【情緒学級×読み聞かせ2】ユニバーサル農園の絵本を読んでみる
情緒学級読み聞かせ初回に鉄板かつ定番なヨシタケシンスケさんの本を選び、2回目の読み聞かせです。
そろそろ本選び考えないとと思っていた頃、たまたま紹介されたのがこの本。
この話は農園での障害者雇用がテーマで、浜松にある京丸園という実在の農園がモデルになっています。
農福連携(農業と福祉の連携。農業分野での障害者雇用など)の優良事例として取り上げられることも多い農園です。
絵本では「ひとをしごとにあわせるのではなく、しごとをひとにあわせればいいんだ」という、ユニバーサル農業のキモが描写されます。
障害者1人1人の特性に合わせて仕事を頼めば、環境を工夫すれば、できることがたくさんある。
それは障害者だけでなく、あらゆる人の働きやすさにつながる。
その取り組みを続けた農園は、100人もの人が働くようになったという結末。
巻末にはモデルとなった京丸園さんの話が(ルビはふってあるけど、おそらく)大人向けに掲載されていて、内容的にも社会を作る大人の側が読むべきだと思いました。
それでも、支援級の子どもにも読み聞かせたのは。
これは実話で、この日本にもこういう考え方の下、こんな取り組みをしている場所があると伝えたいからです。
もし今はぴんとこなくても、目の前の10人のうち1人でも、いつか何かの時に思い出してもらえたらいい。
それで、少しでも生きやすい方向に向かうなら。
子どもたちの感想は、障害者が仕事しやすいように機械を作ったのがすごいとか、最後100人も集まったのすごいとか。
本当、そうだねと頷く。
感想を先生に聞かれた娘は「ゆっくりでもいいんだというところが(心に残った)」と。
あああ、動作遅れがちで(それもあって普通級でしんどくて、支援級に転籍したんだけど)、せっかちな私が日頃急かしてしまってゴメン!!と心の中で謝る。
実は、娘にこの絵本を見せても全く読もうとせず、「この本やだ」と食わず嫌いでした。
(絵柄が娘の大好きな「いかにも女子なかわいさ」と真逆のタッチなのも理由だったかも)
その後「思ったより面白かった。でも、あんま好きじゃない」と言いつつも、寝る前に「この本読んで」とリクエストしてきました。
そうか、この本に励まされたか。
実のところ、私自身が一番刺さったのも、ゆっくりな障害者が実は丁寧に仕事していて、「早ければいいというものではない」と経営者に思わせたところ。
仕事の仕方、娘への接し方を省みると、自分の根幹に刺さりました。
やはり、大人こそ読むべし、と思うのでした。