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ふつうの会社員でも、FIREを目指したいです!【インデックス投資とモンテカルロ法】
はじめに
わたしは、今年大学院を卒業して化学メーカーに就職しました。開発職は開発テーマを進めるだけでなく、特許作成、顧客や営業への技術フォローも必要で、仕事力が足らないのもありますが、業務量的にパンパンです。正直、給料も低くなく、やりがいもあるけど、ストレスも結構あるんですよね。
たまに思うんです。「例えば20年たって、さらに忙しい管理職になったとして、本当に幸せなのか?」と。妻とのコミュニケーションが不足したり、子供が少しずつ成長していく様子をちゃんと見れなかったり。。
怠惰なやつ、と思われるかもしれないけど、誰しも少しは思うことだったりすると思うんです。卒業時は、バリバリ仕事をして、自分を成長を感じたいという気持ちもありました。でも今はそれ以上に、「会社で働くことにとらわれず、プライベートの時間を増やしたい」って気持ちが強いんです。
そんな夢物語を実現できそうな目標、と捉えなおさせてくれたのが、上野ナツさん著の『FIREを目指す会社員がインデックス投資で億り人になるために必要な時間とお金の話: 10年後の億り人を目指す著者の新NISA運用戦略』です。Kindle unlimitedに入っている人は無料で読めます。
本書では、「普通の社会人がどうやってFIRE(経済的自立と早期リタイア)に近づけるか」というテーマで、具体的な戦略が書かれています。中でも「モンテカルロ法」という分析手法を使った投資戦略の計画にすごく感銘を受けたので、今回はその話を中心に感想をお伝えします。
モンテカルロ法で未来をシミュレーション
モンテカルロ法とは、「想定されるリターン・リスク値に基づき、乱数を使ったシミュレーション(概算)を繰り返し、将来の資産がどうなるかを予測する方法」です。
簡単に手順を示します。
1. 初期条件を設定する
これには、初期投資額と、毎年の追加投資額、投資期間(例:10年、20年)、想定する年率リターン(平均)、ボラティリティ(価格変動率)などです。
2. 乱数を生成する
過去のリターンデータや市場の動向を基に、ランダムにリターン値を生成します。これを1,000回、10,000回といった形でシナリオを生成します。各シナリオで、投資期間中の資産価値の変動を計算します。
3. 結果を統計的に分析する
最終資産価値の中央値(50%の確率で到達する値)や分布(最悪と最良の結果)を出します。元本割れする確率や、一定以上の資産を得られる確率も計算可能です。
たとえば、年5%のリターンが期待できるインデックス投資があるとしても、市場は常に変動します。リーマンショックみたいな暴落もあれば、予想外の急成長もある。このモンテカルロ法では、そうした不確実性を考慮して、何千回もシミュレーションを回します。
わたしがこれまでやってきたシンプルな「積立額×利回り」の計算、つまり初期投資額をいくらいれたとき、年率リターン5%で運用すると資産額は10年でいくらになりますよ、みたいな計算よりも、ずっと現実的な感じがしました。いっぽう、モンテカルロ法では、「どのくらいの確率で資産が目標に届くのか」「元本割れする可能性はどれくらいか」といったことが分かります。最悪のシナリオの程度と起こる確率を理解する、いわばストレステストもシミュレーションに含まれています。非常に安心できました。
わたしは本を読むまで知らなかったのですが、大手のアセットマネジメント会社のHP等でできるようです。
三菱UFJアセットマネジメント:https://www.am.mufg.jp/tool/simulation_ikkatsu.html
さらにこの本では、全世界株式(オルカン)、S&P500、NASDAQ、FANG+(米国を中心とした大手ハイテク企業10社) といった主要なインデックスファンドを例に挙げて、それぞれのリスクとリターンを比較していました。
S&P500でFIREは非現実→入金力の確保が最優先
FIREを達成するための必要資産額は、支出額によって変わりますが、本書では10年で1億円を達成するには月いくら入金する必要があるかについて、上記4ファンドでシミュレーションしています。
詳しくは本書を読んでみてほしいのですが、わたしが積み立てているS&P500では月の積立額が60万円くらい必要。これ、普通の社会人にはちょっと現実離れしてますよね。わたしの場合、現在、積立NISAで約300万円、貯金は100万円。25万程度の月収入では、上記の投資は不可能です。うすうす気づいていましたが、社会人一年目から支出を削ってコツコツ投資してどうにかなる入金額ではないわけです。
他のリスクが多いかわりにリターンがS&P500を大きく上回るファンド(FANG+など)も検討の余地があるかもしれません。現在25歳なのである程度のリスクを許容できるのかも。。?など考えていますが結論は出ていません。
確実なのは、入金力でカバーすることです。この差を埋める副業について、現在取り組み中です。今後、過程について共有できたらと思っています。