【88本目】「お金の向こうに人がいる」読後感想
お金の向こうに人がいる
「お金の向こうに人がいる」という本を読みました。今回はこの本の読後感想を記事にします。
お金とは何だ?が分かりました。
この本を読んだ一番の感想は「お金とは何だ?」が分かったことです。
とどのつまり、お金とは「人に働いてもらえる引き換えチケット」であり、その正体は労働力だと、この本を読んで私は思いました。
食べ放題で元を取ることはできない
この本で紹介されている例で、「食べ放題で元を取ることはできない」という話です。
例えば、焼肉食べ放題があったとします。仮に1000円で食べ放題だったとして、1500円食べて自分が得をしたことにします。しかしこれは、500円分の得を、1000円分食べられない誰かに負担を押し付けたに過ぎません。あるいは、500円分を肉を卸している業者に押し付けただけかもしれません。さらには、500円分時給を下げられている従業員さんに負担を押し付けただけかもしれません。
つまり食べ放題で「得した」というのは思い込みで、どこかで誰かに損をさせて、「自分が得した」という話に過ぎない、というわけです。
このエピソードは衝撃でした。確かにこの話では、消費者でいる限り、得をしようとするなら、誰かに負担を押し付けるしかないためです。
後述しますが、働くことが貢献になるということが、この話からもうかがえました。自分も働くことでパイが増やせるからです。
お金の総量は変わらない
上記のように考えると、お金の総量は変わらないことが分かります。
というのも、自分が得した損したというのは、その分誰かが得した損しただけの話になるためです。
その損得の中身は、自分あるいは誰かが労働して得る賃金となります。ですから、働かない限りは、お金の総量は増えません。消費するだけでは、お金の総量は変わらないわけです。生産しなければ総量は増えません。
借金と預金
この本では、借金と預金についても良くわかるように説明してくれています。銀行は、預金としてお金を預かってくれているということになっていますが、実際は、預けたお金は保管されていません。
企業、事業主などに貸付されています。そこで、利子をつけて返してもらうことで、銀行は利益を得ています。企業や事業主は、借りたお金で働いて利益を上げます。
逆にいうと、預金とは銀行が私たちに借金をしていることになります。
この辺を読んだ時に私の頭に浮かんだのは、「簿記系のYouTube動画でも似たような考え方をしていた」ということです。
簿記でも、借方と貸方という項目はありますが、預金という項目が出てきませんでした。別に簿記を学んでいるわけではないので、もし間違っていたらすみません。
ただ、簿記でも預金と借金の話でも、お金は流れる物であって、貯めておいたり預けて置いておくという考え方ではないのだな、ということを感じました。
そして、お金の流れ全体で見ると、借金と預金はプラマイゼロになります。どこかで借金をしていれば、その分のお金は必ず誰かが預けているお金だからです。
年金問題
この「お金の総量は増えない」という原理が分かれば、年金問題を少子化とセットで考えないといけないことが分かります。
今の高齢者は、若い時に子供を支える側でした。今は、高齢者を若い人が少人数で支えている時代になったに過ぎません。
お金の総量は変わりません。ですから、働き手を増やすか、効率を上げるかして労働力の総量を増やすことが解決につながります。
経済をお金中心で考えてしまうと、総量は変わりませんから、どこに分配が偏っている、などに目が行ってしまいます。しかし、問題はそこではなく、労働力の総量が減ってしまうことにあります。
お金の向こうに人がいる
そこで、経済をお金の向こうにいる人中心で考えましょう、というメッセージだと私は受け取りました。
子育てのしやすい社会になるよう、身近な子育て世代を助けたり、介護世代を助けたりすることで、労働力の総量は増えます。なぜならその支援が他ならぬ人のために働いていることになるためです。
イメージとしては、ちょっと子どもの面倒を見るとか、しなくていい仕事を削るとかでしょうか。
まとめ
自分でもかなりひどい読後感想だと、ここまで書いて反省しています。
もっと分かりやすく書ければいいのですが、なかなかその技量がありませんでした。いずれまたこのような本の紹介にチャレンジしたいものです。
ただ、お金の正体は「人に働いてもらう力」だというのは強く読後に感じました。そしてお金の向こうに人がいることも感じました。
資産形成に取り組んでいますが、自分を守れる資産が築けた後、何がしたいのかを考えることができたと思います。
それでは皆様、明日も良い1日をお過ごしください。