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東洋医学講座 140

〇肝と角音

角音とは牙音のことで、カ行の「カ・キ・ク・ケ・コ」の音声です。発音する働きは、五系統のうちでは主に腎系・肝系の働きで成り立っています。

腎は声根になっていて、過疲労したり、病気になったりすると、腎が弱って太く大きな声が発せられず、小声で話すか、低くかぼそい声でしか話せないです。

肝は振動性の働きをして、風がすき間を強く抜けるときにヒューと音を出すように、発音をつくっています。

音の成立は腎・肝系の働きが主に関与していますが、その五十音の音種を分けると次のようになります。

肝系が関連している音=角音(牙音)・・・カ・キ・ク・ケ・コ(カ行)

心系が関連している音=徴音(舌音)・・・タ・チ・ツ・テ・ト(タ行)、ダ・ヂ・ヅ・デ・ド(ダ行)、ナ・ニ・ヌ・ネ・ノ(ナ行)、ラ・リ・ル・レ・ロ(ラ行)

脾系が関連している音=宮音(喉音)・・・ア・イ・ウ・エ・オ(ア行)、ヤ・イ・ユ・エ・ヨ(ヤ行)、ワ・ヰ・ウ・ヱ・ヲ(ワ行)

肺系が関連している音=商音(歯音)・・・サ・シ・ス・セ・ソ(サ行)

腎系が関連している音=羽音(唇音)・・・ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ(ハ行)、マ・ミ・ム・メ・モ(マ行)

音種の成立は、以上のように五臓の働きによってつくられます。

肝系の働きは、カ行の音種を生理していて、カ行の牙音の発音が不明瞭だったり、あまりよく発生できない人は、肝系の生理作用が順調に行われていないことを示しています。また、カ行の音が大きく力強い場合は、肝系の生理が盛んであることが分かります。

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