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台北の味を再び!3年ぶりの訪問で楽しんだB級グルメと夜市の旅④
3年ぶり、3泊3日の台北旅。到着の夜はマッサージと牛肉麺。翌日は迪化街、九份、饒河街観光夜市。そして本日は、豆漿の朝ごはん、ファーマーズマーケット、華山1914文化創意産業園区、雙月食品の薬膳スープ… 到着日以来の食べ過ぎで、体動かさないと本当にヤバイ、と危機感に煽られ、午後は猫空へ山歩きにやってまいりました。
◆ 猫空を歩く
さて、初めてやって来た猫空。
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穏やかな丘陵に一面の茶畑が広がるイメージを持っていたのだけれど、どちらかと言えば、都市近郊にある普通の山。何か植生や地形に特徴があるわけでもない。
そこに眺めの良い茶坊が点在しているのだけれど、どこもかなりの混雑振りである。
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恐らくは、東京における高尾山とか狭山丘陵のような位置付けであって、都心に住む人々が自然の中で一日を過ごしに来るには良いところなのだけど、日本からの旅行でわざわざ来る価値があるか、というと、んー、と思ってしまう。
なので、ここで過ごした午後のことは、あまり書くことがないのだけれど、それはそれとしてせっかく来たのだから、谷を下り尾根を登り、野山に刻まれた「健康歩道」と名付けられた遊歩道をかなり歩いた。
そのうちにもう、元の駅へ戻るのが却って大変になり、指南宮まで歩いて、ゴンドラに乗って降りた。
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◆ リノベエリア〜クラフトビール
市内へ戻ると、時刻はそろそろ16時。
今回は、まだ生活雑貨類を何も買っていない。ということで、午前中に行った華山1914文化創意産業園区と並ぶ注目のリノベエリアだという松山文化創意園区へ。
國父記念館駅から建設中の台北大巨蛋(台北ドームですね)と、複合施設の建設が進むエリアをぐるりと回り込んで、15分ほども歩いたろうか。
ビル群の中に、人工の池と、それを取り巻くような緑地が広がった。その中の小径を辿って歩く。やがて、広いウッドテラスが現れた。
タバコ工場をリノベーションした、カフェやショップが入った施設と、隣接して誠品書店をキーテナントにした大型施設。
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うわーっ、こんなスポットがウチの近所に欲しい。きっと、毎週末通います。カフェで朝ごはん食べて、面白そうな本を探して徘徊し、雑貨を衝動買いして。
まあ、嵯峨野やら嵐山にこんなところ作ったら、たちまち観光客で埋め尽くされるだろうけど。
MIT雑貨を色々見て歩く。目移りはするけれど、どうしても欲しいものもなく、歳を重ねた自分が何だかちょい寂しい気もする。
猫空で散々歩いたので、身体がビールを求めておる。これまでの台湾旅行ではあまり呑まなかったのだけど、出発前に読んだ乃南アサの『美麗島紀行』に新進のブルワリーの話が出ており、興味を惹かれていた。
最近の台湾は、クラフトビールがブームなのだとか。
この近くに入りやすい店がある、とガイドブックに出ていたが、行ってみると閉店していた。
そこで、少し歩いて、微風信義というショッピングモールにあるLandmarkという店へ。モールの一階で、通りに面したキャッシュオンキャリーのスタンディングバー。つまみはなし。雰囲気的には、一杯か二杯グッと空けて次の店へ行く感じ。
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なので、店の女の子にお勧めを二つほど教えてもらい、じゃ。それを順番に飲むから、ということで、まずはフルーティーで華やかな香りのエールを啜りながらガイドブックを広げて、次に行く店を物色していたところ、隣で飲んでいた夫婦の旦那の方が、日本人か?と話しかけて来た。坊主頭に眼鏡の愛嬌がある顔立ち。夫婦でnoodle restaurant を経営しているという。
▼ こちらだそうです。よろしかったら訪ねてみて下さい
… 2杯のつもりがいったい何杯空けて、下手くそな英語で何を語り合ったのか、ほとんど覚えていない。一つだけ確かなことは、酒呑みは国境を超えて共鳴し合うということだ。
気がつけば既に21時近く。
先に帰った彼の奥さんが「あんた、いい加減にしなさい」とバイクで迎えに来て、お開きになった。
◆ 龍山寺〜西門徘徊
何も食べずにひたすらジョッキを重ねたので、かなり酔いが回り、お腹が空いている。気分は「締めのラーメン」ならぬ「締めの麺線」若しくは「牛肉麺」的感じ。
MRTに乗って、龍山寺を目指した。龍山寺は台北最古の寺院ということで、その伽藍自体も好きだが、周辺のエリアが結構ディープな感じで、徘徊するには面白い。ただ、声をかけられてついて行ったりしたらどんな目にあうかわからないので、徘徊するだけ。
改札口を出ると、そこにはいきなりサツドラが出店していた。
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まずは、龍山寺へお参り。
寺院前の広場には、ホームレスが多い。この寒さは身に堪えるだろう。
かつてタイに駐在していた頃、チェンマイで、気温4℃で凍死してしまったホームレスがいたと聞いた。
夜も更けてきたが、まだ参拝者が少なくない。
酔いを醒ましながら、しばし徘徊。
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龍山寺に隣接して、華西街観光夜市という、比較的ローカルな夜市がある。周辺のディープな雰囲気も含め割合と好きな場所で、これが3回目。
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ここで何か食べようか、とも思ったが、隣の駅、西門まで行くことに。
ディープな龍山寺エリアから打って変わり、ここは渋谷かアキバか、という感じの若者の町。
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しこたまビールを飲んだ後で、身体にいいわけないんだけど、巨大なフライドチキン。んまい。
それから、人気の阿宗麺線。これもたまらぬ。
▼ 阿宗麺線
…猫空の起伏を上り下りして消費したカロリーは、既に台無しでしょうな。
長い1日。さすがに疲れた。
3日続けて足裏マッサージ。今日は千里行足体養生会館という、前にも行ったことがある店。
▼ 千里行足体養生会館
◆ 帰路へ…
かつての台北では、足裏マッサージ1時間で1000元=3500円、屋台で素食バイキング食べて350円、同じく屋台のソーセージなら100円くらいの感覚だった。
それが今日では、ざっくり言うと、インフレの影響で10%、為替レートで30%、計40%ほども割高になった。
まあ、マッサージや食べ物は、元々の物価水準が日本よりも大幅に低いので、まだお得感はある。
現地の交通費。これも、MRTに一回乗って、例えば桃園国際空港〜台北駅は25元、約1150円。かつてのイメージより250円以上も高いが、これだって上野や日暮里から2千円以上払って成田空港へ行き来したり、京都から「はるか」で遙か関空まで3千円以上も払うのと比べれば、とてもお得。台北駅で地下通路を延々と歩かされるのだけは勘弁してほしいけど。
痛手なのは、何と言っても航空券とホテル代だ。
航空券は、時間に余裕があるならば、LCCのセールなど使って安く上げることはできる。しかしLCCは往復どちらかがとんでもない時刻になることが多い。私などが限られた時間枠の中でスケジュールを立てようとすると、レガシーキャリアに頼らざるを得ない。
ホテル代。
久しぶりの台北なので、以前から良く利用している南京復興のホテルに泊まった。「Simple +」というその名前の通り、ビジネスホテルにジムやルーフトップラウンジなど若干の設備が付加された感じで、価格に対してお値打ち感があり、今回を含め6回の台北訪問のうち4回はここに泊まっている。
しかし今回はと言うと、一泊約12,500円もかかった計算になる。ビジネスホテルに出す宿泊料ではない。
最終日、台北の空は晴れ渡り、春の訪れを想わせた。降り注ぐ日差しの中を忠孝復興駅へ歩きながら、誰でも気軽に海外へ行ける時代はこのまま終焉を迎え、東アジアや東南アジアへの旅もかつての欧米の大都市並みの贅沢になってしまうのだろうか、などとと想いを巡らせた。
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最後までお読みいただいて、ありがとうございました。3年ぶりの海外旅行、以前よりも懐に響きましたが、こうして振り返ってみればそれは楽しいものでした。次は馴染みのバンコクなどにも足を延ばしたいものです。
私は、2020年に勤務先を早期退職した後、関東から京都へ地方移住(?)しました。noteでは、ロードバイクで北海道一周した記録や、もう一つの趣味であるスキューバダイビング旅行の記録を綴っています。宜しければこちらもご笑覧下さい。