海外在住HSPの私が手放したことで楽になった7つのこと
自分が繊細気質であると気がついたのは、HSPという言葉を知ったつい最近のこと。
気になって自己診断のようなものを何回か行なってみたところ、何度やってもHSS型HSP。
どうやら私は、外交的で冒険したがりなのに傷つきやすく疲れやすいという矛盾をかかえた、とても面倒くさいタイプのようです。
人がどう思っているのかすぐ気にして、ちょっとしたことで傷つきやすく折れやすいガラスのハートの持ち主だという自覚はあります。
今回はそんな気にしすぎる私が海外生活で手放して楽になったと思うことをご紹介。
日本でも海外でもがんばりすぎてしんどくなってしまうみなさん、気にしなくてもいいこと、やらなくてもいいことって結構あります。
1.完璧じゃないといけないという思い込み
海外に住んでいると、完璧じゃなくても世の中きちんと回っていることに気がつきます。
日本に住んでいると何事においても完璧を求められます。
それは子どもの頃から始まっています。
例えば、運動会にしても卒業式にしても、その日に向けて1ヶ月以上かけて練習をして完璧にしてから本番を迎えます。
そういう風に何に対してもしっかりと準備して滞りなくやらないといけない、そしてそれが美しいとされているのが日本。
一方こちらは「ある程度できていれば合格、以上」という感じ。
お店のサービス、様々なイベント、誰かへのおもてなし、仕事に対する姿勢など、日本人から見たら適当に見えるかもしれません。
でも、こちらの人を見ていると、そこまで完璧じゃなくても誰も困らないなと思えてきます。
2.同調しないといけないという考え
HSPの私は特に人の目やどう思われているのかが気になってしまいます。
ただ、みんなと同じが好きなわけではなく、実はどちらかというと個性的でありたい。
それでも出る杭になるのが怖くて、日本では服装も発言も行動も周りから浮かないように気をつけていた気がします。
海外に出てみると、みんな好きな色の服を着て、好きな髪型をして、自分の思ったことをはっきりと口にすることに気がつきます。
それが当たり前。
ママファッションなんて言葉もないし、おばさんなのにアイドルの追っかけして痛い、みたいな考え方もない。
自分の意見はハッキリ言える方がむしろいい。
基本他人が何を着てようが何を考えてようが無関心。
だから、私もあんまり気にしないことにしました(正確には気にしない努力をしている最中)。
3.これが当たり前という基準
私が住んでいるカナダは、世界中から様々な価値観や習慣を持った人が集まって生活しています。
おいしいと思う基準、美しいと思う基準、悲しいと思う基準、失礼だと思う基準、危険だと思う基準などみんなバラバラです。
つまり、当たり前が存在しない。
例えば、日本では時間厳守はとても重要なことだと考えられていますが、欧米では少しくらいの遅刻は許される雰囲気があります。
海外に住むようになったことで、文化が違うからしょうがないよね、と物事に対する許容範囲が広くなったと思います。
日本に住んでいたとしても、生まれ持った性格、育った環境、経験してきたことによって、本当はみんなそれぞれ基準が違うはず。
4.社会的な期待に応えるプレッシャー
真面目な日本人は、社会的な期待に応えなければいけないと日々プレッシャーを感じながら生活している気がしています。
いい成績を取って、評判のいい学校に入らなければいけない。
いい仕事について社会的地位を確立しなければいけない。
○歳までに結婚して子どもを産まなければならない。
結婚したらいい奥さんでいなければいけない。
子どもができたらいいお母さんでいなければいけない。
とにかく人の目が気になるHSP。
もし日本に住んでいたら、本当はやりたくないけどやらなくちゃいけないっぽいからやる、と言う風にきっと自分の本当の気持ちを押し殺していたと思います。
こちらの人を見ていると、他人がどう思うかではなく、
自分自身が何を望んでいるのか、自分にとって何が最善か
を考えて様々なことを選択している気がします。
5.予測不可能なことに対する過剰な心配
HSPの人は予期せぬ出来事に対して過敏になりがちです。
ところが、海外生活では予期せぬことが日常です。
例えば、突然のストライキでバスや電車がストップしたり、子供の学校が休校になるなんてことがよくあります。
一緒にシフトに入っている子が当日来なくてワンオペになったっていう話はよく聞きますし、修理業者が半日くらい遅刻して現れたとかもあるあるです。
今住んでいるカナダは比較的落ち着いた国ですが、以前住んだことがある東南アジアの国では突然クーデターが始まったことも。
長年海外生活をすることで、流れに身を任せる柔軟性を持つことを学びました。
6.過度な人への気づかい
日本人は他の人とのハーモニーをとても大切にします。
ただ、相手がどう思うかを最優先に考えて行動するから本音を隠しがち。
相手の気持ちを察する能力が特に高いHSPの人にとってはそのことがストレスになることも。
海外では、ストレートなコミュニケーションが一般的で、自分の意見や感じていることを素直に表現することがむしろ歓迎されます。
人に気をつかい過ぎると、足元を見られてしまうケースも。
日本人はどんな時でも笑顔で接し、大変なことも嫌な顔をせず引き受けてしまいがち。
でも、はっきりと口に出して嫌なことは嫌と意思表示しないと誰も察してくれません。そして、やりたくもないことをずっとやり続けることになります。
お店で働いている日本人の友人は、そのことに気がついて無駄にニコニコするのをやめたと言っていました。
人の気持ちを察して気づかってくれる日本人のこまやかさが恋しくなることは正直あります。
でも相手の本音も自分の本音も分からなくなる危うさはあると思います。
どちらがいいかは分かりませんが、気にしすぎる性格の私には海外のシンプルな人付き合いが心地よいと感じます。
7.過去の失敗やネガティブな体験に囚われること
HSPの人は、一般的な人以上に失敗やネガティブな体験が深く心に残り、それがその後の行動に影響を及ぼす傾向にあります。
海外に移住するということは、慣れ親しんだコミュニティ、友人、仕事から離れることになります。
それはとても寂しくつらいことです。
ですが同時に、過去の記憶と結びついた自己イメージやネガティブな体験が周囲によって強調されることがなくなります。
新しい環境に飛び込むことは大きな挑戦ですが、その分過去の自分とは異なる「新しい自分」を演じる自由があります。
つまり、自分自身をリセットするチャンス。
日本に比べて年齢や性別に縛られることが少ないので、日本ではあきらめていた分野の勉強をしてみたり、今まで人の目を気にしてできなかったようなアクティビティをやってみたりということもできるはず。
まとめ
私自身日本生まれ日本育ちなので、手放したと思っても気がついたらまた戻ってきていたということはよくあります。
ただ、必要のないものが分かっているだけでも、気持ち的にだいぶん違います。
私がこれらの思考や習慣を手放せたのは、海外に住んでいるのが大きいのは確かです。
日本に住んでいるとなかなか難しいこともあるかもしれません。
ですが、どこに住んでいようと、他人軸ではなく自分軸で生きること、少々適当でもなんとかなるというマインドを持つ努力はできるはず。
ここまで読んでくださったみなさんが、7つのことを少しずつ手放し、今日からちょっとだけ肩の力を抜いて前向きに生きていけたらいいなと思います。