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なぜ、ミスが起きるのか?

薬局として「正しく薬を渡す」は大前提です。
しかし、人はミスをする生き物。
いかにして、起きたミスを届ける前に阻止するかが大事だと思う。
いかにしてミスを阻止するか掘り下げてみる。

ミスはどこで起きてるのか

ミスの発生場所は様々です。
レセコン入力、調剤、監査、服薬指導の一連の流れの中で発生している。
各工程で複数人が関わることで、ミス発生率をゼロに近づけることができる。
リスクマネジメントの分野に「スイスチーズモデル」という考え方である。

スイスチーズの「眼」を問題点に見立て、その大きさや位置が異なるスイスチーズをそれぞれの安全対策に見立て重ねることで「眼」を塞ぎ、リスクを冗長化している。 (Wikipediaより)

人をスイスチーズに置き換えている。
理論上では、チーズの眼が重ならなければ薬を渡す前にミスを止められるはずである。
しかし、眼の最小化と重なりの回避は、簡単な話ではない。
薬局長として、日々苦戦している。


ミスがミスを誘発する

私は、感情的に怒らないと決めている。

過去にひどく怒られたスタッフが、またミスして、怒られる。それが繰り返されていた現場に居合わせたことがある。
明らかに怒られていたスタッフが萎縮していて調剤室の空気も重く、他の人も間違える。悪循環の極みであった。。。
そんな世界は、薬局を利用してくれる人には関係ないし、それで待たされる人の怒りはどこにやれば?

「ミスしたら怒られる」の意識が強くなってしまうと、「怒られないために注意する」になってしまう。
手段と目的がズレてしまっている。
薬局として「薬を安心して飲んでもらうために注意する」が目的だよね。

だからと言って、ミスが許される世界も違う。
私は、ミスの原因を洗い出して再発を防ごうのスタンスをとっている。


エラーは全てシステムエラーを疑う

そもそもうちのメンバーに悪気があって間違える人はいないと、信じている。
薬局長に信頼されないと、スタッフはやりきれないよね。

発生場所の何がよくなかったのか。
薬局としてのシステムなのか、個人のやり方なのか、当事者の考え方なのか。
丁寧に整理して、原因を一つずつ潰していく。←正直言うと、労力も時間もかかるから楽ではないです。。。
これをしないと、ミスが減らない。
発生時の状況の解像度が大事で、精度が低いと的外れな解決策になってしまう。
スタッフが萎縮して働く環境は、誰も幸せにならない。
信頼関係は絶対必要で、普段から指摘し合える関係がいいね。


いい信頼関係がシステム改善の近道

感情的に怒らないと決めてから、スタッフが私が気づけない場所に気づいてくれて、教えてくれるようになった。
完全に副産物です(笑)
副産物が、次起こりうるシステムエラーを未然に防げている。いい循環です。

しかし、このスタンスをよく思わない人もいる。
あの人は怒らないから緩すぎる、閉めるべきところが閉まっていない、と言う声が上がっているとマネージャーから指摘された。

私自身も感じている課題です。
「なんで、それがいいんだよ💢」と言いたい場面が度々ある。
そんなときは不機嫌になります。一部にバレてます(笑)
原因は、善し悪しの判断基準が共有されていないことと捉えている。
私なりの解決策は、「朝礼で私の考えの共有」
望むこと、望まないことを共有して、しつこく良し悪しの基準を浸透させていきます。


まとめ

ミスを減らすためには、スタッフの考え方から変える必要がある。
そのために、地道に発信し続けることが必要です。

全ては薬を安心・安全に飲んでもらうために。

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