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鶏の唐揚げ

仏教に興味がある。

社会人になってパチンコを覚えた僕が、ビギナーズラックで勝った賞金で買ったのは、手塚治虫の『ブッダ』全巻と、『火の鳥』全巻だった。

なぜそれを買おうと思ったのかはいまだにわからないが、古本屋に行って全巻揃っていたそれを僕は迷わず買っていた。

今年の2月に家族で韓国へ行った際、妻ひかりが精進料理に興味を持ち、韓国の精進料理教室へ通うことになった。

何かの巡り合わせと言えば綺麗な話になるが、仏教はそれほど身近に生活に溶け込んでいるのだと思う。

仏教の本を読んだりしていると、出てくるのは座禅の話である。
座禅をするのは一部の宗派だけなのだが、「お寺=座禅」という法則は切っても切れない関係にあるのはいうまでもないだろう。

その座禅から出てくる言葉が、「マインドフルネス」である。
コロナ禍最盛期にはとても流行った言葉だが、そのマインドフルネスの根幹を担うものが「瞑想」だ。

マジカルバナナみたいな感じだが、人生なんてそんなものだ。
全ては連想ゲームで自分は形成されている。

一昔前の僕だったら、「瞑想なんてちゃんちゃらおかしんぜ!」などと思っていたのだが、一度もやってみないのに否定するのは違うだろう…という思いに至るようになり、YouTubeで「瞑想 方法」と検索をかけてそのひとつをワイヤレスイヤホンで聴きながら、梨の木のほとりに座って瞑想をしてみることにした。

結果、泣いた。

自分の体に対して、自分の心はいかに馬車馬のように働かせていたのかということを思うと、自分の体がかわいそうで泣けてきたのだ。

想像してみてほしい。
梨畑のど真ん中で、梨の木にもたれている40歳の中年男性が、目を瞑って泣いているのだ。
しかも、「自分の体が可哀想」という理由で。
気持ちが悪いだろう。

でも、自身の呼吸に集中し、自分の頭から下の「体」に注目することで、おそらく生まれて初めて、自分の「体」というものに意識が向いたような気がした。

自分の中の臓器たちを、休ませる暇もなく働かせて、自分は「満腹」という快楽を常に感じようとしている。
また、毎晩お酒を飲んで、自分の臓器たちをフル稼働させて自分の脳だけが気持ちよくなっている。

そんなことを考えたら、自分の体がかわいそすぎて泣けてきたのだ。

それから僕は、
①平日の禁酒
②朝ご飯を食べない

このふたつをすることに決めた。
どちらも、僕の中にある臓器を休ませるためである。

痩せたいとか、健康にいたいとか、本当に関係ない。
とにかく、僕の体の臓器たちを休ませてあげたいのだ。

そういうわけで、土日は待ちに待った酒チートデイだ。(この日くらいは叩いてくれ、臓器たちよ。)
息子が前日から「明日の夜はラーメンが食べたい」という願いも叶えつつ、僕が最高に美味しいビールを飲むためのつまみも作るのだ。

僕とひかりと咲多の鶏の唐揚げ

材料
・鶏もも肉  家族が満足する分
・ニンニク  2かけ
・醤油    3回しくらい
・酒     醤油と同じくらい
・水     醤油の半分くらい
・片栗粉   鶏肉が隠れくらい+鶏もも肉をすべてまぶせるくらい
・薄力粉   片栗粉の半分くらい

作り方
①鶏もも肉を食べやすい大きさに切ってすりおろしたニンニク、醤油、酒、j水をよく揉み込んで、30分ほど置いておく。
②①に片栗粉と薄力粉を入れて混ぜ合わせる。
③鍋かフライパンに揚げ油を入れ、②に片栗粉をまぶして入れる。
④全ての鶏もも肉を油に入れたら火をつけて揚げる。
⑤いい色になる直前で取り出して、油の中の片栗粉のカスを取り出してから2度揚げする。
⑥いい色になったら出来上がり。

※少しの水がファインプレーをしてくれる。水を入れることによって、油で揚げたときに水が蒸発してカリカリになるのだ…と、土井善治先生がおっしゃっていたので、入れることにしている。

とにかく、自分に妥協しないことだ。
1週間我慢していた酒を、最大限美味しく飲むために何をすればいいのかを考える。

それは自分勝手だって?

大丈夫だ。
家族はその自分の「美味しい」を理解してくれる。

だって、それが家族なのだ。


妻ひかりが漬けているキムチと料理教室はこちら↓


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