音色

その丸みのある柔らかな音色は僕の全てを止めた。
初めて本物の音を聴いたかのような感触。
言葉にしようとすれば全てが陳腐になろうとも、それを試みずにはいられないこの感動。
自然と溢れる涙。あらゆる雑念が霧散し、温かな雲に包まれるような心地よさ。
すごい。世界にはこれほどの物が存在していたんだ。
これが人の叡智。極の姿。いや、もしかしたらこれ以上の存在があるのかもしれないが、これが人の手により編み出されているという事実。
人の凄みがただただ気持ち良い。

ただ、そうだ、これはまだ真ではない。生ではない。電子。
実際はどれほどのものか、想像するのは難しい。
いつか味わってみたい。そう思わずにはいられない極致。

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ひがちゃん
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