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マーケティング担当者としてネガティブなクチコミが出たときどうする?
ネガティブなクチコミをなんとかしたい、消したい
そんなお話しをいただいたことが過去に何度かあります。
レビューサイトやTwitterに商品やサービスについてネガティブなクチコミが出ている💦
という状況の時、どんな対応をしていますか?
プラットフォームに問い合わせて、クチコミの削除を図る
一部の意見だから無視する
ポジティブなクチコミを増やして、見つかりづらくする
etc…
様々な対応をしている方がいると思います。
そもそもネガティブなクチコミが出ることは、自社にとってマイナスなことでしょうか?
対応によっては売上をあげるチャンスになります。
本noteではそういった時にどういった対応をすべきか、企業の事例とともにご紹介します。
ネガティブクチコミの影響
直接的な影響
当たり前ですが売上です。
ホットリンクさんがULSSASモデル(下図参照)で提唱している通り、人々はモノを買う時にソーシャルメディアのクチコミを参考にします。
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悪いクチコミが増えれば増えるほど、購入検討層にそのクチコミがリーチし、購入を控える行動が増えるでしょう。
まだ検討していない層にも、あの商品は悪いものだというレッテルが貼られることになります。
結果、売上減少へと繋がります。
間接的な影響
一言でいうと社員の士気です。
実際にクライアントさんでも起こっていた事象ですが、Twitterやレビューサイトなどのソーシャルメディア上のクチコミが悪いことが、社員の士気低下の一因になっていました。
嫌でも目に入ってしまったり、検索してしまいネガティブなクチコミを見て自信や働いている誇りを無くされる方が一定数います。
複数の方がネガティブになってしまうと、それが広がっていき、チームや部の雰囲気が悪くなります。
そういった連鎖が続くことで、提供サービスレベル低下や作業効率低下を招き、結果的に売上減少へとつながります。
ネガティブクチコミへの3つの対応
では、実際にどのような対応をすべきでしょうか? 一つひとつ解説します。
![](https://assets.st-note.com/img/1654183655299-DKujcz8YRO.jpg?width=1200)
不誠実な対症療法は絶対にしてはならない(検索結果のコントロール、削除依頼など)
ネガティブなクチコミが出てしまったから削除依頼をプラットフォームに依頼する、サクラによるレビューで埋もれさせる等、不誠実な対応は絶対にしてはいけません。(嫌がらせなど事実無根なものは除く)
ネガティブなクチコミを書いた方が「削除された」とSNS上に投稿すれば、炎上へと繋がりかねません。
ステマ(ステルスマーケティング)という言葉も広く認知されているように、欺こうとする行為はすぐに気付かれます。
疑惑であっても正式謝罪をするケースも存在します。
真摯に受け止め、誠実に対応する心構えがとても大切です。
根の治療(ネガティブクチコミは改善のチャンス)
大前提として悪いクチコミが出ている出ている時は、原因を突き止めて改善しない限り、悪いクチコミは減りません。
そういった声がでるのは基本的に商品やサービスなどに改善ポイントがあります。
初期不良の記載が多い→商品自体に改善ポイントあり
カスタマーセンターの対応が悪い記載が多い→カスタマーセンターに改善ポイント
自社商品、サービスについての根本的な改善ポイントが見つかる可能性があります。
そう、改善のチャンスです!
まずは複数の同じようなネガティブなクチコミが出ている原因は何か?と分析し、その原因に真剣に向き合ってみることがネガティブなクチコミを減らし、自社商品、サービスがより良くなります。
その結果よりファンを増やすことができ、売上増加へとつなげることができると考えます。
稀に出る言いがかりや、誹謗中傷などの悪質なものはプラットフォームに問い合わせるのが良いですが、継続的に異なる方からそういったクチコミが出るのであれば、その基となる原因が自社にあることを疑ってみることも必要です。
リプライによる対応
ネガティブなクチコミに対して攻撃的なリプライを返しているブランドと、真摯なリプライを返しているブランドどちらが信用できるでしょうか?
間違いなく、後者だと思います。
ネガティブなクチコミを真摯に受け止め、謝罪や改善の姿勢をリプライで返すことで信用の獲得、時にはファンの獲得にもつながることがあります。
わかりやすいのは楽天トラベルのレビュー。
「天然温泉 花風の湯 御宿 野乃 なんば」は総合評価で高い評価を受けています。
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もちろんその中にはネガティブなレビューも存在しますが、真摯な対応をしています。
下記は不満のレビューとそれに対する宿のリプライです。
![](https://assets.st-note.com/img/1654223614718-GWC41OT9kS.png?width=1200)
リプライから改善する姿勢が見て取れたと思います。
このような対応を見たら、宿の予約を躊躇する可能性は低くなるのではないでしょうか。
レビューをした本人からすれば、もう一度泊まっても良いと思うかもしれません。
Google ビジネス プロフィール
「パーソナルトレーニング ジムフィールド 梅田スタジオ」
![](https://assets.st-note.com/img/1654223825465-WwQkXUNoFY.png?width=1200)
レビューをしてくれた方一人一人にリプライをしています。
もちらんネガティブなクチコミに対しても改善する意思をリプライで返しています。
Twitter
「Amazon Help」
![](https://assets.st-note.com/img/1654223951727-lMxbMQFMzP.png)
Twitterでパトロールし、ネガティブクチコミに対して直ぐにリプライをしています。
上記のリプライはクチコミが出てから12分という速さで対応しています。
自社HP
「ソニー損保」
リプライではありませんが、ソニー損保はネガティブレビューも敢えて公表することによる信頼獲得をしています。
池田紀行@トライバルさんの下記noteで紹介されていた内容を引用し、ご紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1654225375269-KNR1PZatmM.png?width=1200)
サイトの下の方を見てください。
お客様の満足・不満足の情報があり、こう記載されています。
ソニー損保では実際の事故対応やロードサービスを経験されたお客様の声を、「ご不満」の声も含めありのまま公開しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1654225468046-E5YjROp8xy.png?width=1200)
90,000件以上の「とても満足」とともに、5,000件の「とても不満」の声が、すべての情報をコントロールすることができるオウンドメディアで掲載されているんです。
ソニー損保の取り組みは、「賢くなった消費者は、オウンドメディアの中で良い情報だけ見せたところで、もうひとつブラウザのタブを立ち上げて、”ソニー損保 評判” や、”自動車保険 ランキング” などで調べてしまう。だったら、自分のサイト内で、すべての情報を嘘偽りなく全開示してしまおう」という取り組みかもしれません。
でも、きっと、もうひとつ、理由があります。
自社にとって都合の悪い情報も、すべて開示してしまった方が、逆に企業やサイトの信頼性が高まり、コンバージョンレートが高くなることが、証明されているのだと思います。
調べれば何でもわかってしまうこの時代に沿った対応だと思います。
リプライではありませんが、学びの大きい事例でした。
現代は商品丸裸時代
ソーシャル化した世界では根本治癒をしない限り解決しません。
本noteで紹介したリプライによる対応も、指摘された点(ネガティブなクチコミの元となっている点)を改善しなければ、口だけのブランドです。消費者もそれに気付きます。
ご紹介した企業に共通しているのは、ユーザーに寄り添って誠実に対応し、改善を行った結果、高い評価を受けています。
ユーザーの不満改善を続けていけば、提供するモノ、サービスが良くなり、売上へもつながっていくでしょう。
根本治癒をする、しないことで中長期的な競争優位に大きな差が開きます。
ぜひ、まずはソーシャルリスニングから取り組んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。