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「考える葦」になるために。アオアシが教えてくれること

「アオアシ」というサッカー漫画に、仕事において大事にしたいことが詰め込まれていたので、自分の羅針盤にしました。おかげで最近は、スポーツ選手のように仕事をしたい、という志を持って働いています。

ページを繰るたびに、ハッとさせられるような学びの連続なのですが、こちらのnoteでは厳選して15個ピックアップしてご紹介します。

※アオアシの内容紹介については省きます。「アル」というマンガ紹介サイトに紹介文がありますので、こちらをぜひご覧ください!(コマ投稿機能を使わせていただきました)


考えることを諦めない

「あんなふうには、なれない」「一度うまくいかなかったことだ」――。
自信家の主人公アシトにも、そんなふうに現実に打ちのめされることがあるのですが、そんなときには必ず、「だからどうする?」と問われます。

現実をいったん受け止めたうえで、
今、必要なことは何か。自分は何をすべきか。
考えることを諦めない。勝つことを諦めない。

これはアシトが所属する「東京シティ・エスペリオンFC」クラブユースの強さでもあります。

エスペリオンでは、サッカーするにおいても、徹底的に言語化する習慣があるんです。エスペリオンを率いる福田監督が言語化の鬼だからですね。

福田監督の妹である花がこう代弁していました。

練習でも試合でもサッカーしてない時でもとにかく考えて、考えて考えて考えてーー。するとな、「いろんなことが、いずれ考えなくてもできるようになる。そうしたら、ようやくそれが自分のものになる」って。

小林有吾「アオアシ」(小学館)

ユースチームのトップ選手は、言語化の繰り返しの末に、考えなくても直感的に動けるレベルに至っており、さらにプロの選手はこれまでの膨大な思考と実戦の蓄積から成るプレーをします。

おそらく一番多く描かれている問いかけも「だからどうする?」だし、アオアシから学ぶ大事なことをどれか一つピックアップしろとなったら、これです。

私が好きな「だからどうする?」シーンは、ファンタジスタ・栗林選手の圧倒的なプレーをみたあとの「だからどうする?」です(13巻)。自分が未熟だとしても、それでも考える。

相手の立場になって想像する

考えるときのひとつの方法として、相手の立場になって考えてみる、想像してみる、そこから自分の動きを考えることをアシトは学びます。

サッカーも仕事も、ひとりでは成し得ないことばかり。特に相手(競合)が強かったり、大きな仕事だったりするとなおさらそうです。

だから、チームメイトが自分に何をしてほしいか、あるいは敵チームはどのような動きをされると嫌なのか、想像力を持って考えます。

自分があの人だったら、あの人は自分に何をしてほしいか?

そう考えられるようになってはじめて、パスをまわせるようになり、トップチームとの試合でも役割を果たせるようになりました。

ちなみに、私の少林寺拳法の先生は、(無理やり引っ張ったりするんじゃなくて)「相手がそうしたくなるように、自分が動くんです」とよく仰っています。まさに。何事もそうなんですけど、実際には思う通りに動けなかったりするので、凡人は修練の積み重ねが必要・・・。マーケティングも然り。

目的・意味を理解して、反復

エスペリオンに入ってから、アシトに最初に課された課題は「ボールを止める」ことでした。サッカーの基本であり、その基本がどれだけうまくできるのかで選手の技の巧みさもわかるようです(サッカーのことは詳しくないです、すみません)。

そして「ボールを止める」という行為を成り立たせるためには、「何のために止めるのか」を考える必要があるとアドバイスをもらいます。

何のためにそのプレーをするのか、それを考え、理解したらあとは何度も何度も何度も繰り返し練習する。そうやってうまくなっていきます。

スポーツにかぎらずですが、基本の動きを深く理解して徹底できるかが、いろんな技の精度に繋がっていくので、基本の練度を高めることも大事。

成功と失敗の違いを言語化する

今なぜ失敗したのか、さっきはなぜ成功したのか、その違いを言語化することで、自分が何をすべきかのヒントが得られる。

どこまでが一緒で、何が違ったのか?

福田監督の右腕であり、エスペリオンのコーチである望さんはアシトに問いかけて「周りをうまく使えたときにパスカットがうまくいく」ということに気づかせてくれます。

違いが生まれる理由を問い続ける。 成功・失敗にかぎらず、違いが見えたときに、どういう条件のときにそうなるのか考えてみる。

つい先日も、これを考えられていなかったなあと反省することがありました。がんばれ、自分。

自分で答えを見つける

大事なのは自分で答えを見つけること。そう言って、福田監督は答えを教えてくれません。そうやって選手を信じきれるのが福田監督のすごいところです。

(この文脈だと、ティーチングとコーチングとは、みたいな話も出てきます。 添付画像のアシトが自分の勝ち筋を見つけたときの瞬間が鳥肌です。)

正確に見る

あたり前にできていると思われがちだけど、じつは全然できていないこと。それが「正確に」見ること。

福田監督は、アシトのチームメイトである富樫選手に対して、「街を歩いているとき、赤い看板はいくつあったか?」と質問し、視野を広くしたいのであれば日常から正確に見る訓練をしなさいとアドバイスします。

自分に都合のいい解釈をするのではなく、「肝心なのは、見たものを正しく覚え、判断することだ」と。思い込み、願望で動いてしまう・・というのは無意識のうちについついやってしまいがちなことです。

「ここでロングボールは打たないだろう」「ここで味方は待っててくれるだろう」そういった思い込みで簡単にボールロストしてやしないか?

小林有吾「アオアシ」(小学館)

福田監督の言葉、耳が痛いです。

周りを見る、選択肢を広げる

エスペリオンのエース栗林選手は、プレー中に「あること」を人よりもしていて、それをアシトも真似るようになります。

それは選択肢を広げることにつながり、それによってよりゴールに近い道筋を「選ぶ」ことができるようになります。

周りを見ることも、引き出しを増やしていくこともやっていかねば、です。

目標は高く、常に上を目指す

これはアシトが栗林選手から学んだこと。栗林選手は、プロになったその先を見ているし、誰よりも高い志を持っています。

そんなふうに上を目指していれば、日々の一喜一憂や、小さなことは気にならない、はず。

・・・実際にはそんなことはないのですが、栗林選手や義経主将を見ていると、それくらい大きな器にならないと、という気持ちにはなれます。

(私は義経主将のキャラクターが好きです。)

勝っても負けても自分の責任

アシトも、いちばん他人に厳しい阿久津選手もそう言います。勝っても負けても、チームの結果は自分の責任。だから、働きかけるし、変えたほうがいいと思うことがあるならば変えるために動かないといけない。

フィールドにおいて大事なことは、試合に勝つこと。

そうした中で、自分のプライドで声を掛け合わない。 チームに指示を出さない。 フィードバックをしない。そんなときは、アシトも、滅多に怒らない福田監督も怒っています。

「今の意思決定、行動は、チームの勝利(チームの成果の最大化)につながるものだっけ?」と自問していかねば。

悩んでサッカーをするな

これは福田監督がアシトにかける言葉です。

悩みや迷いは、自分の仕事にあらわれる。悩むんじゃなくて、考える。考えられないときは、考え方がわからないとき。書き出す、人に相談する。

あとは成果に向き合う、嫌なことに向き合う、弱さに向き合う。アシトもアシトのチームメイトも、阿久津選手もそうやって乗り越えてます。

相手との壁を、自分でつくらない

一緒に仕事をしたいと思うなら、相手との壁を自分でつくらない。質問する。自分の意見もぶつける。分からなくても、まずはやってみる。

プロチームの練習に参加するチャンスを得たときに、アシトがやったことです。大事・・・。

「違う」と言うなら、やってみたうえで「違う」と言う

これはアシトのロールモデルになるプロサッカー選手・司馬さんがやってきたことです。

それから福田監督のかっこよさが滲み出るのが画像のシーンで、業界に根付いている慣習を変えるために、自分がやってみて、それは間違っていると言うんだ、と宣言します。

食わず嫌い、批評家にならない。

未来を読む力

フィールド全員の矢印を見る。 相手の力の向きを矢印で可視化する。 試合の流れ、選手の流れ、全員の意思の流れを見る。 それが未来を読む力になる

小林有吾「アオアシ」(小学館)

これは、アシトが覚醒したときにできるようになったことです。

まだ自分の中に落とし込めてないですが、仕事においても同じような気がします。マーケットの進む方向性を見る、企業やお客様の志向するその先を考えるなどなど。どうやって自分の仕事で活かせるのかは宿題です。

私がやっている少林寺拳法やテニスにおいては、「フィールド全員の矢印を見る」よりもはるかに前段階ですが、相対する相手の矢印を早め早めに察知して動くことが目下の課題です。動き出しが遅いから、慌ててしまうし、対処ができないんだと、どちらの先生からも言われます(汗)これも分かっていても実行は難しい、回数を重ねないと。

状況を楽しむ

どんな状況でも活かす、楽しむ。どんな状況もチャンスに変える。そういう工夫を考える。福田監督の強さ。(画像は若い頃の福田監督です。)

30巻でアシトが「今日という一日を…何に費やすかって、選択の連続やった」と言うシーンがあるのですが、何かを始めるも、続けるも、辞めるも、自分で選んでいるのなら、楽しめるようにしていきたいものです。

いざというときは逃げる

選択の連続のなかで、ほんとにやばいときには逃げることも必要。

アオアシでは怪我をすることが選手生命を断つことになるとずっと描かれていて、怪我をしないようにすることもまた選手として大事なことだと分かります。

たかが、サッカー。たかが、仕事。
されど、サッカー。されど、仕事。

うまく使い分ける。



これでも厳選しており、ほんとうはもっともっと学びがあります。でも長すぎてもあれなので、15個に絞りました。

頭で分かっていることと実践することは雲泥の差なので、日々精進。

考えてみると、すべてのシーンが自分ごとになるのは、自分にも同じように気づかせてくれた言葉があったからだと思います。

「大事なことはすべてアオアシが教えてくれる」と言っても過言ではないのですが、周りの人がいつも教えてくれることの復習でもあります、感謝です🙏

というわけで、ぜひ読んでみてください⚽
既読の方は、お気に入りのシーンをぜひ教えてください。

私のイチオシの試合を一つ挙げるなら、青森星蘭高校戦です(特に26巻、27巻)。
カフェでひとり号泣しながら読みました。何度読んでも心が震えます。


※ほんとは自分でピックアップした、これぞというコマをたくさん貼り付けたい気持ちなのですが、ネタバレ&著作権の問題を考慮してアルに登録されているコマから抜粋しました。便利!
※サムネイル画像はアオアシ13巻から。

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