水の中をめぐる旅【8】 春の石垣島 2023年4月
昨年末以来の、春の石垣。
このところ、ゴールデンウィークは3年続けて石垣へ来ています。コロナの影響で、それまで毎年のように通っていた海外のポイントへ気軽に行けなくなったのが一番の理由ですが、石垣島が次第に帰省先のようになってきて、折り目折り目には行かないと、なんだか収まりが悪くて落ち着かないのです。
ただ、八重山は、GWには梅雨入りしてしまうことも珍しくありません。現に昨年がそうでした。
「一年で一番天気が悪く、旅行代金は一番高い時期なんで、来てくれる人に何だか悪くて…」と、馴染みのDSの方が話していました。
そこで、今年はGW本番より若干早めに、仕事を調整して27日(木)午後出発の3.5日間。ダイビングは2日6ダイブを計画しました。
◆ 石垣への道と、初日の夜…
さて、11時半に職場を辞して、思ったより乗り継ぎも順調に伊丹空港へ到着。
少し時間ができたので、レストランに入りワイングラスを優雅に傾けた途端、仕事のメールがじゃんじゃんと、それも来週まで無視なんてできないようなお歴々からばかり、次々と飛び込んできました。まあ、私が振替休暇を取ってるなんて皆さまご存知ないので文句の言いようもありませんが、明るいうちから気持ちよく酩酊しつつ那覇へ、なんて目論見は吹っ飛び、運良くアップグレードできたプレミアムクラスの座席で、メールのやり取りに追われる羽目になったのでした。
16時過ぎに那覇空港に到着。乗継便の時は、ここのラウンジで泡盛をチビチビやって沖縄モードに切り替えていくのが楽しみなんだけど、今日はコーヒー飲みながら残務の片付け。
平日に休みを取ると、こんなふうに仕事のメールに追われるのは、まあ私に限らず常ではあります。ただ、いつもの石垣島行きでは、この時間にはもう宿に到着して、面倒なことはさっさと処理し、翌日からのダイビングの準備も整えている頃。そして17時を回ったら馴染みの店のカウンターの隅に身を沈め、オリオンか石垣島地ビールをグッと空けて、完全に休みモードに切り替えるのです。
那覇から石垣へのフライトは若干遅れましたが、今回は仕事場から直行のためダイビング器材等を先に送ってあったので、荷物受け取りの手間が省け、18時半のバスにギリギリ間に合い、19時過ぎに石垣市内入り。
いつもは、終点のバスターミナルから、キャスターバッグをゴロゴロ転がしながらもう馴染になった街をのんびりと、ああ、帰って来たなあ、短い休暇の始まりだなあ、と束の間の開放感に浸りながら、常宿へと歩いてゆくのだけれど、今回は先着している友人を待たせているので、さっさと「石垣島ホテルククル」へチェックインして、ワイシャツとスラックスからTシャツ短パンに急いで着替え、美崎町へと繰り出しました。
12年来の不良中年仲間であるR氏と合流し、繁華街の外れにある小ぢんまりした居酒屋へ。混雑していることが多い店なのですが、連休前の木曜日という中途半端な日のためか空いており、すんなり入れました。
R氏と会うのは昨年12月以来なので、積もる話に花が咲き、気づけば泡盛のボトルが一本カラになり、時刻は23時。ダイビング前日としてはありうべからざる呑み会のせいで、その夜は変な時間にトイレで目が覚め、仕事に追われる悪夢にうなされ、前日の疲れが抜けきれぬまま朝を迎えました。聞けばR氏も同じだったとか。
ダイビング初日。石垣島は朝からどんよりした天気。顔を合わせた不良中年2名も、前夜の行状が祟り、どんよりした表情。
□ ダイビング初日
◆1本目 大崎ハナゴイリーフ
平均水深 7.3m 最大水深 14.0m
潜水時間 53分 透明度 15m
水温 24℃ スーツ 5mmツーピース+フードベスト
チェックダイブ。もう何度も潜っている馴染みのポイントです。
ここは、冬になるとコブシメが産卵のため深場から上がって来ます。4月の石垣島ダイビングでは、コブシメ観察が楽しみの一つ。前年も、4匹ほどが卵を守っており、その妖艶ともいえる姿を堪能できました。
しかし今年は、潜降したポイントに小さな個体が1匹いたのみでした。
アカククリの群れが棲みついているオーバーハングした根にも、今日は魚影なし。
ポイント名になっている根も、ハナゴイが華やかに舞う姿は、心なしか普段より少ないように思われました。まだ4月のせいもあるのでしょうか。
昨年末にここで潜った時も、ガレて荒れてしまった印象を強く受けました。海水温上昇の影響を、強く受けているのでしょうか。
それでも、アオウミガメは健在。
今日、2匹見たうちの1匹はかなりの大物。首筋をイシガキカエルウオが這い回って、甲羅をせっせとクリーニングしていました。
フエフキダイがムチカラマツにびっちりと卵を産みつけ、守っている姿も。
そのほか、ネッタイミノカサゴ、イラブー、クマノミ、ハナクマノミなどが観察できました。
水に浸かって目が覚め、さらに浮上して間もなく雲が切れて、南国の太陽が強烈に降り注ぐようになり、不良中年たちのテンションも上がり始めます。
◆ 2本目 屋良部コーナー
平均水深 14.6m 最大水深 23.4m
潜水時間 42分 透明度 15m
水温 24℃ スーツ 5mmツーピース+フードベスト
ここは、昨年末に初めて潜りましたが、魚影が全然なく、中層を徘徊して終わったところ。なので過度の期待は持たずにエントリー。
今日は沖合へ向かっていくと、巨大なイソマグロが編隊を組んで、目の前を横切ってゆきました。
さらに、ガイドの指差す先には、マダラトビエイが3~4匹、群れをなして滑ってきます。
イソマグロもトビエイも、ダイバーに興味があるのか、根の先端を行きつ戻りつ周回してくれました。透明度が今ひとつで、その姿をクリアに捉えるのが難しかったのですが、まさにこのために?履いて来た「バラクーダ」で適宜ダッシュして寄りながら、楽しく遊べた感じのダイブでした。
最後は、ウメイロモドキの美しい群れが私たちを取り囲んでくれました。
ここだけでもそこそこ満足したのだけど、続く3本目は圧巻でした。
◆ 3本目 川平マンタシティ
平均水深 6.2m 最大水深 10.6m
潜水時間 42分 透明度 15m
水温 24℃ スーツ 5mmツーピース+フードベスト
今年はマンタが絶好調で、特に川平では常にクリーニングステーションでホバリングして待っていてくれる状態であり、ポイントへ行くことさえできればほぼ確実に見られると聞いていました。
4~5月はマンタの子育ての時期なので、沿岸部へはあまりやって来ない、と昔聞いたことがありますが、今年は一体どうしたんでしょうね、とガイド陣も首を傾げています。
クリーニングの腕が良いホンワケソメベラがいついて、それがマンタ界で有名になっているのでしょうか。
ともあれ、個人的には、これまでも4月の石垣ではマンタ遭遇率は決して高くないことを踏まえ、今回もコブシメが見れればいいかな、というくらいに考えて来ました。しかし、同行の友人R氏は5年ぶりの石垣島、しかもマクロや地形には見向きもしない、とにかく大物や魚群が大好きなダイバーであります。もやの彼方にイソマグロが見えたくらいじゃ全く満足してない様子がありありと窺えます。
エントリーして、クリーニングステーションの方へ泳いでいくと、さっそく一枚のマンタが私たちの脇を通り過ぎていきました。
前方では、先に潜降したグループが既に根に張り付いて、前方を凝視中。そのチームのガイドがハンドシグナルで「6」を示していました。
私たちが根に着く頃には、私たちを追い越して行ったマンタも合流して、7枚が入り乱れての乱舞。
石垣島はもう20回近く来ているけれど、さすがにこんなのは初めて。
その場を立ち去りがたい30分でした。浅いポイントなのでエアもまだまだ残っています。しかし、川平ではいっ時に停泊できるダイビングボートは5隻まで、という自主ルールがあるそうで、後から来るショップのためにも長居はできないのです。
本日曇りの天気予報は良い方に外れ、帰港する頃には肌は真っ赤になっていました。満足感の高い初日でした。
◆ 4本目 陸ダイブ 🍺🍾🍣
15時過ぎにホテルへ戻り、シャワー浴びて、宿泊者は無料で呑める生ビールを片手に屋上テラスへ。
今日の写真や動画をタブレットに読み込み、あと今日も平日ですので仕事のメール処理。そのうちに心地よい疲労感に包まれ、デッキチェアの上で熟睡していました。
17時過ぎにR氏と合流して、いつも顔を出すビレッジのお店へ。
まずは、地ビール。その後は地場の泡盛を何杯飲んだことか…
普段は腹一杯呑んで食って、高くても5,000円程度のリーズナブルな店で、気がつけば1人7,000円も使っておりました…
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ここまでお読み頂き、ありがとうございました。二日目もまたマンタポイントへ…首尾やいかに?よろしければ続きもお読み頂ければ幸いです。
私は、2020年に勤務先を早期退職した後、関東から京都へ地方移住(?)しました。noteでは主に旅の記録を綴っており、ロードバイクで北海道一周した記録や、もう一つの趣味であるスキューバダイビング旅行の記録、また海外旅行のことなども書いていきます。宜しければ↓こちらもご笑覧下さい。