買うなら表紙もきれいな擦れのないものがよかった
書店で久々本を買った 内容の半分は写真のある本でかなり分厚い本 亡くなった歌うたいの本で 書店に寄る度に手に取り数ページ開いては 平積みの上に直すを繰り返し中々買えなかった 二ヶ月ほど経ったからかもう平積みでなく最後の一冊が棚に差し込まれていた この機会逃がせば買う術はあれど 買うことが物理的以外の理由でできないだろうなと思った 買うなら表紙もきれいな擦れのないものを選ぼうとしてたけど選択肢はなかった それまでに購入には至ってないが 平積みされた数冊の中から擦れ具合を選んでる日さえもあった 最後の一冊は黒い表紙に少し擦れた筋が何箇所か入っていた 手にしてしまったらそんなもの関係ないし どうせ擦れや折れなどは増えていくだけだから買う瞬間だけの感情だ そのままカフェに入って 内容が聞き取れないくらい会話が入り混じるような賑やかな中 少しだけ開いてみた まだいろんなことが本の中からこちらに滲み出てきてやはり数ページほどしかめくることができなかった 5円払ってつけてもらった紺色のナイロン袋に なるべく擦れないように丁寧に入れカバンに直した
なんかおおげさか でもその本を所有することさえ自分にとってはおおごとだった 悲しみがいつでも触れられる手元にあるような感じで
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