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冒険の民主化!「越境学習」という冒険を、すべての人に―Z世代が輝く未来のために―
こんにちは。
国際自然環境アウトドア専門学校(i-nac)の田辺慎一です。
先日、「越境学習」をテーマにお話しさせていただきました。この場をお借りして、改めて講演内容をまとめ、i-nac研修事業部が目指している「学びの冒険」について共有したいと思います。文脈としては、安斎勇樹さんの提唱する「冒険的世界観」と同じ地平にあるお話です。
私たちは今、VUCAと呼ばれる先行き不透明な時代に生きています。変化が激しく、不確実性が高く、答えのない課題に向き合う日々です。そんな時代に、若者たちはどのように成長し、自分らしい未来を切り拓いていけばいいのでしょうか?
その問いへの一つのHow(処方箋)が、「越境学習」という考え方です。
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越境学習とは何か?
越境学習とは、普段の環境や枠組みを超えて新しい場に飛び込み、学びを得るプロセスのことです。この越境には、他者との出会いや文化の違い、未知の課題への挑戦が伴います。そして、それこそが人を成長させる大きな力になるのです。
私たちi-nacでは、Z世代の若者を対象に、越境学習の場を提供しています。例えば、妙高キャンパス敷地内のキャンプ場でキャンプをしたり、みんなで食事を作ったり、たき火を囲んで対話する研修。こうした「小さな冒険」を積み重ねることで、彼らの心に変化が生まれていくのを何度も目の当たりにしてきました。
「失敗したくないZ世代」と向き合う
Z世代には、特徴的な傾向があると言われています。それは、「失敗を極端に恐れる」こと(あくまで一般的な世代論ですが)。情報があふれる環境で育った「ソーシャルでSNSネイティブ」な彼らは、リスクを取ることに慎重です。でも、挑戦を恐れてばかりでは成長の機会を逃してしまいます。そこで私たちは、スモールステップ(ここでは「小さな行動」と「小さな成功体験」)という考え方を大切にしています。
たとえば、自然豊かな妙高キャンパスにやってきて屋外で活動する。それだけでも、都市部に住む大半の学生にとってはストレッチとなる冒険です。そういった「小さな冒険」と「小さな成功体験」を繰り返す中で、「自分でもできるんだ」という自己効力感を少しずつ育んでいきます(いわゆる「進捗の法則」)。
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データが示す越境学習の力
このアプローチがどれほどの成果を上げているのか、いくつか数字でお伝えします。
満足度:91%のZ世代参加者が「期待以上」「満足」 研修を通じて、主体性や自己効力感、人間関係スキルが向上。
挨拶率の向上:研修前の56%⇒研修後に85%に! 特に、人間関係を築く第一歩となる「挨拶」の実践が増加。
共同体意識の醸成:「仲間が必要」に対する「よく当てはまる」回答が、研修前68%⇒研修後に81%に! 「私は一人ではない」「仲間がいる」という感覚が育まれ、学校生活や仕事に前向きな変化をもたらします。
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「ホーム」があるから挑戦できる
研修のもう一つのテーマは、「心理的安全性」と「挑戦」のバランスです。私たちは、研修を通じて、安心できる「ホーム」環境を学生たち自身が共同して創造することを支援します。少しズラした視点で言うと、学生たちにとってリアルなVUKA的世界である屋外のアウトドア環境で、「仲間が必要である」「共同体意識を感じる」ことを直接経験できるように、私たちは全力でファシリテートします。
「ホーム」があることで、安心して「アウェイ」(新しい挑戦)に向かうことができるのです。この仕組みが、学生の中退抑止、若手社員の離職防止や成長に繋がると確信しています。
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アウトドアの力を信じて
自然環境が持つ力も見逃せません。不便で、快適とは言えないアウトドアの環境。それが、仲間との絆や自分自身への信頼感を強めるきっかけになります。たき火を囲みながらの会話や、みんなで協力して作る一食の価値。そこには、スマートフォンやデジタルツールでは得られない学びがあります。
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未来に向けたマネジメントの民主化
私たちが研修事業を通じて目指しているもう一つのテーマが、「マネジメントの民主化」です。マネージャーになってからではなく、内定者や新入社員の段階から「チーム視点(俯瞰力)」「全員リーダー視点」を育てることで、個々が主体性を持ってチームに貢献できる文化をつくります。
私たちは、マネージャーが一人で事業や組織のマネジメントを抱える無理ゲーな環境を変えることが、未来を拓くことにつながると信じています。
「冒険の民主化」を目指して
私たちがこの研修事業を通じて最も大切にしているのは、「冒険の民主化」という考え方です。冒険は特別なものではなく、すべての人に可能なものです。「小さな冒険」と「小さな成功体験」を積み重ねることで、誰もが「越境(大きな冒険)」を体験し、成長していける。そんな場をこれからも提供していきたいと考えています。
この記事を読んで、「自分も挑戦してみたい」と思ってくださった方がいれば、ぜひその一歩を踏み出してみてください。冒険は、いつでも始められます。私たちは、冒険に踏み出すあなたを全力で応援します。
最後に:
私たちの研修や取り組みに興味を持った方は、ぜひコメントやシェアでお知らせください。新しい冒険が広がるきっかけになるかもしれません。
ありがとうございました。