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#3 アイデア勝負

1. 掘り出し物か、負の遺産か

日本の人口減少が止まらないと言われる中、ここ東彼杵町においても順調に…いやそれ以上の勢いで減少しています。2000年当時10,000人超の人口が2024年現在7,400人前後と言われているので約25%の減少率です。結果、廃校、空き家、空き地、休耕地さらには廃業事業地が生まれることは想像に難くありません。”有休施設の活用”というお題が落ちてきました。
都心で働いていた頃、千葉から都内に向かう超満員の総武快速線の中で「10%でいいから人を減らしてくれ!!」と切に願っていましたが、あの頃の悩みは本当に贅沢だったのですね。地方には人がいません…。

東彼杵町の代表的な遊休施設は…
旧小学校(校舎、体育館、プール、運動場付き)
旧農学園(校舎、体育館、農場、寮付き)
旧流しそうめん施設(駐車場付き)
旧地方銀行(社屋、駐車場付き)
これらを価値を生み出す掘り出し物とできるか、負の遺産で終わらせるか?まさしくアイデアと行政政策を融合させるスキルが要求される難易度の高いテーマです。行政職員は何年も何十年も前に作られた箱物を眺め、頭を抱えながら仕事をしているのです。

旧農学園

2. 他人のアイデアを学ぶ

有休施設を上手く使っている事業者が東彼杵町にいます。町保有の遊休施設であった”龍頭泉いこいの広場キャンプ場”を買収し、2023年にトラウトサーモンの陸上養殖を始められたクラウドナインファームの野村さんです。介護施設を経営する傍ら、施設の高齢者に「安全・安心な魚を食べさせてあげたい」という思いから、陸上養殖事業を立ち上げられました。一度、ご無理を申し上げて一匹食べさせてもらったことがありますが、これがもう本当に美味しい。本人はいつも「大したことないよ」と謙遜されますが、”他のために”という一本の筋金が入った利他の心で育てられたトラウトサーモン事業を学べたことは、負の遺産とも言える遊休施設をどうやって輝かせるか?の大きなヒントになりました。訪問するたびに野村さんの夢の果て(これが本当にすごい)をいつも聞かせてもらいますが、是非実現してほしいと思います。

廃校の利活用で先進的な成功事例として、千葉県南房総市のシラハマ校舎さんをベンチマークのために視察訪問してきました。ここの代表の多田さんご夫妻(本当に素敵な方でした)もまた"他のために"という思い、そして”やるんだ”という強い覚悟を兼ね備えられた印象を受けました。
実は私、「東彼杵町でこれをやればめちゃ儲かる」(と、やや自惚れていた)クラインガルテン構想を密かに考えていたのですが、多田さんは正直にたくさんの経験談をしてくださり、頑固で屈強な私がその場で「クラインガルテンはやめておこう」と素直に軌道修正するほどの影響を与えてもらいました。
子どもの頃、両親によく言われましたが、”正直”、”素直”って大事です。

3. 銀行でスケボーしよう

ビジネス本とかあまり読まないので、すでにこの考えを提唱されている人がいたらごめんなさいという前提で私の考えた公式をちょっと書きます。(当たり前というか、鼻で笑われそうなクソみたいな公式ではありますが…)
       2のn乗かつn≧3 が成り立つアイデアを見つける ---(※)
他と比べて際立って強いコンテンツ(商品)、知名度、ブランド力があればそれだけでビジネスはある程度成り立ちます。京都、鎌倉、浅草のように聞けば情景が思い浮かぶような超ビッグネームは典型的です。
仮に”地方創生&地域活性化コンテスト”なるものが開催された場合、ステージに1,000を超える地方自治体がに上がったとしましょう。おそらくほぼ全ての地方自治体が「この景色が最高」「これは美味しい」と自己PRします。でも、コンテストを見に来た人は「どこも同じだな」となる。ここで差別化させるための公式が前述の(※)です。

2+2、2×2 これはどちらも4ですが、3以上になるとどんどん差が付くイメージです。
例えば、
遊休施設:旧地方銀行の社屋がある(n=1)
屋根付きなので雨天でもスケートボードができる(n=2)
駅から近い(n=3)
この時点で2+2+2と2×2×2には”2”の差ができます。
オンライン予約ができて(n=4 2×2×2×2=16)
24時間自由に出入りができる施設(n=5 2×2×2×2×2=32)
n=5まで積み上がるとその差は”22”まで膨れ上がります。
ちなにみこの"オンライン予約できて24時間営業している銀行でスケボーできる施設"は私のアイデアなのですが、結構面白い発想だなと自負しています。
ジトジトした雨模様の日曜日の朝、スケボーキッズが「ねぇ!お父さん!今日は銀行に行こうよ!」などと言う光景を想像するだけでちょっと笑っちゃいます。オリンピックで金メダルを取ったこともあり、小学生、中学生が全天候型のスケートボード練習場があれば集まってくるんじゃないでしょうか?マーケットは十分ありそうです。移住を考えてくれれば人口増に繋がるし、未来のオリンピックメダリストがこの町から誕生するかもしれないと思うとワクワク以外のなにものでもありません。
実際に、遊休施設である体育館でスケボー事業をされている福岡県香春町スケートパークには多くの来場者が来ているそうで、東彼杵町でもアイデア一つでこういう差別化できるコンテンツがいくらでも作れることを見出せた気がします。

【引用】香春町スケートパーク様

4. 次回予告

読めない、書けない、だから検索されない東彼杵町のPRをしてあげたい、あの抹茶ポップコーン(#1参照)にスポットライトを当ててあげたい…、だからもっといいアイデアの引き出しをもっとたくさん作りたい。
こんなことを考えながら、とある夢の国の人のアドバイスを”素直”に聞いていると大阪・関西万博2025という閃きが落ちてきました。

東彼杵町は長崎県内の自治体、企業、団体を通じて最初に登録しました
”最初”というのが大事なのです

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