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映画感想:ウィリーズワンダーランド(2021)

可愛らしい動物型のロボット、と聞くと日本人ならドラえもんを思い浮かべるだろう。ではその可愛らしい動物型のロボットが人を襲う、と聞けばどうだろうか。

私はホラーゲームの Five Nights at Freddy's を思い浮かべる

こちらの作品では、とあるピザ屋の人気マスコットである機械人形:アニマトロニクスが、夜な夜な独りで徘徊して人を襲う…といった物語だ。

昼の顔は子ども達の人気者、夜の顔は人を襲う無慈悲な鉄の塊、Five Nights at Freddy's はゲーム性はもちろん、ストーリーから舞台設定まで、様々な点がユーザーに評価されて最終的には4まで続編が出て更にスピンオフ作品まで作られた。

今日は設定だけ聞いたら

え、これなんかFive Nights at Freddy'sに似てるくない?
ドキドキッ!

と思うがいざ視聴すれば、開いた口が塞がらなくなること間違いない、クソ映画「ウィリーズ・ワンダーランド」を紹介しよう。

※ネタバレもしますし、作品に対して批判的ですのでご注意を

3行のあらすじ
・車の修理代の代わりに日雇いの廃墟の清掃を任されたニコラスケイジ
・不気味な機械人形が置いてあるけど気にせず働こう
・襲ってきたけど、なんか勝った

元遊園地の廃墟に閉じ込められ、そこには不気味な機械人形が8体…子どもたちを喜ばせるハズの愉快な歌はいつしかおどろおどろしい生贄に対する歓喜の歌へ…

っと…なんか設定だけ聞くと、B級ホラー好きからすると

「美味しそう~」

っと思ってしまう。

機械人形のデザインも愛嬌の中に、どこか不気味さを宿す絶妙なバランスでいい感じ…なのだが


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まず先に結論を述べるとこの映画はホラーではない。

コーエーテクモの人気シリースである真・三國無双のスピンオフ作品

ニコラスケイジ無双である。


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このように評された上で視聴すれば、まだ楽しめるかもしれない。

私は中途半端に設定やビジュアルに惹かれて鑑賞してしまったが故に、むかっ腹を立てる羽目になった。

ここからは残念だった点を語っていきたい。


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説明不足すぎて意味がわからない

ニコラスケイジ演じる主人公は、ほぼ一言も発しない。いきなり機械人形が襲ってきても、いきなり窓ガラスに血文字が描かれても、目の前でティーンエイジャーがぶっ殺されても

マジでなんも喋らないしほぼリアクションもしない。

廃墟や機械人形、なぜ主人公が清掃を任されたのか、など舞台設定の説明は主人公とは対照的に流ちょうに喋る有象無象のおかげで把握できるが

いきなり動き出した機械人形に無表情で顔面パンチするニコラスケイジが意味不明すぎてついていけない。

あと腕時計にタイマーを設定しており、オンオフを切り替えながら清掃の仕事をしている様子で、オンの時にしか清掃も機械人形とのバトルもしない。戦闘中にタイマーが鳴ったからってバックヤードに引っ込んでジュース飲みながらピンボールし出す。

マジで理解ができないし、笑えもしない。

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デザインや設定が生かされない

私の好きなホラー映画で殺人ピエロが出てくる「クラウン」という作品がある。

この作品では大型ショッピングモール内などにある、ボールプールとチューブ状の入り組んだスライダーといった遊具内で殺人が行われる。チューブの中で行われる殺人ピエロとの鬼ごっこ、スライダーから流れ出てくる鮮血と臓物、ボールプールに飛び込むと底に血だまりができている…!

めちゃくちゃ怖くていいシーンなんですけど

ウィリーズワンダーランドはどうか?

元遊園地ということもあり、様々な遊具やゲームの筐体が置いてあったり、また機械人形たちもカメやゴリラ、妖精だったりとビジュアルが異なる。

でも関係ない。

全部普通にぶん殴って倒す、ニコラスケイジの物理攻撃で倒す。何の工夫もギミックもない、恐怖描写の面白さもない。

ゴリラ型のロボットも、パワー系だから正面突破はムリだろ?と思ってたら普通に殴り勝ちます。

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無駄に人が死にまくってかわいそう

B級ホラー映画で「人が死んでかわいそう」ってなんだよって思うかもしれません。まずは説明させてください。

まずニコラスケイジは無敵です、そういう設定です、なので殺せません。でもホラー映画なので人が死ぬ、ゴア描写が絶対に必要です。実際に機械人形が人を殺すシーンが入っていないとニコラスケイジが襲われても、恐怖感がないじゃないですか。まぁ、どっちにしろないんですけど。

で、死に役として登場するのが「呪われた廃墟を破壊する為にやってきた若者たち」です。別に酒とドラッグでハイになって悪ふざけでやってきた訳じゃありません。

しかも、建物の破壊を行う前に室内にニコラスケイジがいるから、助け出してからにしよう!とわざわざ中に入ってきて…一言も喋らないニコラスケイジにまともに相手されず、所在なさげにしているところを機械人形たちに襲われて死にます。

マジで不憫すぎる。

瓶ビール片手にガンジャ決めたパリピを配置しとけよそこは。

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ピンボールのシーンがクソ長い

前述したようにニコラスケイジは、腕時計のタイマーが鳴る毎に仕事モードとオフモードを機械的にいききし、オフモードではジュースを飲みながらピンボールに興じます。

この、ピンボールのシーンが、クッソなげえんだわ…

たぶん笑いどころなんだと思う。

ここで手を叩いて、歯をむき出しにして、ヨダレ垂らしてねってのが監督の意図なんだと思う。でも無理だよ…意味わかんねーし、無駄になげえし、無駄にカメラワークとか映像にこだわり感じるし…

無理だよ。

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アクションシーンが単調

ジャッキーチェン作品のアクションって、面白いですよね。その場にあるものを臨機応変に使って、肉体を自由自在に操って、どこかコミカルだけど目を見張るものがあるっていうか

コチラの予想できない動きをしてくれるんですよんね。

で、いざって時にめちゃくちゃカッコいいアクションがあって…

ウィリーズワンダーランドのアクションも予想を裏切ってくれます

何故なら同じことの繰り返しで、代わり映えが無さすぎるから…

敵役である機械人形は合計8体いるのですが、全部殴る蹴る、武器を使うか使わないかぐらいの違いしかありません。スピードタイプっぽい敵も、パワータイプっぽい敵も、武器持った奴も、舌が伸びるトリッキーな奴も全部殴り倒します。

ラスボスのウィリーとの戦闘も、武器を使って正面から普通に殴り合いをして勝ちます。

この戦闘の直前にウィリーは、腕をふるっただけで人間の上体をぶっ飛ばすという離れ業をやってのけるんですが、その尋常ではない怪力も普通に受けとめて殴り勝ちます。

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さいごに

この映画体験で最も近いのは、ゲーム性の低いクソゲーをプレイしているときの感覚です。

なんでコレできねーんだよ

結局ボタン押してるだけじゃねーかよ

ストーリー性皆無かよ



設定だけは、いいのになぁ…とため息をつきながらとりあえずゲームクリアまではやる。そんな体験をしたいあなたに!!!

字幕版なら、7月25日で、無料でした。


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