って、それについてじっくり考えてみるのもいいかもしれない。
ひとつのことに集中していると、まるで雪がしんしんと降る中、雪だるまづくりに夢中になっているときのような静けさが、心のなかに訪れる。
心を静めて余白をつくることは、スローダウンするために取り入れやすく有効な方法だと思う。他の方法については、ここでは書ききれないので、別の記事で書くことにする。
この速さの点検と減速を繰り返していくうちに、少しずつスローライフに近づいていくのだと思う。
4|何のために急いでいるのか確認する

スローライフは常にゆっくりではなく、速く進むときがあってもいいとわたしは思う。
忙しいときに大切なのは、何のために急いでいるのかを確認すること。頑張りたいことや叶えたいこと、必要なことのためなら、時には急ぐことも必要だと思うから。
ただ、速く進んでいるときは、「ゆっくり」に舵を切るタイミングを見計らうことが大切。ずっと速いままだと疲れてしまうから、少しの時間でもほっとできるように、ちょっとしたご褒美や、ゆっくり過ごす時間を用意しておく。
もし、やりたくないことのために無理をしていたり、我慢して急いでいるのなら、今いる環境を見直した方がいいかもしれない。
大切なことに時間を使える、スローライフという生き方

わたしはこれまで、「スローライフ」を送るために試行錯誤を続けてきた。仕事を変えたり、住む場所を変えたり、行動に移したこともあれば、ただ海を見てぼーっとしたり、休んだり、何もしない時間を過ごしたこともある。
「もっとゆっくり生きたい」と願ったあの頃の自分の声を、今でも大切に持ち続けている。意識して舵を取っていないと、すぐに社会の速さに飲み込まれてしまうから。
「スローライフ」は、自分にとって大切な人やものを自覚して、今目の前にある大切なことにゆったりと時間を使える生き方だと思う。
限りある時間や大切な人を大事にすることは、きっと自分を大事にすることにもつながっている。
大切なことに時間を使える、「スローライフ」という生き方の選択肢。本当は「もっとゆっくり生きたい」と願う人たちに、少しでも参考になりますように。
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