映画感想:パーム・スプリングス(2020)
ループものの作品と聞けば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
日本で、最も有名なのはやはり「時をかける少女」だろうか。
1960年代に出版されたSF小説が、実写・アニメ・ドラマ、さらには舞台にまで派生して、現在も変わらず親しまれている。ちなみに私は細田守監督作品のアニメ映画版の主人公、紺野真琴がちょー好きである。
ボーイッシュな見た目と性格、加えて隙だらけの服装に、野球やカラオケが趣味、最高である。私もこんな可愛い女の子と野球がしたかった。彼女が打った球なら、ボール拾いだって楽しいだろうなぁ…
話を、ループものに戻そう。
同じ時間を何度も繰り返す、とはあるがこの「時間」というのが「どれぐらいの長さ」というのは作品によって異なる。
例えば、アニメ:涼宮ハルヒの憂鬱・エンドレスエイトでは夏休み期間である8月17日~8月31日の15日間を延々と繰り返し過ごしていた。
最近の作品でいうのであれば、漫画:東京卍リベンジャーズでは主人公・武道が何らかの問題発生する前後という期間を、事態が好転するまで繰り返し、好転したらまた次の問題発生する前後を延々と繰り返していく。
ループものの作品では、こういった期間といったルールが肝になっている。
本日、語りたい作品である映画:パーム・スプリングスではどのようなルールが設けられているか、といった点から記していきたい。(ネタバレはナシですお寿司)
主人公ナイルズは、ひょんなことから光に飲まれてからは知人の結婚式である11月9日を繰り返し過ごし続けている。式の花嫁の姉であるサラは、ループ世界を過ごすナイルズの後についていき誤って洞窟の光に飲まれてしまう。
ループを体験して間もないサラはパニックに陥って、現実を受け入れることができず、アレやコレやと視聴者が思いつく限りのチャレンジを行う。
サラが本作品のルールを知っていくのと、同時に視聴者も理解できる。
同じ日を永遠に繰り返す運命になりましたと、突き付けられてあなたは何を思うだろうか。最初は事の重大さを理解できないんじゃないだろうか。
しかし、どう足掻いても明日に行けない、つまりすべての行動に意味がないと悟った時に絶望するのではないだろうか。
フランクル心理学において、人間は意味を求める存在である、と提唱されているが、ループ世界においては求めても意味が返ってくることはない。
そんな絶望に直面したナイルズとサラは
リゾート地であるパーム・スプリングスでハチャメチャに遊ぶ。
酒飲んで歌って踊って…仮に怪我をしてもループすれば健康な状態に遡るだけなので無茶しまくります。無茶の果てに片方が死んでも笑い飛ばすだけ。
とにかくこのリゾート地で文字通り死ぬほど遊んでる絵がいい。
視聴している側もすげースッキリする。
パリピが遊んでる絵を見て、何がスッキリするの?と疑問に思うかもしれないが、この二人は決してパリピではない。
どっちかというと陰キャラだ。
ナイルズはループ世界の影響かもしれないがこじらせた中二病だし、サラは根は真面目で自分に自信が持てない内向的な女性だ。
そんな二人が酒飲んで毛穴かっぴらいて全力で遊んでいるのだ。
何万回という繰り返しの果てに、飽きてしまって悲観的になっていく…なんてこともない。ずっとバカしているのだ。
メンタル、タフすぎん?
という疑問が湧くかもしれない。
でもそんな疑問がノイズになる前にクライマックスへ物語が向かっていき、答えが提示される。
本作品のジャンルは、ラブコメディだ。
見終わった後にはラブとコメディでいっぱいだったなぁ~…と爽やかな気持ちになれることだろう。
コロナによる自粛期間、随分と長い時間、自粛といった二文字を私たちは繰り返してきた。
この作品はデッケえラブとコメディで、この自粛といった二文字をぶっ飛ばしてくれる。正にいま観るべき作品だと思った。
最後に公式サイトに記載されている素敵な文言を引用する。
2022年6月18日時点で、AmazonPrime会員は無料で観れます。
金払ってたとしても、後悔はないハズです。
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